興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

ひやおろし、ひと夏の恋

2016-10-29 | 美酒・美味探訪

「米鶴よねつる)純米原酒ひやおろし」です。

「ひやおろし」とは、日本酒の蔵元で春先に火入れ(加熱殺菌)した酒を、ひんやりとした蔵でひと夏置き、熟成させ、涼しくなった秋に出荷する酒なのだそうです。
まさに今味わうべき、秋の酒です。

ぬる燗でいただきました。(上の写真)

米鶴のひやおろしは、くせのない、それでいてコクのある美味しい酒でした。
原酒でアルコール度数が高く(17度)、酔いのまわるのが早い酒でもありました。


 

 

   

実は前日、この酒を冷蔵庫に冷やして置いて、冷酒としてそのまま飲んだのですが、今日の燗をつけたほうがわたしとしては旨かった。
ひやおろしの「ひと夏の恋」、ではなかった、ひと夏の熟成を味わうには、少し温めたほうが良いようです。

冷たいままの米鶴ひやおろしは、何の雑味もなく、すっきりと、この上もなく純粋そのものの酒でした。
アルコール度数が高いのに、それを感じさせない。気がついたら気持ちよく酔っていた、そんな酒です。
きっと、冷酒のままを好む人も多いことでしょう。

燗をしても、冷たいまま飲んでも、酔い覚めは爽やか。良質な酒の証です。

米鶴は山形県の高畠町の酒です。高畠町はわたしの両親の故郷。わたしにも特別な思い入れがあります。
酒屋で見つけ、迷いなく買いました。