雨,17度、93%
たまたま通りかかった香港金鐘のパシフィックプレイス、今年のクリスマスのデコレーションはどんな物かしらとコンコースを通ります。人の行列が見えます。「星の王子さま」のディスプレイが見られる、 こんな入り口。ここで初めて,この12月24日から「星の王子さま」の映画が香港でかかることを知りました。
「星の王子さま」岩波書店の内藤濯の訳本を小さい頃から読み聞かせてもらい,自分でも何度も読んだ本です。先を急いでいましたが,ちょっと覗く事にしました。中は真っ暗、 その中に「星の王子さま」に出て来るキャラクターの白い像がLEDの明かりに照らし出されています。
バオバブの芽も
バラときつねも。
体裁ばかりを考える王様。
うぬぼれ屋も。
点灯夫も。
お金の計算しかしない実業家。
地球に行くように王子様に勧めた地理学者。
懐かしいなあ,本の中で平面でしか接したことのない物を実際三次元で見ると身近に感じます。暗闇から出て来ると,外には彩色された人形たちも待っていました。
「星の王子さま」、フランスのパイロット、サンティグジュベリの作品です。ティグジュベリはこの本を子供たちのために書いたのではないと聞いたことがあります。王子様を含めて出て来る人たちの持つ悩みや心持ちを分かるのは大人になってからです。幾度も読んで,だんだんとこのお話の持つ意味が分かるようになりました。
バオバブの芽やきつねやへびが出て来るので子供向けと思われたのでしょうか,子供の頃この本を読みながら,楽しいと思ったことがありません。それなのに幾度も読みました。どちらかというと寂しい空気を感じていました。子供が寂しいと感じながらも幾度も読む本は,やはり名作です。
沢山の実家の本を整理し捨てました。ガラス張りの大きな書棚はスカスカです。その中にこの「星の王子さま」ちゃんと仕舞われています。挿絵は白黒でした。次回帰国したら手に取って読み直しましょう。
映画も子供向けに作られているそうです。これほど「星の王子さま」に久しぶりに会えて嬉しかった私ですが,映画は観に行かないと思います。