晴れ、25度、93%
香港、20年ほど前から5月になると、LE FRENCE MAYといって、フランスの文化を紹介するイベントが催されます。音楽、舞踊、食にいたるまで様々です。今年の私の目玉は、パリのピカソ美術館からのピカソの絵画です。
20年も、こうしてLE FRANCH MAYが行われていますが、香港の絵画に関する意識は、音楽や舞踊に比べると低いように思います。大きな絵画展は、私が住んで25年のうちに3度だけでした。今回、48点の絵画に7点の塑像。香港で、こんな規模の絵画展を観ることが出来るとは思ってもいませんでした。
公開される場所は、香港の中心部から東に入った沙田。香港文化博物館です。
文化的なことに政府が力を入れ始め、香港の大きな町には、市民ホールが出来ました。ここもその一つ。沙田まで、久しぶりに電車で行くことにしました。
以前のKCR,今は地下鉄と同じくMTRとよぶ路線で、このまま乗っていると、中国のボーダーまで30分で着きます。
実は、沙田に来たのは、もう何年ぶりかです。 川の少ない香港ですが、広く大きな川が流れています。確か、人工の川です。来月末の端午節には、この下流で、ドラゴンボートのレースが行われます。レンガ色の屋根が、目指す香港文化博物館です。
いささかびっくりしたのが入場制限、というか、まるで映画館のように入れ替え制です。私のチケット、 5月19日の10時となっています。つまり10時から12時までしか、館内にいることは出来ません。こんな絵画展初めてです。おそらく前回の印象派の絵画展で、信じられないくらいの行列を作ったからでしょう。
開館少し前に着くと、入り口の前では近くの人たちが、太極拳をしていました。中華圏ならではの朝の光景です。昨日が初日、係の人も慣れていないので、英語での案内が全くありません。待っている白人の人たちは、不安そうです。ほんの少し広東語がわかる私は、結局通訳までしてしまう始末です。
日本のように、整然と順路が決まっていて鑑賞する訳ではありません。みんな好きなように行ったり来たり。ペンを持ってメモをとっても咎められることもありません。流石に、撮影だけは、お咎めを受けます。そして、なにより背の小さな私が嬉しいのは、作品の前に、ロープがはって無いことです。絵の真ん前までいって、筆致まで、しっかりと観ることが出来ます。
ピカソの全ての時代を網羅した作品の展示でした。代表的なのは、見出しの写真にもある、”ドラ マールの肖像”です。こうした簡略化された絵にいたるまで、いくつかの段階があるピカソの絵ですが、初めて、ピカソの点描画を観ることが出来ました。
”草上の昼食”、”トラックで遊ぶ子供”、’Dimanche(日曜日)“この3つの絵が、私の目に留まりました。
7月22日まで展示されています。入場料は、香港$20。200円弱です。なんとも嬉しい値段です。