ただの手品師が超現実的な力ではなくテクノロジーを使って本物の魔法使いとして認められていくドラマを通じて、テクノロジーの上に成り立っているマジックとしての映画やディズニーランドの心意気を見せている感。
巨大な仮面と拡声器で恐ろしげな幻影を振りまいていた最初の「オズの魔法使い」を裏返して良い方に再生したということになる。
ただ、出てくる花とかがやたら人工的で綺麗というより気持ち悪くなるところあり。全部3DCG製だと思うからなおのこと。
東京ディズニーランドの植物が良く見ると小さなスプリンクラーをつけて塩分を洗い流しているとか、開園する十年前から植える草木を育てて用意していたとかいう話を、まったく違う生活圏の植物を維持するのにものすごい手間隙をかけているというエピソードを泉麻人がラジオで話していたのを聞いた覚えがあるが、オズの魔法の国というのも魅力的なのか美しいのか、なんだかひっかかるところあり。アトラクションの割り切って見る性格のものだろう。ただしそこにぶちこまれた手間隙と技術とエネルギーの総量は大変なもの。
どちらの魔女が善玉なのか悪玉なのかという区分が初め思っていたのと途中で180度変わってしまうのにちょっと当惑。「魔笛」みたい。
最初モノクロ・スタンダードで始まるのが途中からワイド・カラーになるのは良くある手とはいう効果的。それだけに、初めは2Dにしておいてカラーになったら3Dにしたらもっと効果的だったのではと思える。
ただ、どこで3Dメガネをかけるかというタイミングの問題は出るでしょうけどね。メガネなしの3Dというのが出るという話はあるし、テレビ画面（つまりユーザーが一人の場合）では実現しているのを見たことはあるが、集団で見る方法はまだないと思う。
（☆☆☆★）
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小暮 宏 @yapoono6
