シリーズ第二作。
高倉健が斬った男の妻子に負い目を覚えながら遺された子供を可愛がり夫人に思慕を覚えてしまうという出だしで、これ長谷川伸の「沓掛時次郎」ではないの、と思った。
もっともこちらのドラマはそれ以上進まず、健さんと三田佳子の未亡人とが互いに想っていてもそれ以上にはなりようがないという枷としてだけ機能しているみたい。
再び渡世の義理で人を殺した高倉健がまたムショに戻っていくのを子供がとりすがる、という「シェーン」風のまとめになるのだが、野暮を言うけどこの子が健さんが自分の父親を殺した相手だと知った後のドラマというのは完全にオミットされているのね。
まあ「いいヤクザ」を仕立てるというフィクションを貫徹しようとしたらそうならざるをえないのだろうが。
池部良の登場が一時間も経ってから。突然現れ、突然男同士で惚れて、突然道行になる。本当に女はジャマ、という感じです。
殴りこみにダイナマイトを持っていくのは明らかにマカロニ・ウエスタン調です。この映画の製作が1966年、「荒野の用心棒」の日本公開が65年だからさっそく取り入れたという感じ。