曇り、28度、73%
本の装丁、今ではブックデザインと呼ばれる物に興味を持ち始めたのは、80年代の後半頃からです。晶文社の本が、本屋の棚でひときわ目につきます。当時、晶文社はまだ新しい出版社だったはずです。植草甚一のシリーズの本や、文学の贈り物という海外の現代作家を紹介してくれるシリーズなどがありました。実家の本棚に、今でも残っています。もちろん、ほんの内容が優先される訳で、外見だけで本を求めていたのではありません。それらの本が全て平野甲賀のブックデザインだと知ったのは、随分後のことでした。
90年代、私は香港にいました。日本に帰ると、慌ただしく本屋で本を買って、香港に戻っていました。そんな本の中で、ビジュアル系の本に何となく面白い本があります。版の大きさが、一般の物と違っていたり、中表紙や帯の紙質がどことなく違うのです。そこで、それらの本の奥付を見てみると、ブックデザインは、レスパースがしています。レスパースは、若山嘉代子さんと、縄田智子さんが作ったデザイン会社だそうです。
ビジュアルな物を多く手がけていますから、本の内容は料理や手芸の物が多いようです。若山さんの関わった本、写真の配置や表紙の色遣い、心憎い物が一杯詰まっています。
気が付けば、レスパースデザインの本が我が家にはこんなにありました。もちろん、レスパースのブックデザインが目的で買った本たちではありません。 最近求めた本です。香港では編み物をしませんが、いつか日本に帰った時のために、買っておきました。
本はもちろん内容が一番ですが、紙の手触り、書体、帯一本にも何かを感じる物が好きです。