こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『心中探偵 蜜約または闇夜の解釈』森晶麿

2018-01-19 16:04:50 | 読書感想
新人小説家・華影忍が心中未遂事件を起こし、自分は生き延び、相手の女性は亡くなってしまった。
行きずりの相手だった相手・柳沼水奈都は、彼が心中しようとした人物とは別人だった。

不審に思った華影が事件を追うと、次々と妨害者が現れる。
果たして真相は?彼が出会った人物とは?

この物語では、華影忍の後輩として《黒猫》シリーズの黒猫が登場します。
あくまで情報を与えるという立場ではありますが、華影がもう少し黒猫の言う事を慎重に聞いていれば、いくらか早く真相に到達できたのではないかと思ってしまいました。

それにしても、華影の結末の無様な姿といったら。
まあ、人間なんてみんな基本的に無様なものかもしれません。
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『居酒屋ぼったくり(8)』秋川滝美

2018-01-13 19:50:09 | 読書感想
今回、サツマイモの茎のきんぴらから始まった「ぼったくり」

要がいい加減なプロポーズをした事を美音から聞いた要の母が、息子にお仕置きをするところには、笑ってしまいました。
何でも、三代続くすっとこどっこいだそうで、困ったものです。

また、リョウの伯母のこじれた気持ちや、マサさんの孫・ミサちゃんの出せない不満を和らげた美音の思いやりと料理には、感服しました。

ただ、美音がプロポーズを受けた事で、本当にぼったくりを続けられるのか、さらに、今までのようにこの町に住み続けることができるのか、っていうのは悩みどころですよねえ。

次巻でどう話が展開するのかが、気になります。
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『鶏小説集』坂木司

2018-01-11 19:34:21 | 読書感想
唐揚げ好きのハルと焼鳥好きのレンは塾友で、ある日、家族を入れ替えてみたら自分の家族よりも馬が合った。
「トリとチキン」
一方、レンの父親も息子と気が合わない事に悩んでいた。
「地鶏のヒヨコ」
また、ハルが大好きなあげチキのあるコンビニのバイト・タカナくんは、「別にそこまで」が信条のこだわりのない男だったが、クリスマスの晩にそれを覆す事件が起きた。
「丸ごとコンビニエント」
次に、ハルの妹・村岡美咲と付き合い始めたリュウこと井上竜太との馴れ初めが描かれ、ここで出てくるホラーコミックスが、最終話へのバトンとなる。
「羽のある肉」
そして最終話では、ホラーコミックスの作者の誕生秘話。いじめっ子だったバキくんとの再会と鶏ハムによって、どのように彼・戸部エンドが生まれ、成長していくかが描かれる。
「とべ エンド」

鶏肉と地縁がつないでいるこの物語。
悩み迷いながらも、すべての登場人物が自分の人生を生きているところが、いいなと感じられました。
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『落語少年サダキチ(に)』田中啓文

2018-01-10 19:43:59 | 読書感想
小学五年生の晴海忠志は、歯科検診で虫歯を見つけられる事を恐れていた。
なぜなら、父親の忠太郎に坂井歯科へ行くように命令されるからだ。
忠太郎によると腕がいいらしいが、高齢でもあり、何より父親が治療されている声を聞くと怖さが倍増するのだった。
あまりの怖さに江戸時代にタイムスリップしてみたのだが・・・。

この「夏の医者」
歯痛から逃避するために落語のレコードを聴くって、それなら頭痛も治まる・・・わけもなく、そうですね、子どもの頃の歯医者の怖さを思い出しました。
二話目の「動物園・千両みかん」
そう言えば「千両みかん」は、まだ生で聴いた事がなく、中学生の頃に読んだ落語の物語が並んだ本では、たわいないけど面白い噺とは思っていました。でも、大ネタなんですね。やはりリアリティを持たせるのに、力がいるのでしょうか?一度、聴きたい噺です。

あまりストーリーに関係ない話ばかりしましたが、とても面白い物語ですので、ぜひ!お読みください。
あと、九雀さん。大昔に地磁気が何度も反転しているらしいですよ。その時、夏と冬が入れ替わるかは別ですけどね(テヘ)
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『破壊者の翼 戦力外捜査官』似鳥鶏

2018-01-09 19:54:40 | 読書感想
今回の事件は、鷹の王を名乗る者がドローンを操り、誘拐や無差別殺人、放火、大停電を起こし、『東京はもうすぐ終わる』という犯行声明を出したものである。

海月千波警部と設楽刑事は、相変わらず事件を拾っていいところまで行きながら失敗して、川萩係長に怒られるという状況になっていた。

私としては、海月警部の妙な緊張感のなさに緩まされていると言いますか、都市機能がいかに脆弱化という事に恐怖を感じ、それに対して何もできない自分にやるせなさを感じるべきところで、救われていました。
それにしても、いくらかなら都市の空き家を崩し畑にする事で、いくらかの自給率は出るでしょうが、電力や建物の耐久性についてはどうにも難しいですよね。
この物語では、まだまだ気が抜けない展開になっていますので、似鳥さんがどのような問題と解決策を出してくるのかがとても楽しみです。
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