こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

映画『ブックセラーズ』in小倉北区昭和館

2021-05-08 20:50:21 | 映画
タイトルを聴いて、KBCシネマでは放映されると伺い、観たいなあと思っていたドキュメンタリーです。

それが、いつも伺っている書店の表に、昭和館で上映と紹介されていたら、行かないわけにいかないじゃないですか。
そんなわけで、公開当日の今日、観に行ってきました。

まあ、要は、様々なジャンルの古本や希少本、執筆原稿などを収集しつつ販売している方々の話なわけで、一種、コレクターと言いますか、仲介業者ですかね?

本好きとしては、自分自身の愛する本や、作家さんの原稿でもあれば、欲しくなるのも仕方ないとも思います。
だから、そういうものが埋もれていたら探し出したり発見したりしてくださるのは、とても大事なことだと思います。

ただねえ。並んでいる革表紙の本たちを眺めていると「これって、飾られているだけ?読まないの?」と、本来の本の存在価値からずれている気もしますし、何より、高額な絵画をコレクションして死蔵しているのと同じように思えて、観ていて不快な気分になってきました。

確かに、今のように本の全てが電子書籍になってしまうと、万が一、全ての電子機器がダウンして壊れ切ってしまえば、取り戻しがきかないわけで、それを大切に保存して下さるのは、重要なんです。

でも、どこか釈然としない気持ちになってしまうのは、本好きとしてはアリだと思うのですが、間違っていますかねえ?
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『和菓子迷宮をぐるぐると』太田忠司

2021-05-08 20:20:51 | 読書感想
 
幼い頃、母の作るぼたもちが好きだった河合涼太だったが、その母がいなくなった六歳の三月二日から、餡子が苦手になってしまった。

そんな涼太も成長して典型的な理屈っぽい理系大学生になり、卒業後は大学院に行く予定だったが、卒業を前にして、彼を育ててきた伯父夫妻の伯母に連れられて行ったデパートの物産展で出逢った和菓子の美しさと美味しさに魅せられて、急に進路を和菓子職人へと転換してしまった。

製菓専門学校に通い始めた涼太は、しばらくして知った和菓子のコンテストに、自分の能力を知りたいために挑戦すると言いだした。
同じ班の生徒たちは、本来、プロが参加するものではないかと止めようとするが、案内にはプロという規定はないと申し込む。
さらに、それに触発された同班の生徒も、それぞれの力量を知るために、参加する事にした。

いちいち理屈っぽい涼太ですが、あまりに率直で素直なため、読んでいて微笑ましく感じました。
また、コンテストで出品した菓子の状態を読むに、涼太は、かなり個性的な菓子を作る職人になりそうですね。

最後に、涼太が再会した母に伝えた言葉は、漫画家の三原順さんの作品『はみだしっ子』のグレアムが言い、また、言われた台詞ですかね?
グレアムにしろ、涼太の母親にしろ、それで自由になれるのでしょうか?
永遠の難題だと思いました。
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