1984年公開だからすでに30年近く前なのね。
当時マネーメーキング・スターの一位をイーストウッドとバート・レイノルズが争っていたということを頭に置かないとこの組み合わせ自体理解できないわけだけれど、あまり噛み合っていません。
レイノルズは怪我がもとで一線級のスターから退いて最近はテレビの仕事に移行しているようだが、イーストウッドを監督として評価する人はすでにいたせよこの段階でアカデミー監督賞を二度とると予想した人はまずいなかっただろう。
レイノルズが44マグナムみたいなでかい拳銃を出すと、イーストウッドがもっとでかい銃を取り出すといったコメディ調なのだけれど、どうももっさりしていてあまり弾まない。かといってアクションの迫力で見せるかというと、今度はコメディ調が足がひっぱる。
製作がイーストウッドのマルパソ・プロとレイノルズのDeliveranceプロの共同。Deliveranceといったら、レイノルズの人気を決定づけた「脱出」の原題で、レッドフォードがサンダンス・インスティチュートを主催したのとやや似てます。
イーストウッドのフィルモグラフィに置くと、いかにも座りが悪い。ただのスター俳優というだけでなくて、総合的なフィルムメーカーなので、他と成果を分け合うというわけにいかないのですね。
小暮 宏 @yapoono6