こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『転職の魔王様』額賀澪

2021-05-11 19:46:54 | 読書感想
 
未谷千晴は、大手の広告代理店の営業企画部に勤めていたが、心身を壊して辞めてしまった。
有給休暇の取得率が低いばかりか、残業時間も長く、会社の法令順守も低く、直属の上司に至っては、心身ともにパワハラを加えてきたからであった。

千晴が仕事を辞めた事を知った叔母が、たまたま人材紹介会社を経営していた上に、転職の魔王とあだ名される社員を担当に付けて、彼なら大丈夫と請け合ったが・・・。

千晴の就職活動の顛末もですが、魔王こと来栖嵐の担当する人々の就職活動とそれへの手助けも、かなり異色で、読んでいてぐさぐさ心に刺さりましたし、同時に納得させられました。
また私自身が、職場や上司、同僚に対して、何をどう感じ、どう思って、どうしたいのか、どういう理想を持っているのかも自覚できて、面白かったです。
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映画『ブックセラーズ』in小倉北区昭和館

2021-05-08 20:50:21 | 映画
タイトルを聴いて、KBCシネマでは放映されると伺い、観たいなあと思っていたドキュメンタリーです。

それが、いつも伺っている書店の表に、昭和館で上映と紹介されていたら、行かないわけにいかないじゃないですか。
そんなわけで、公開当日の今日、観に行ってきました。

まあ、要は、様々なジャンルの古本や希少本、執筆原稿などを収集しつつ販売している方々の話なわけで、一種、コレクターと言いますか、仲介業者ですかね?

本好きとしては、自分自身の愛する本や、作家さんの原稿でもあれば、欲しくなるのも仕方ないとも思います。
だから、そういうものが埋もれていたら探し出したり発見したりしてくださるのは、とても大事なことだと思います。

ただねえ。並んでいる革表紙の本たちを眺めていると「これって、飾られているだけ?読まないの?」と、本来の本の存在価値からずれている気もしますし、何より、高額な絵画をコレクションして死蔵しているのと同じように思えて、観ていて不快な気分になってきました。

確かに、今のように本の全てが電子書籍になってしまうと、万が一、全ての電子機器がダウンして壊れ切ってしまえば、取り戻しがきかないわけで、それを大切に保存して下さるのは、重要なんです。

でも、どこか釈然としない気持ちになってしまうのは、本好きとしてはアリだと思うのですが、間違っていますかねえ?
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『和菓子迷宮をぐるぐると』太田忠司

2021-05-08 20:20:51 | 読書感想
 
幼い頃、母の作るぼたもちが好きだった河合涼太だったが、その母がいなくなった六歳の三月二日から、餡子が苦手になってしまった。

そんな涼太も成長して典型的な理屈っぽい理系大学生になり、卒業後は大学院に行く予定だったが、卒業を前にして、彼を育ててきた伯父夫妻の伯母に連れられて行ったデパートの物産展で出逢った和菓子の美しさと美味しさに魅せられて、急に進路を和菓子職人へと転換してしまった。

製菓専門学校に通い始めた涼太は、しばらくして知った和菓子のコンテストに、自分の能力を知りたいために挑戦すると言いだした。
同じ班の生徒たちは、本来、プロが参加するものではないかと止めようとするが、案内にはプロという規定はないと申し込む。
さらに、それに触発された同班の生徒も、それぞれの力量を知るために、参加する事にした。

いちいち理屈っぽい涼太ですが、あまりに率直で素直なため、読んでいて微笑ましく感じました。
また、コンテストで出品した菓子の状態を読むに、涼太は、かなり個性的な菓子を作る職人になりそうですね。

最後に、涼太が再会した母に伝えた言葉は、漫画家の三原順さんの作品『はみだしっ子』のグレアムが言い、また、言われた台詞ですかね?
グレアムにしろ、涼太の母親にしろ、それで自由になれるのでしょうか?
永遠の難題だと思いました。
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『世界SF作家会議』早川書房編集部編

2021-05-06 19:48:57 | 読書感想
 
フジテレビ関東ローカルで深夜に放映された、現役のSF作家たちによるリモート会議。
私は、後にYouTubeにて拝見拝聴したのですが、これが面白かったのです。

今回、それが本にまとめられて出版されました。

出ずっぱりは新井素子さんだけですが(いとうせいこうさんと大森望さんは、除く)今、活躍なさっているSF作家の方々の考え方が様々で、とても楽しめました。

1回目の時は、コロナウイルスが流行してはいましたが、SF作家でも、まだ気楽に考えていらしたように読めました。
まさか、あとから若年層にも感染しやすく、強毒性の変異ウイルスが出てくるとは思いもしませんでしたから、無理もありません。
今までのウイルスは、ほとんど弱毒化していますのでね。

それはともかく、毎回、様々なテーマで語り合っておられますが、新井素子さんはその中でも生活に根差したご意見をお持ちでした。
他の方々は基本的に科学に根差したご意見を語っておられましたが、素子さんのように「だって、宇宙がどうなっても、それまではお腹がすくもん」というのが出なかったのは、家事を女性に任せて考えもしないのか、単に、その意見は素子さんに一任なさったのか。

また、世界を見てきた方と、そうでない方とでは、視野の広さが違うと感じました。
さらに、性格はもちろんの事、学んできたものでもずいぶん違って、多岐にわたった議論があって、学ぶ事も多かったです。

この会議、今後も4回、5回と、続きがあれば嬉しいですね。
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コミックス『魔王引退II』遠藤淑子

2021-05-02 19:38:05 | アニメ・コミック・ゲーム
 
魔王を辞めて異世界でフリーターになった彼のところに、元の世界から様々な者がやって来る。
なぜなら、魔王を倒さないと、玉座に座っても周りの者は誰も継承者と認めてくれないから。

この世界での魔王は、ぢみ~にチラシ配りをやっていたりするわけで、そんなところにやって来る悪魔などという、緊張感があるんだか、無いんだか、という状態が面白く感じられます。

そんな魔王の一番好きで、一番ムカッとする台詞「私は強くなろうなんて思わないかな。だって、最強だから」
嫌な奴ー。
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