文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

戦国小町苦労譚 1 邂逅の時

2022-08-04 10:00:07 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 

 主人公は綾小路静子という、農業高校に通う歴女。ところがなぜかいきなり戦国時代にタイムスリップしてしまう。別にトラックに轢かれたというわかでもなく、神さまに出会ったわけでもなくいきなりである。

 そこで出会ったのが織田信長。最初に出会ったのが信長なのはある意味よかったのかもしれない。彼は、色々な怖さはあるが、才あれば出自に関係なく使うという人間だ。豊臣秀吉だって、おそらく信長に仕えなければ、百姓から天下人にまでなれなかっただろうと思う。

 静子は、信長のもとで、現代の知識を使いながら成り上がっていく。女性の地位がものすごく低かった時代だが、彼女は信長から重んじられるようになっていくのだ。

 彼女の知識は、農業高校に通っているとはいえ、農業に限っている訳ではない。姉がミリタリーオタクということもあり、武器についても常人よりは詳しい。そして優しくお人よしなところがある。信長から無茶振りをされても、見事それに応え、頭角を現していく。だが、彼女は知っている。信長が本能寺で明智光秀により命を落とすことを。果たして、静子がタイムスリップをしたことが、本能寺の変にどのような影響を与えるのか。果たして彼女は元の時代に戻れるのか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

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「お前には才能がない」と告げられた少女、怪物と評される才能の持ち主だった

2022-04-06 09:29:55 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 この作品を一言で言えば、なろう系異世界ざまあ小説とでも言うのだろうか。ざまあ小説には一つの型がありそうだ。まず、主人公が役立たず難癖をつけられ、属していたパーティなどをクビになる。しかし、実際には、主人公はパーティで重要な役割を果たしていた。他のメンバーはみんな目が節穴で、そういったことには気が付かず、パーティから離れた主人公は大活躍していく。そして主人公が抜けたパーティは、どんどん落ちぶれていくというもの。

 主人公は、リティと言う少女。ユグドラシアと言うパーティに属していたが、その扱いは非道そのもの。そもそもリティがこのパーティに入ったのだって、リーダーのアルディスの気まぐれと憂さ晴らしのためだった。だからちょっとしたことでリディに手が出る足が出る。そしてとうとうリティはパーティから放り出されてしまう。

 通常のなろう系異世界ざまあ小説との違いは次の三点。まず、ユグドラシアのメンバーは人格は最低だが、別にリティのせいで強くなったと言う訳ではない。リディが入った時点で、彼らは腕は立ったが、問題だらけのメンバーだった。しかしリティが抜けてからは、凋落の一途を辿る。

 次に、この作品では、ジョブがそれぞれのジョブギルドで修行して、試験に合格すれば得られるというところが面白い。他の作品では、ジョブは神様がくれて、主人公は不遇職と見なされていたジョブを割り当てられるというものが多いのだ。

 最期に、この作品では、冒険者のランク制度だ。通常のAランクとかBランクとかではなく、1級とか2級とかとなっているところだ。そして2級以上は試験に通った段階での「準」という階級がある。この後、それなりの地位のある人に認められれば「準」が取れるのである。しかし、冒険者とは本来自由なもの。それが偉い人に認められないといけないのには違和感がある。

 リティの行動基準は明快。「冒険がしたい」それだけなのだ。彼女は、「フィジカルモンスター」として、どこまで強くなるのだろうか。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

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現実主義勇者の王国再建記 1,2

2022-01-20 09:53:16 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 

 テレビの深夜アニメでもやっているこの作品。相馬一也は、祖父と二人で暮らしていたが、一也の大学合格を見届けるようにして亡くなってしまう。新たな生活に踏み出そうとした一也だが、なんと異世界にあるエルフリーデン王国に、勇者として召喚されてしまう。ちなみに、この世界には魔法があり、異世界ものではおなじみの、エルフや獣人、モンスターなどもいる。

 異世界勇者ものというと、チート能力を手にした主人公が、異世界で無双するという話か、腹黒い王様らにうまいように使われると言った話が多かった。しかし、この話は、そのどちらでもない。王様も人のいい人物として描かれており、一也は召喚早々、王の立場を押し付けられてしまう。

 そもそも勇者召喚が成功するなんて思っておらず、それでもやったのはグラン・ケイオス帝国からの外圧でしかたなくである。この世界では人間と魔族が争っており、魔族との戦争支援金を払うか、勇者を召喚してその勇者を帝国に引き渡すかせよというのだ。帝国に引き渡されたら一也はどう扱われるか分からない。ここから一也の生き残り戦略が始まる。

 つまり一也は勇者として召喚されたのだが、自分で無双などはせず、内政にその手腕を発揮するのである。おまけに前王の姫のリーシアの婚約者となってしまう。一也は、エルフリーデン王国を強国にして、帝国の要請などはねのけられるようにしようとする。しかし、エルフリーデン王国の置かれた立場はまさに内憂外患。

 エルフリーデン王国は、多種族から成り立っている国だ。歴史的な経緯もあり、陸軍はライオンの獣人ゲオルグ・カーマイン、空軍は半竜人(ドラゴニュート)のカスコール・バルガス、海軍は500年も生きている蛟龍族のエクセル・ウォルターという3人の公爵が支配していた。しかし、彼らは、一也と対立姿勢を示していた。また外にはエルフリーデン王国を狙うアドミニア公国の存在。

 お気に入りのキャラはダークエルフのアイーシャ。並々ならぬ武を持ち、美人なのだが、食いしん坊キャラがすっかり定着してしまった。それがなんとも可愛らしいのだ。

 1巻では、一也の内政における取組、2巻ではアドミニア公国との戦いが描かれているが、まだ2巻までしか読んでいない。この後どう展開していくのか楽しみだ。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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おかしな転生I アップルパイは笑顔と共に 

2021-11-03 16:52:20 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 この作品を一言で表せば、異世界転生ものだ。主人公は、腕のいい菓子職人で、パティシエ世界一を決める決勝戦の最中に事故で命を落とす。そして彼は異世界で貧乏貴族の跡継ぎとして転生して、ペイストリー=ミルーモルテールンと名付けられる。モルテールン家は騎士爵の家で、先の戦争で武勲をあげた父のカセロールに領地が下賜され、最下級とはいえ貴族になった。

 ところで、作品によっては、騎士爵や準男爵といった階級は、貴族とは認められなかったり、一代限りというものもある(厳しいのは男爵も一代限りと言う設定もあったような)が、この作品では、騎士爵も領地を持って、代々続く貴族とされているようだ。ちなみに、この世界には、準騎士爵と言う階級もあるらしい。

 この世界には魔法がある。教会で聖別の儀を受けることにより、才能があれば魔法を授かるのだが、普通は13~15歳で行う成人の儀式をでもある。しかし、ペイストリーは僅か7歳で聖別の儀を受けるのだ。モルテールン騎士爵家に盗賊が迫っているので、戦力として期待できるようにするためである。

 もちろん、ペイストリーは魔法を授かる。それは「転写」と言う魔法。名前からはそうたいした魔法のような響きは受けないが、実は超チートな魔法。他の人の魔法を自分に転写することにより、その魔法を使えるようになるし、敵に傷を転写すれば、敵を傷つけることができる。もちろん、絵姿をコピーするようなこともできる。

 この話は、ペイストリーがこの魔法の力とパティシエとしての前世のお菓子作りの知識を使って、異世界で大活躍するという話えである。実はある事件が起こるのだが、この事件が解決したとき、ペイストリー少年は7歳にして、婚約者ができてしまった。しかも超絶美少女だけど4~5歳年上。この巻はここで終わっているが、順調にいけば結構な姉さん女房だが、果たして二人の仲はどうなるのだろう。

 しかし、「転写」の概念がここまで含むとは思いもよらなかった。また、彼のもう一つの能力であるお菓子作りには、あまり「転写」は絡んでいないような感じなのだが、この後どうなるのだろう。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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医学のつばさ

2021-08-20 09:21:11 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 医師でもある著者による「医学のたまご」、「医学のひよこ」に続く「中学生医学生」シリーズの完結編! 中学生医学生と言うのは、中学生である主人公の曾根崎薫が、「全国統一潜在能力試験」で、一位となったため、東城大学医学部の特待生としてダブルスチューデントをしているという設定だからだ。もっとも薫が1位になったのは、問題を作ったのが父親で、実験台になった彼が問題を知っていたからである。つまり、限りなくカンニングに近いのである。

 この三部作は、「いのち」となずけた人間にそっくりな巨大生物を扱っている。突然出現した洞窟で見つけたたまごから孵った「いのち」。その身長は3mもある。人間そっくりだけど明らかに人間ではない。ついでに言うと、雄雌を区別できるような生殖器もついてないらしい。

 首相案件で自衛隊により、文科省の実験動物となった「いのち」。なぜか文科省の連中は「いのち」のことを「こころ」と呼んでいる。本作は、その「いのち」を奪還するというのが主な内容だ。その過程で、「いのち」の正体や意外な能力なども明らかになる。

 文体はユーモラスだ。例えばこんな具合である。

<いのち>は床に尻をついて座っている。くまのプーさんみたいだ。ハチミツを舐めていないのが不自然なくらいだ。(p194)



このシリーズ、元々児童向けの作品として書かれたようだ。だから、ある程度以上の歳の人には向かないかもしれない。

 ただ、「中学生医学生」などの設定の必要性には疑問がある。飛び級もありの世界だ。中学生なんかやらせないで、いっそ身分を大学生にしたらどうか。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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白魔法師は支援職ではありません※支援もできて、本(ぶつり)で殴る攻撃職です

2021-08-16 11:50:32 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 白魔導師(本作では白魔法師)といえば、回復役として、よくファンタジーや異世界ものによくでてくるが、後方支援の専門職としてお馴染みだろう。しかし、本作に出てくる白魔法師は、そんな既成概念を根本からひっくり返してくれる。なにしろ、白魔法の魔導書が武器になり、魔導書でモンスターを殴り飛ばすのだから。

 主人公はノエルと言う少年。ダンジョンの氾濫で、あふれ出した魔物に家族を殺され、天涯孤独の身。しかし、冒険者パーティ「深夜の狼」のみんなに助けられ、孤児院に預けられることになる。

 この世界では、適正職業に就くための儀式を経て、適正職業につくことになる。その適正職業とは、赤、青、茶、緑、白の魔法師の5つ。どうして適正職業がみんな魔法師なのかはよくわからない。その中でも、白魔法師は外れ職業と見なされていた。他の職業でも適性があれば使えるヒールで大抵何とかなるし、白魔法師になると、攻撃魔法が覚えられなくなるからだ。ノエルが白魔法士になった理由は単純明快、それしか適性が無かったからだ。

 孤児院を卒業したノエルは冒険者養成学校に入るが、そこからノエルの快進撃が始まる。白魔法師が魔法でなく、物理で攻撃する。それも本で殴るというのが、なんとも斬新で面白い。

☆☆☆☆

 

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空虚成分

2020-12-24 09:04:15 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 本書は、全部で7編の短編集だ。この作家は、私には初めての作家さんなので、調べてみると、三田文学を中心に書いているらしい。

 どの作品も不思議なことを味付けとしている。表題作の「空虚成分」では、父親の幽霊が出てくるし、「ヒエログリフの鳥」と言う作品では、ミニロトの当選番号をしゃべるセキセイインコが出てくる。しかし、別にホラーという訳ではない。全体を通すと、大きなヤマのようなものはない。

 本書を読んでまず思ったのが、プロローグ集のようだということ。どの作品を読んでも、そこから発展しそうな感じなのだが、そこで終わっている。

 例えば、「空虚成分」とは、ドーナツの穴から発見された成分という設定である。成長期の子供に悪影響を与え、多くのドーナツ店が閉店に追い詰められたという。主人公はこのことを新聞で読んだ記憶があるのだが、叔父からそれエイプリルフール新聞だと言われた。しかし、このことをはっきりとはさせていない。普通はそこから物語が発展していくのだが、この作品では、叔父とボウリング勝負をして終わっている。 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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女騎士これくしょん ~ガチャで出た女騎士と同居することになった。~

2020-10-17 09:33:53 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 主人公の城戸山充は、インドア派の高校生。両親が海外出張で妹もくっついて行っているため、一人で暮らしている。彼がハマっているのが「女騎士これくしょん」略して「騎士これ」というスマホのソーシャルゲーム。無料で10連ガチャが毎日できるらしい。

 ある日いつものようにガチャをひくと、雷光の女騎士ココアが二次元でなく三次元で召喚される。続けて、豪炎の女騎士アルティア、清流の女騎士ライラが召喚される。これはこのままハーレムへと流れるのかと思いきや、なんと魔物まで現れるようになる。ケルベロス、バジリスク、ローパー果てはドラゴンまで。

 このライラという女騎士が面白い。ゲームの世界の住人のはずなのに、腐女子である。そして、やたらとこっちの世界に詳しいのだ。買い物も充の父親のクレジットカードを勝手に使って、自分たちの服を買ったり、BL本を買ったりする。それに充の幼馴染の篠宮詩乃が絡んできて、さてさてどう展開していくのか。この巻の最後には女騎士たちは充の通う学校に通うことになる。続編もあるので、そちらに物語は続く。

 主人公がゲーム世界に転生する話はよくあるが、ゲーム世界からこちらにやってくる話は珍しい。イラストに描かれた女騎士たちも可愛い。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

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機巧のイヴ 帝都浪漫篇

2020-03-08 16:45:23 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 本書が「機巧のイヴ」シリーズのおそらく最終巻。いや最終巻とは書いてないが、あの終わり方をみれば、おそらくこれが最終巻になるのだろう。

 舞台は、もう一つの日本。要するに異世界ものである。もっともここでは日本とは言わず日下国と呼ばれているが。 そして、ある程度日本史を知っているものなら、モデルになった事件が何なのかは検討がつくだろう。関東大震災、甘粕事件、満州国の建国、李香蘭など。

 物語のヒロインは、イヴと呼ばれた機巧人形。この作品では、轟伊武として、女学校に通っている。伊武は馬離衝(バリツ)の師範である轟八十吉の養女として登場する。馬離衝というのは、シャーロックホームズが使った、あの架空の日本武術である。ところが大震災の混乱で、伊武の友人のナオミが、彼女の思い人である林田といっしょに憲兵につれていかれ行方不明になる。

 この作品では機巧人形にオートマタというルビがふられている。オートマタと言えば、週刊少年サンデーに連載されていた藤田和日郎さんの「からくりサーカス」に出てくるようなものをつい連想してしまうのだが、この作品では特別な能力を持っているわけではない。人と同じように、喜怒哀楽が表情に出るし、恋もするのである。伊武にしても馬離衝の黒帯を持っているはずだが、人間相手にあっさりやられるくらいの能力なのだ。

 この表紙イラストを見て、もしかすると伊武が最後に、人ならざる力を見せるのかと思ったが、それもなかったのは残念。

 この作品のテーマは二つあると思う。一つは、魂とはなんなのかということ。どうして機巧人形に喜怒哀楽があるのか。機巧人形に宿っているのは果たして魂なのか。

 もう一つは軍部の暴走の恐ろしさ、いやらしさ。彼らが林田やナオミにした非人道的な行為は目を覆いたくなる。でもこのシリーズ、興味がわいたので、時間が許せば遡って読んでみようかな。

☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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魔法使いのウエディング・ベル

2020-02-25 08:45:19 | 書評:小説(SF/ファンタジー)

 

 2006年(原書は2005年)の「ニューヨークの魔法使い」から始まった<(株)魔法製作所>シリーズも10年以上の時を経て、これがグランドフィナーレ。最後は、ヒロインのケイティは、愛しのオーウェンと結婚式を挙げて、ハッピーエンド。しかし、何も事件が起こらない訳がないのがこのシリーズだ。

 少し背景についてお話すると、ケイティは、魔法に免疫がある(要するに魔法が一切効かない。その代わり魔法は一切使えない。)免疫者(イミューン)と呼ばれる人。彼女が勤めるのが、(株)魔法製作所(通称MSI)という会社。彼女の免疫者としての能力を見込まれてスカウトされたのである。今回ケイティが結婚する恋人のオーウェンは、MSIの研究開発部理論魔術課の責任者で強力な魔法使い。

 普通の人には魔法があることを気づかれてはならないというのが魔法界の掟のようだが、ある思惑から、わざと魔法を人目に触れさせようとする連中がいた。いったい何者が何のために。これを解き明かすのがこの巻のテーマである。ケイティ、自分は魔法が使えないのに、結構活躍している。

 さてこの巻では評議会(カウンシル)の調査員といて嫌味な人物が出てくる。評議会とは魔法界における警察(検察)と裁判所を足したような組織だ。こういった作品には、よくこんな人物が出てくるのだが、大体は悪い奴と相場が決まっている。多分こいつも悪い奴だろうと思っていたのだが、途中から出てこなくなった(最後の方に名前だけ出ていたが)。いったいあの嫌味な感じはなんだったんだろう(笑)。

 少し細かいことを言うようだが、この作品には、「魔法」と「魔術」が区別されずに使われている。「魔術」というと何かタネがありそうで、こだわる人もいる。シリーズ名も「魔法製作所」となっているので、ここは、「魔法」に統一した方がいいと思うのだが。原本の方で2種類が混同して使われていたのだろうか。

 ともあれ、このシリーズ、ずっと読んできているので、終わってしまうのは少し寂しい。麻雀には、泣きの半荘という言葉があるが、二人のその後を描いた作品をもう一つ出してくれないかな。

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

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