興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

過去を切り刻め

2019-02-01 | 随感・偶感・歳時感

 ♪ わたしの 過去など 見せたくないわ (「知りたくないの」のメロディで)

というわけで、先日シュレッダーを購入した。(写真)
不要文書を細かく切り刻む家庭用の裁断機である。

これまでも自分の名前や住所、電話番号などの書かれた書類や封筒は、捨てる前に、注意深く手で(指で)破き、ちぎっていたが、このところ事情があっていわゆる個人情報の多い文書が増えてきたので、その作業を思い切って ‘機械化’ することにしたのだ。

これがなかなか快適である。このシュレッダー、個人情報のみならず、他人に見せたくない文書もぐいぐいくわえ込み、判読できない細かい紙片にスピーディに変えてくれる。
見せたくない過去を消し去り、捨ててしまうのは、精神衛生上もよさそうだ。

ところで、「捨てる」といえば、わたしは昔、画家の岡本太郎(1911-1996)が「人生は積み重ねではなく、積み減らしだ」と言っていたのを思い出す。

人生とは、体験や学びなどを日々積み重ねていくことであろうと思っていたわたしは、「積み減らす」ということがどうしても理解できなかった。せっかくの蓄積を捨てろということか、と。

でも、わたしも歳をとってきたせいか、それがなんとなく分かるような気がしてきた。
例えば、定年後何年も経っているのに、昔の職階をいつまでも鼻先にぶら下げているような人を見ると、「そんなもん、早く捨てちまえよ」と言いたくなる。
他者の過去の評価にすがったままだと、自分が今ほんとうにやりたいことが見えてこないような気がする。

過去を捨てるには、シュレッダーに切り刻んでもらうのがお勧めです。

2019.2.1
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