これは懐かしい。といってもあまり読んだ記憶はないんだが、大昔に雑誌に連載されていたことは知っていた。少年サンデーに連載が始まったのが、1963年(昭和38)というから、戦後それほどたっていないので、昭和の文化を色濃く受け継いでいるといえるだろう。
最初ぱっとみて感じたのは、横山光輝さんの絵に似ているなということ。一瞬鉄人28号の金田正太郎君と大塚署長が出ていると思ったが、ネットで調べると、大塚署長の髭の形が違った(笑)それにしても、よく似ている。
実際、横山作品と思っていた「ジャイアントロボ」は12話まで、横山さんとの共作だった。(実際には、横山さんが多忙なため、作画は小澤さんがやっていたようだ。その後諸事情で小澤さんは降板したらしい。)でも、よく考えてみれば、あの頃の漫画は、こんなタッチが多かった。
さて、本作の内容の方だが、自衛隊の潜水艦707号(正式名称SS-707うずしお)が、日本を脅かす敵と戦うというものだ。この第1巻での敵はU結社だ。このU結社についての詳細は不明だが、たぶんこの時期なので、ナチス・ドイツの残党ではないかと思う。このUはUボートから来ているものだろう。
このU結社の首領が、シュミット・ウルフといって、707の艦長速水の戦友という設定である。しかし、ウルフって英語だよね。ドイツ語ならヴォルフとなる。もしかして、先祖が英語圏からの移住者か。
この古いタッチの絵柄がなんとも言えず懐かしい。自衛艦がバンバン砲撃したり、機雷を落としたり、潜水艦が魚雷をちゅうちょなしに発射したりしているのも、時代を表しているようだ。
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