建築家だった亡き両親を持つ兄弟が主人公。
兄・太郎は、引手を中心としたあまり大きくない古い建材を扱う古物商を、実家の纐纈(こうけつ)工務店でやっている。
弟・散多(さんた)は調理師免許を持ち、都内の飲食店に勤めていたが、経営者が身体を壊して店を畳むことになったのを機に、実家に戻って兄の仕事を手伝いつつ、実家の工務店の帳場だったところにカウンターを作ってバーのようなものを開いている。
ところが、ここ二、三年のこと、あちこちの建物の解体現場に、十歳から十二歳くらいの白い夏物の服を着た長い三つ編みの少女が現れるという噂が流れるようになった。
実は、散多も子どもの頃に、記憶には無い少女に出逢ったことがあり、当時はクラスメイトに肉親だと紹介していたらしい。
兄にその話をした時、兄は彼女をスキマワラシと命名した。
さらに散多は、古いタイルなどに触れると「過去」が見える時があり、トンネルの壁ともなると、確実に怖い光景が見えてしまうので、注意が必要だった。
現在も、太郎や散多が両親の仕事の足跡をたずねていくと、古いタイルに出逢ったり、スキマワラシを見たりもする。
スキマワラシの正体や、散多の能力とは、何なのか?
462ページという久しぶりに分厚い本でしたが、白い夏の少女や、途中から登場するダイゴハナコという女性の不思議を追ううちに、現実の日本とこの物語を重ねて「今までの日本は夏を過ごしていて、これから秋冬を迎えるにあたって、実りのあるものにしていかなくてはならないのかなあ?」と感じました。
現実は、様々な情報からすると、とても実りなんて期待できそうにもありませんが、少しでもより良いものが残せる国でありたいです。
兄・太郎は、引手を中心としたあまり大きくない古い建材を扱う古物商を、実家の纐纈(こうけつ)工務店でやっている。
弟・散多(さんた)は調理師免許を持ち、都内の飲食店に勤めていたが、経営者が身体を壊して店を畳むことになったのを機に、実家に戻って兄の仕事を手伝いつつ、実家の工務店の帳場だったところにカウンターを作ってバーのようなものを開いている。
ところが、ここ二、三年のこと、あちこちの建物の解体現場に、十歳から十二歳くらいの白い夏物の服を着た長い三つ編みの少女が現れるという噂が流れるようになった。
実は、散多も子どもの頃に、記憶には無い少女に出逢ったことがあり、当時はクラスメイトに肉親だと紹介していたらしい。
兄にその話をした時、兄は彼女をスキマワラシと命名した。
さらに散多は、古いタイルなどに触れると「過去」が見える時があり、トンネルの壁ともなると、確実に怖い光景が見えてしまうので、注意が必要だった。
現在も、太郎や散多が両親の仕事の足跡をたずねていくと、古いタイルに出逢ったり、スキマワラシを見たりもする。
スキマワラシの正体や、散多の能力とは、何なのか?
462ページという久しぶりに分厚い本でしたが、白い夏の少女や、途中から登場するダイゴハナコという女性の不思議を追ううちに、現実の日本とこの物語を重ねて「今までの日本は夏を過ごしていて、これから秋冬を迎えるにあたって、実りのあるものにしていかなくてはならないのかなあ?」と感じました。
現実は、様々な情報からすると、とても実りなんて期待できそうにもありませんが、少しでもより良いものが残せる国でありたいです。