こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『X’mas Stories』朝井リョウ あさのあつこ 伊坂幸太郎 恩田陸 白河三兎 三浦しをん

2017-03-23 19:28:45 | 読書感想
誕生日から逆算して、自分がこの世に発生した日を常に意識しているOL。
クリスマスに大切な人を亡くしてしまった寧々。
失敗の多いサンタクロースの一員。
クリスマスをテーマに6人の作家が生み出した魅力的な物語たち。

中でも、ホラーじみているけれど大切な人の思いが伝わる、あさのあつこさんの「きみに伝えたくて」
サンタのシステムを持つ巨大な非営利団体、伊坂幸太郎さんの「一人では無理がある」
再鎖国をした日本に残るクリスマスのかすかな記憶、恩田陸さんの「柊と太陽」
そして、江戸時代の天草から現代の東京にタイムスリップした武士と農民の驚きと顛末、三浦しをんさんの「荒野の果てに」が特に好きです。
季節外れの読書感想ではありますが、面白かったのでいいですよね?
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『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』太田忠司

2017-03-22 19:37:47 | 読書感想
名古屋駅西のさびれかけた商店街で、昭和24年創業の喫茶ユトリロが、当時の姿のまま営業を続けている。
接客は七十歳の鏡味敦子。
キッチンは敦子の夫で現店主の正直、七十二歳が担当している。
ほとんどの客が長年の常連で、朝と昼は、ほぼ満席に近くなる。

主人公は、この夫婦の長男・昭光のひとり息子・龍、十八歳。
名古屋大学の医学部に入学したため、祖父母の家であるここに下宿することにしたのだ。

事の始まりは常連の岡田夫妻の玄関先に、手羽先の骨を置くイタズラが繰り返されているという悩みを龍も聞いたことから。
その後、龍と同じ講義を受けている平井駿に、名古屋の手羽先を食べたことが無いのを告白したため、名古屋飯に詳しい先輩・明壁麻衣を紹介してくれた。
たまたま食べている最中にイタズラの件を話したところ、先輩はすぐに行動をし、あっという間に解決してしまったのだ。

その後も‘‘カレーうどんとおかしなアフロ’’事件、‘‘海老フライと弱気な泥棒’’事件と明壁さんは見事に解決していくのだが・・・。

各章で名古屋飯を紹介してくれるのも楽しいのですが、事件が鮮やかに解かれていくところや、龍のほのかな恋心の行方も読みどころでした。
おっと、事件解決が一番ですかね?ミステリですし。いけないいけない(苦笑)。
お薦めです。
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コミックエッセイ『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議3』オーサ・イェークストロム

2017-03-21 19:27:58 | アニメ・コミック・ゲーム
初っ端からオーサさんは白塗りに挑戦。
あそこまで変身しちゃうと、自分じゃなくなったようで心が解放できそうです。
とても変わった体験としては、趣味で野宿をするというものがありました。
他には、森永で半日会社員体験とか、占いとか、折り紙、茶摘み、そば打ち、将棋など、多岐にわたって体験なさっていて、大変な半面、うらやましくもありました。

日本とスウェーデンの文化の違いも面白く、基本的な感覚の差なども見られて、楽しかったです。
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『女子的生活』坂木司

2017-03-20 19:28:21 | 読書感想
みきは、最近まで同居していたともちゃんが恋人をつくって出ていった事で、新たな同居人を探していた。
そんな時、高校時代の友人・後藤が借金取りに追われて転がり込んできた。
何でも、同居人の借金を肩代わりする破目になったらしい。

面倒ながらも、短期間だけ置いてやるつもりだったみきだが・・・。

みきは、誰よりも魅力的でパワフルで素敵な女の子です。
彼女が勤めているのはブラック企業みたいなのですが、それをはねのけるエネルギーと反骨精神、それでいて協調性も持ち、少なくとも彼女の周りの人々は、彼女同様、真っ当な考えを持つ人が多そうです。
とはいえ、みきの生活にもあらゆる方面から波風立てる人物は現れるもので、それへの対応すら格好良く、素晴らしいと思えました。
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『妖たちの四季 妖怪の子預かります3』廣嶋玲子

2017-03-19 19:31:56 | 読書感想
お江戸の下町、貧乏長屋の一角に、少年弥助とその養い親である全盲の按摩の千弥が住んでいた。
実は、白皙の美貌の持ち主である千弥は白嵐という大妖で、かつて罪を犯したため力を奪われて追放されたのだった。
一方、弥助はれっきとした人間だが、とある事情で妖怪うぶめに借りを作り、妖怪の子を預かって世話をする役目を与えられてしまった。

今回、春には猫の妖の姫様のお庭で常夜桜を愛で、夏は気絶した弥助そっちのけで妖怪奉行・月夜公の甥である津弓と梅の子妖怪である梅吉が仲良くなり、秋には兎の妖怪・玉雪の持つ栗林で栗拾い、冬は月夜公と千弥の出会いと千弥の罪の背景が語られます。
そして「忘」という覚と対称的な妖怪が現れますが・・・。

久蔵は遊び人ではありますが、それだけに考え方も自由だということが分かり、ある意味めでたい話です。
津弓には、新しい友ができましたし、玉雪も切なくも悲しいながら人助けができ、千弥はとても思いやり深い人物ということが再認識できました。

そんな千弥がラストではああですから、何とも微笑ましく思えます。
色々ありますが、温かい物語でした。
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