雨、25度、91%
ひとつのことを永く続けていると、それにまつわる物が、次第と増えて行きます。刺繍だと、まずは糸。一目、二目しか刺さない色でも、その色をいとおしく思うばかりに、他の色で代用出来ません。布だって、思い立ってすぐ刺せるように買い溜めます。
クロスステッチは枠に張らなくてもいいと言われていますが、麻布に刺す場合はやはり枠を使った方が、刺し易いと思います。そんなわけで、
横が、30センチ40センチある、四角の木枠。これは、上下の棒に付いている、キャンバス地に刺繍布を仮縫いして、巻き上げて使います。
布を張った状態です。今回の刺繍は、少しばかり大きいので、40センチ幅の枠に布を張りました。丸枠のように軽くはありません。せめて、上端だけでも固定して使います。この四角の木枠を、固定してのせることの出来る足を、作ってもらおうかと何度も考えました。椅子に座って、楽に刺せそうです。思い続けて、随分になりますが、まだ実行出来ずにいます。
先日、シャネルの刺繍を手がけている、フランスのルサージュのアトリエの写真を見る機会がありました。四角の木枠に張られた布に、足付きの台、そしてもう一つ大事な採光。一人一人に、手元ランプが置いてあります。驚いたことに、随分お年の男性も木枠に向かっています。亡くなったルサージュ自身も、男性でした。私も、年をとっても針を持ち続けたいと、思わせる写真です。
今回は、久々に目の一番細かい布を使っています。普段使う10の目より、12のこの目は、ごく僅かしか違いがないのに、刺した感じが全く違います。10だと、糸が布に張り付いたように、拡がるのに比べて、12は細かい分一目、一目が盛り上がっています。めがねをかけての作業です。ひと針ひと針を、大事に刺して行きましょう。チクチク。