prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

4月16日(月)のつぶやき

2018年04月17日 | Weblog

「レッド・スパロー」

2018年04月16日 | 映画
漠然と「ニキータ」みたいな話かと思っていたら、おそロシア色全開のエスピオナージものだったのに一驚。

ハニートラップの訓練や拷問の手口などロシアならではの残酷さと陰惨さはちょっと息がつまるくらい。
英語でやっているのだが、美術や照明のロシアっぽさは本物のロシア映画より濃厚なくらい。

訓練教官役がシャーロット・ランプリングというのはもちろん「愛の嵐」をだぶらせるためだろう。

短い時間であれよあれよと二転三転する展開が至るところにあるのだが、ときどき早すぎて振り落とされそうになる。

叔父役のマティアス・スーナールツがまるっきりプーチンみたいな容貌なのは笑いそうで笑えない。
それにしてもジェニファー・ローレンスの肉体的な存在感のボリュームは凄い。
(☆☆☆★★)

「レッド・スパロー」 公式ホームページ

「レッド・スパロー」 - 映画.com



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4月15日(日)のつぶやき

2018年04月16日 | Weblog

「オードリー・ローズ」

2018年04月15日 | 映画
9歳の娘アイビーがいる夫婦マーシャ・メースンとジョン・ベックのところに、アイビーは5歳で交通事故死した自分の娘オードリー・ローズの生まれ変わりだと主張する男アンソニー・ホプキンスが訪れる。

アイビーはしばしば狂乱して窓ガラスを叩き、熱いものに触ったわけでもないのに火傷するといった事故で焼け死んだ時の状態を再現する症状を見せる。

アイビーが初めの方で友達に初潮が来たと母親に話すあたり、「エクソシスト」同様に子供だと思っていた娘の性の目覚めに対する親の戸惑いと恐怖といったモチーフもいくらかうかがえるし、怪しげな男(ブレイクする前とはいえ、後のレクター博士ですからね)に父親の座を奪われかねない反発といったドラマもある。

途中からインドの輪廻思想が語られてる一方、怪異現象に科学的・合理的なアプローチをあれこれ試みるあたり、ちょっと「ヒアアフター」みたいにどこまで映画の作者がオカルト的価値観を信じているのかよくわからず、どうも落ち着かない。

「エクソシスト」の前半のさまざまな医学的なアプローチの描写も相当に残酷だったが、これはあの前半の残酷さだけに絞ったような作り。

悪魔の仕業のどぎつかったりグロテスクな描写は完全に抑えて、淡々とした中に飽きさせないで見せるのはロバート・ワイズらしいが、見ようによっては合理的ゆえの残酷さがかえって強く出てしまった感があって、結末からしてこれでいいのだろうかと首を傾げた。




4月14日(土)のつぶやき

2018年04月15日 | Weblog

「怒りの山河」

2018年04月14日 | 映画
ジョナサン・デミがロジャー・コーマンのプロデュースの下で監督した初期作。
悪どい開発業者に故郷の山河を破壊された男が立ち上がるという話はほとんど当然のように西部劇パターンで、使うのが弓矢というのが先住民のイメージにかけているのかもしれない。
ジョン・ランボーも先住民の血が入っている(戦士のイメージと結びつくらしい)という設定で弓矢を使っていたし。ちなみに「オーバー・ザ・トップ」のスタローンも水野晴郎の解説で先住民の血をひいている設定だと聞いた。

コーマンだからアメリカ映画としては低予算なのだろうが、爆破シーンなどけっこう大がかり。
ピーター・フォンダ主演というと当然「イージーライダー」のイメージがかぶるわけで、ちゃんとバイクに乗っていまどきあまり見ないような燃費の悪そうなでかいアメ車に追われるなんてシーンもある。

まず商業映画の監督として実績を出す段階なので、後年のデミらしさというのを探すのにそれほど意味があるとは思えないし、第一デミらしさというのは結構つかみにくい。




4月13日(金)のつぶやき

2018年04月14日 | Weblog

「トゥームレイダー ファースト・ミッション」

2018年04月13日 | 映画
アリシア・ヴィキャンデルの冒頭の腹筋の割れ具合にまずびっくり。
しかし全体とするとアンジェリーナ・ジョリーほどム圧倒的な肉体的なボリュームがあるわけでもでも超人的に強いわけでもあからさまにセクシーでもない。

ロマンス的要素はないに等しく、父親相手の関係に絞られているのもシリーズの始まり、という位置づけから来た性格づけだろうし、ラストからしても次作る気は当然まんまん。
ともにアカデミー助演女優賞受賞者というのは単なる偶然だろうけれど、一種の重しにはなっている感はあり。

まあ久々に腰が抜ける桁のトンデモ日本が出てきたのは恐れ入った。ゲームの映画化にいちいち目くじら立てるつもりはないけれど、宣伝では完全に伏せていたのには納得。
(と思ったが、考えてみると人の国の建国神話にあれだけ無神経な改竄を仕掛けているって、これ大変なことかもしれない。)
(☆☆☆★★)

「トゥームレイダー ファースト・ミッション」 公式ホームページ

「トゥームレイダー ファースト・ミッション」 - 映画.com



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4月12日(木)のつぶやき

2018年04月13日 | Weblog

4月11日(水)のつぶやき

2018年04月12日 | Weblog

ショートショート集

2018年04月10日 | 小説
「雨のなかの女」

雨の中、ぐっしょり黒髪を濡らしている真っ青な顔の、まったく生気のない女が立っている。
ふと目が合うと、顔をひきつらせて恐ろしい叫び声をあげた。
それで気がついた。私がまったく濡れていないことに

「卒業写真」

おお、みんなもっともらしい顔して写ってるのお。
ずいぶん悪いことしていたくせにさ。
俺はどうかって?
そりゃ清純なものよ。ははは。
あれ、この一人だけ四角い枠に入って写ってる奴、なんだい。
葬式の写真みたいだな、ははは。
え、ホントに死んでるって? あれま。
事故死?表向きにはそういうことになってるけど、ホントは自殺だって?へえ。
いじめを苦にしてってか。ふーん。何も死ぬことないのにさ。
誰がいじめたって?知らないなあ。
俺?
え?覚えてないぞ、そんなこと。
何だよ。妙な目をしやがって。
ん?おまえ誰だ?
なんだ、この四角い枠は。
思い出した。おまえは。
悪かった。
おい、出せ。出してくれ。

「集合写真」

あたしが撮った集合写真に
あたしが映っている

「隣の部屋」

寝たきりの母しかいない隣の部屋から
誰かの足音が聞こえてくる

4月9日(月)のつぶやき

2018年04月10日 | Weblog

「終電車」

2018年04月08日 | 小説
 しまった、と思ってあわてて電車から飛び降りた。
 二次会までしこたま飲んだので、どうやって駅に行き着いたのて電車に乗ったのかまるで覚えていない。
 電車の中で目を覚ました時、直感的にこれは違う方向に向かっていると思うより早く直感的に身体が動いて、気づいたらホームに出ていた。あまり急いだので、電車の閉まりかけていた扉が身体をかすめたようだった。
 降りて改めて気づいたが、明らかに、乗る電車を間違えていた。
 駅には誰もいない。客はもちろん、駅員すらいなかった。
 窓の外の暗さがいつも通っている住宅地のそれとは明らかに違い真っ暗だったが、そう改めて気づいたのは飛び降りた後だった。
 降りたはいいが、今のが終電車ではないかと改めて気づき、すぐに後悔して振り返ったが、すでに電車はどんどん小さくなって暗がりの中に消えていった。
 これはまずかったな、と私は駅に一人佇んで途方に暮れた。
 駅名も全く聞いたこともないような名前だ。どこの県かもわからない。
 駅にかけてある時刻表とスマホの時計と照らし合わせてみた。どうやらやはり今出て行ったのが最終列車だったらしい。
 私はいまさらのように後悔した。
 飲み過ぎて明らかに乗るべき電車を間違えてしまったことも、あわてて変なところで降りてしまったことも、いかにもまずかった。
(酒を控えないと)
 反省したが、もう遅い。というか、これに似た反省するの、何度目だろう。
 探しても駅員はやはりおらず、自動改札にすらなっていない。勝手に出入りしていいようだ。今時こんな駅があるのだろうかと不思議に思った。
 改札をやや申し訳なさを感じながら勝手に通って駅の外に出てみた。
 やはり誰もいない。自動販売機が何台か、こうこうと明かりをつけているだけだった。
 ここから金はかかるが、タクシーを捕まえて戻れるかもしれないなどと考えてそのまま車の音がする道路の方に歩いて行った。
 だが近づいてみると、道路を走っているの轟々と恐ろしい音を立てて走り抜けていくトラックばかりで、巨大な怪物たちが暴走しているようで道路に近づくのもはばかられるようだった。おそるおそる手を挙げてみたが、トラックの群れはまったく気づく様子もなく機械的に走り抜けていく。
 これはもう、明日の朝の始発に乗って戻るしかないなと私は諦めて駅に引き返した。
 比較的暖かい時分だったが、ただベンチでごろ寝するのでは冷えそうので私は自動販売機に寄って暖かい飲み物は売ってないか探してみた。
 並んでいる商品をひやかしているうちに酒は売っていないかと期待してしまい、それだからいかんのだと自分を叱ってみたが、幸いにして酒は置いておらず、ホットティーを買って構内に戻った。
 明日の朝まで仮眠をとりながら待つしかなさそうだ、と私はティーをすすった。
 どうやって改札をくぐったのか、いつもの習慣で電子改札を電子マネーカードを入れた財布を当てて通ったのだろうが、日をまたいでしまうとどうなるのだろうと心配になった。
 ティーを飲み終えると、そのままごろりと横になった。スーツを着たままなのでいかにも寝心地が悪い。スーツ姿のまま酔いつぶれているサラリーマンの姿を見ることがあるが、あのみっともなさと似たり寄ったりの姿を自分がさらしているかと思うと、酔いがますます醒めてきた。
 ふと、気配を感じた。
 電車が来る?
 少し早すぎないだろうか。そう思いながら起き上がり、ホームに出てみた。
 まだ電車の姿は見えないが、音と振動が近づいてくるようだ。 
 また気づかないうちに眠っていたから時間の感覚がずれていたのかもしれない。
 そう思っているうちに、電車の明かりが近づいてくるのが見えた。
 バカに早いな。こんな時間にから始発が走っているのだろうかと思ってまた時計を見てみた。
(あれ?)
 時間が表示されていない。寝ころんだ拍子にぶつけたのだろうか。
 しかし電車は確かに近づいてくる。スピードを落として表示されている行先も目に入ってきたが、覚えがあるようなないような、どうもはっきりしないが、明日も仕事は待っている。いやもう今日か。できるだけ早く帰った方がいいに決まっている。
 電車が停車して扉が開いた。乗ってみると誰もいないようだったが、よく見ると人影がポツリポツリとあるようだ。が、みな体を縮めて目をつぶり眠り込んでいるようだった。
 始発から眠っている客ばかり運んでいるのだろうか、それともやはり終電だと思った後から別に電車が出ているのだろうか。
 既に扉が閉まり電車は動き出していた。
 外は真っ暗だ。
 キイキイいうような車体が軋む音が聞こえてくる。音源は近いはずなのに遠くから聞こえるようなのが不思議だった。
 車内に貼りだされている路線図をよく見て、どこにどういう風に向っているのか掴もうとした。
 だが、おかしなことに聞いた覚えのある名前の駅名がさっぱり見つからない。
 まるで全然馴染みのない別の県に紛れ込んでしまったようだった。いや、隣の県だったらいくらか地名くらい知っているはずだ。
 一体、どこに連れていかれるのか、また不安になってきた。
 しばらく走ると、電車は止まって扉が開いた。少人数のスーツ姿の男たちがもそもそと乗り込んでくると、アナウンスもなく出発した。
 みな椅子に互いに距離をとって座ったままうつむいて動かない。
 外は真っ暗なままだ。
 電車がどこに走っていくのか、どこを走っているのか私は見当もつかず、立ちすくんでいた。

4月7日(土)のつぶやき

2018年04月08日 | Weblog

4月6日(金)のつぶやき

2018年04月07日 | Weblog