prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「バルーン 奇蹟の脱出飛行」

2020年07月30日 | 映画
東西冷戦下、東ドイツから気球で西ドイツに脱出した一家の実話。
冒頭で一度失敗して当局(悪名高いシュタージ=国家保安省)の捜索が始まる中で再度挑戦する追いつ追われつの基本的なサスペンス仕立てが明快。
家族で脱出するので、小さな子供がぽろっと秘密を言ってしまったり、家族間でも意思疎通に齟齬があったりするのもサスペンスに結びつく。

シュタージの監視システムの徹底ぶりは聞いていたが、お向かいさんがシュタージだったり、店で買い物するにも監視の目が光っていたりで、ああこんなところからは逃げ出したいと本当に思わせる。

お向かいさんのテレビを改造してやって、シュタージでもあるおっさんが西側で放映している「チャーリーズ・エンジェル」を見て彼女の髪の色は茶色かと思ったら赤毛だったんだな、白黒テレビで見てたらわからなかったなどと言って喜ぶあたり、シュタージといっても普通のおっさんだし、また普通のおっさんがシュタージなのだとわかる。

エンドタイトルでspecial thanksとしてローランド・エメリッヒの名前が出てきて、あれと思った。

シュタージの指揮官の中佐役が「コマンドー」のバーノン・ウェルズそっくりなのがなんだかおかしい。