prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ザ・マスター」

2013年04月12日 | 映画
 オープニングでホアキン・フェニックスが割ったココナツから部品を外した器械から液体を飲んでいるといった映像が積み重ねられる。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」に続くジョニー・グリーンウッドの現代音楽という緊張した音楽とともに肉体的な表現を通して精神的な意味でも(じりじりとした感じ)と(渇きを癒したい)というモチーフが端的に描かれる。

初めてフィリップ・シーモア・ホフマンの教祖と会う場面でも、しきりとライトを向けて熱さがらせる嫌がらせをしているという具合に、なんでもない一見リアルな細かいシーンにも仔細な象徴性を持たせた作りに思える。
正直、その分一度見ただけではよくわからず、えんえんと続くわけのわからない自問自答など自己啓発セミナー風で(というか逆なのだろうが)、かなり退屈もする。

さらに砂で作られた女体像の上で腰を振る、といった象徴的でもありリアルでもある映像が重なるが、後の方で信者たちのうち女性だけが裸になって見える幻想とも現実ともつかないシーンとともに、女性そのものを相手にしたがらない女性嫌悪的な感覚が忍び込んでいる。

教祖とその側近というと、カリスマと実務家という組み合わせをまず連想するのだが、先走ってというか勝手に暴走して教祖に対する批判者を暴行してまわる。教祖の方でももてあますくらい。あからさまにキリストとユダを思わせるわけではないが、金儲けのためのインチキ教祖の話かというと必ずしもそうでもなく、かなりエキセントリックに精神的な渇きを癒そうとして果たせない話になっている。
(☆☆☆★)

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4月11日(木)のつぶやき

2013年04月12日 | Weblog

【本棚登録】『ブラックジャックによろしく(10) (モーニングKC (989))』佐藤 秀峰 booklog.jp/item/1/4063289…


【本棚登録】『ブラックジャックによろしく (11) (モーニングKC)』佐藤 秀峰 booklog.jp/item/1/4063724…


「小暮菘華 小暮満寿雄 コラボ展4」 goo.gl/Nids9


ハープ協奏曲第6番ヘ長調Op.9 クルムフォルツ作曲  ロベルタ・アレッサンドリーニ(ハープ)  ヴィットリオ・パリーシ指揮  オーケストラ・ディ・マントヴァ


桜餅のケースのガラスの上に桜餅が落ちている、誰か買ったところで落としてそのままになってしまったのかと思ったら見本だった。しかし、剥き出しでガラスの上にぽんと置いてあるというのもなんでしょうか。


BS世界のドキュメンタリー オリバー・ストーンが語るアメリカ史「第3回」 nhk.jp/H546v4PW  アメリカで教えられている定説に異議を唱えるシリーズだが、原爆が戦争を終結させて日本本土上陸によるそれ以上の犠牲を防いだと教えられているのだと改めてわかる。


トルーマンの犯罪性はブッシュにも受け継がれていくわけだが、戦略的に誤り、道徳的に許しがたく、ソ連に誤ったメッセージを送り、冷戦を招いたとより評価は厳しい。原爆開発の軍の責任者だったグローブスは、トルーマンは決断などしていない、それまでの軌道を変えなかっただけだと評する。


毎度のことながら、ストーンの作りは正邪の色分けがはっきりしすぎていて、本当にそうか?と思わせるところあり。それにしても、ソ連側から見た大戦の終わらせ方と戦後の世界体制のための工作も知りたいところ。


星新一の作品で、「若い時に楽しめコース」を選んだ社員は若いうちはうんと好条件で待遇し消費できるだけ消費して、定年になったら無賃でこき使われるっていうのがあったな。 #ss954


機械が働いて人間は遊んで暮らせるという昔の未来像はどこに。 #ss954

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