友人たちとの福島一泊旅。二日目は小野町からとなりの田村市に入り、「あぶくま洞」に寄った。
あぶくま洞とは、1969年(昭和44年)9月に田村市滝根町の石灰岩採掘現場で、採掘中に偶然発見されたという鍾乳洞。
ここでは、現在確認されている3000メートル以上の長さの鍾乳洞の一部、700メートルほどを、洞内観察の有料公開コースにしている。歩いて約1時間ほどの、見学兼観光コースだ。
上の写真はあぶくま洞入口付近の山の景観。
山腹全体に、削られたような白い岩石が山肌の表面に無数に飛び出ている。この辺一帯がかつては石灰岩採掘場だった跡だろうか。
ここは鍾乳洞入口から入って、少し歩いてきたところ。
鍾乳洞は、二酸化炭素をふくみ酸性化した雨水や地下水が、石灰岩層に浸み込み、浸食が進み、気の遠くなるような年月をかけて造り上げた大自然の造形である。
わたしは鍾乳洞を写真や映像で見たことはあったが、直に中に入り、現物を目の当たりにしたのは今回が初めて。その意味では貴重な体験であった。
照明も、場所により違う色でライトアップされている。
白磁の滝、妖怪の塔など、場所の特性や鍾乳石の形により、興味深いネーミングをほどこしていた。
鍾乳洞のでき方を教える解説板も見られ、見学者を惹きつけるさまざまな工夫がなされているのが、見てとれた。
ただ、正直なところ、日頃運動不足の老人(わたし)にとってはたいへんしんどいコースでもあった。
コースには比較的広いところ、天井の高いところもあるが、狭いところ、かがんで歩かなければならない天井の低いところがあちこちにあった。
岩に頭をぶつけつつ、同行の友人にリュックを持ってもらったり、手を引っぱってもらったり・・。
汗だくになってやっと出口に近づくことができた。友人たちには、心から感謝である。
ゆっくり休んで、次に向かったのは、同じ田村市常葉町の山中にある磯前神社(いそざきじんじゃ)。
ここには、山腹の崖地によりかかるように建てられた社殿があった。(上の写真)
「懸造り」と呼ばれる建て方で、階段下の説明板によると、
「土台の三隅を自然石に架け、もう一隅を高さ2メートルの太い束(つか)(柱)で支えている」
のだそうだ。
建物の周りにスペースがないので、社殿に上がるには、床下のせまい空間をかがんで通りぬけ、反対側にかけられた小さいはしごを使って登る。
「あぶくま洞」で疲れ果てたわたしは、この社殿への参拝を、友人たちにことわってパス。
神様、お許しください。
田村市の中心部、船引町にある「丸信ラーメン」で昼食。
チャーシューラーメンと餃子。これもたいへん美味しかった。
今回の福島旅でも日本酒の蔵元2軒を訪ねた。田村市の玄葉本店と三春町の三春酒造である。
ただ両方とも残念ながら、入口は開いてなかった。
今は酒の仕込みの多忙期で、そのためのようだった。
上の写真の「三春駒」は、三春町のスーパーで購入。地元でしか売ってない酒である。大事に飲もう。
今回の福島旅は、わたしにとっては、自分の体力の限界をいやというほど知らされた旅でもあった。
日頃からウオーキング、筋トレに励まねば・・。
写真協力:Y.T.氏