曇り,18度、78%
10ヶ月ぶりにあった孫娘,当然私は知らないおばさんでしかありません。10か月前にあったのはほんの数時間,1歳のお誕生日に行きました。ところが義父の容態が悪化して,孫に会った翌朝、義父は逝きました。その後は,義父が残してくれたものの残務整理に追われた10ヶ月。
知らないおばさんは,孫のお父さんのお母さんです。言ったって分かりません。LINEで手を振って話してもすぐに忘れます、だって,映像なんて暖かくもないし,現実感がありません。お母さんの胸にしがみついています。20分ぐらい人ごみの中を息子家族と歩きました。そのうち,孫が歩くと言い出して,お母さんと手をつないで歩きます。不思議そうに孫の横を歩く私に、もう片方の手を差し出しました。小さな手と私の大きな手が結ばれました。
それでも,やっぱり、「誰だろう?」と見上げます。どのくらい手をつないで歩いたでしょうか,手から手へ何が伝わったのか,言葉はいりません。孫娘,おそらく私を家族の一員だと分かってくれたようです。分かってくれたということが,私も小さな手から伝わって来ました。
なんと私を呼んでくれるやら。名前で呼んでもらってもいいと思っていました。「マナババ」。以前にも書きましたが,息子は中学の頃まで家の中では私を「かか」とよんでいました。「かか」小さな子供の口にも言い易い、覚え易い「かか」です。
会って2日目、孫娘,すっかり「パパ」「ママ」「かか」の区別が出来るようになりました。
一緒にお風呂にも入りました,生後2ヶ月の時入って以来です。「みんな」と名前があるおもちゃと一緒に入ります。湯船につかって暖まっている間,湯船の縁にきちんと「みんな」を並べる孫娘です。
香港に戻るため別れの時が来ました。お母さんの自転車に乗って孫は保育園に,息子と私は私鉄の駅に向かいます。手を振って別れて,しばらく見送っていると自転車が止まりました。振り返った孫娘の顔は今にも泣き出しそうでした。
夕方,保育園から家に戻った孫娘が,家に入るなり「かか」とよんだそうです。たった2日でしたが、「かか」の存在を心に留めてくれたと思います。