『地球が寂しいその理由』六冬和生

地球の環境と社会を守ることに心を砕くＡＩコンピュータ・アリシア。
月面都市を包括管理し、電力確保や水資源と有機物の完全リサイクルをしている月のＡＩコンピュータ・エム。

二人は双子の姉妹で、たびたびアリシアの忙しいときを狙ってくだらない話題を仕掛けるエムと、毎日のようにケンカをしていた。

二人のケンカが地球と月を巻き込む壮大な危機を悪化させることになろうとは。
何と申しましょうか、量子コンピュータのＡＩに、頼り切る人類も悪いですよね。
エムも素直じゃなく、アリシアも頑固ですからねえ。
結末から言って、今後人類が反省して自分自身で考えられればいいのですが・・・。

『マンガ肉と僕』朝香式

僕ことワタベ君は、肉女こと熊谷サトミに、今日もマンガ肉を買いに行かされていた。
そもそも、大学でシャープペンシルを貸したことをきっかけに、ワタベ君家にサトミが住み着いたのだった。

表題作の次はサトミが、その次はサトミが知り合った本城聡太朗が主人公格になったので、このままリレー形式の短編集になるのかと思っていたら違いました。

男性にとっては厳しい結末だと思ったのですが、男性側から見たら、ワタベくんの立場はどうなんでしょうね？

『ナモナキラクエン』小路幸也

サン・ユカリ・スイ・メイの４人は、異母兄妹である。
母たちとは４人とも縁が切れ、父と５人家族として暮らしていた。

ところが、七月の夏休みが始まる手前の日曜日の午後一時。
サンと二人きりでいた父が「楽園の話を聞いてくれないか」と笑みを浮かべたまま、崩れ落ちるようにゆっくりと倒れ、そのまま死んでしまったのである。

葬儀のあと、遺言を読んだ４人は、それぞれの母に会いにいくことを決める。
それぞれの母は、確かにいい人だとは思えたのだが、どこか違和感を覚えてしまった。
その後、サンだけどうしてもと父の幼なじみから理由を聞くこととなる。

お父さんが子どもたちの負の感情を引き受けつつ、未来を見るように仕向けてくれたおかげで、彼らは今もこれからも、地に足をつけ何にも惑わされないで、生きていけるようになったと思います。

いい物語でした。

『シャーロック・ホームズの蒐集』北原尚彦

この本は、シャーロック・ホームズ正典中の”語られざる事件”をテーマにしたパスティーシュ短編集です。

私は中でも「遅刻しがちな荷馬車」「憂慮する令嬢の事件」が気に入っています。
前者は、最初からホームズ自身は分かり切っていたことらしいのですが、やはり驚きでしたし、後者は、依頼主であるしっかりした小さなレディの祖父思いのところと、思わぬ結果に驚かされたところが楽しみになりました。

梅林？

お出かけと言っても、ご近所の梅林というにはお粗末な十数本しか梅の木が無いところではありますが、行ってきました。

ちょっと早かったようで、まだ半分くらいしか咲いていませんでした。
とはいえ、せっかく行ったので写真に撮ってきました。

紅梅はこんな感じ。



で、アップはこんなものかな？





白梅もありました。



まだ半分以上つぼみですが、３月になれば満開になるのでしょう。
梅まつりがあるようです。