こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『本好きの下剋上 第五部 女神の化身II』香月美夜

2021-12-13 20:38:09 | 読書感想
 
今回のローゼマインは、常々フェルディナンドには、王族には近づくなと釘を刺されていたにもかかわらず、図書館の書庫を開けるために彼らを巻き込まざるを得なくなる。

また、ダンケルフェルガーとの共同研究のための「宝盗りディッター」についても、ダンケルフェルガーの領主候補生レスティラウトが、ローゼマインの高い利用価値に気づいたせいで、彼女に婚約者がいるにもかかわらず強引に第一夫人に望み「嫁盗りディッター」をせざるを得なくなる。
しかも、そこに王族が関わって来るわ、中央騎士団が勝手な行動としてこのディッターに割り込むわで、大混乱となる。

何と申しますか、報告書を読んだフェルディナンドやジルヴェスターの、苦虫を嚙み潰したような表情が思い浮かびます(^^;)
ただ、このディッターをしないようにするためにローゼマインが要求した、レスティラウトの妹のハンネローレのヴィルフリート第二夫人という立場。長年、兄に抑圧されてきたハンネローレとしては、ヴィルフリートからの思いやりは、初めて触れた男性からの優しさだったようで、瓢箪から駒かもしれません。

私の勝手な考えでは、ヴィルフリートはいい子なのですがローゼマインの夫としては力不足という気がしますので、いつかは婚約解消されてハンネローレこそ、第一夫人になるのではないかと憶測しております。
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『あきない世傳 金と銀(十一)風待ち篇』高田郁

2021-12-13 20:09:47 | 読書感想
 
来年が宝暦十年辰の年という事と三河万歳から、災難が多い年になるという予言が出ていたが、翌年、本当に江戸の町を大火が襲った。

さらに、五鈴屋店主の幸にとって辛いことに、またしても妹の結が夫の音羽屋忠兵衛と共に、汚い方法で五鈴屋の商いの妨害をする。

こういう考え方は本当は良くないのかもしれませんが、たかが一度、想う男に振られそれを叶えるために姉が相手に強要しなかったからと、恨みに思うのはどれだけ我儘で傲慢なんだと感じてしまいます。

しかも姉への仕返しも兼ねてとはいえ、真っ当な商いではなくあこぎな方法で邪魔をしようなんて、客もその店がどういう商売をしているかを見て選ぶのですから、長続きしませんよねえ。

ひとまず幸の商いは、上手く行きそうですし、いくらか安心はしました。
ただねえ、音羽屋忠兵衛の言葉が気になるところではあります。
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