チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

手染め,手織りの布

2015年12月10日 | 日々のこと

 雨、17度、92%

  友人に糸を自ら染めて機を織る人がいます。思いの色に糸を染め上げて、経糸を張った織り機に緯糸を渡して行き想いの模様を織り出す。時間を費やす素敵な行程です。彼女の作品は度々入選したり展覧会にも出ているのですが,生憎、私の帰国時に重なりらず,展覧会に行くことが出来ないままです。時折,織り上がったものをアップしてくれるのを見ながら、その人を思います。

 手仕事はその人の人となりが伺われる物に仕上がります。友人はすぱっとした性格、小学の頃から変わらぬままです。その性格のようなすっきりした物を織り上げてみせてくれます。先日,思いがけずに頂いたセンター,いい色です。

 何年ぶりかに会ったときも紫を着ていました。紫が似合うなあと,目の前の彼女を見ていました。会った時に頂いたセンターは,淡い色合いの柔らかな物でしたが、何処かにやはり彼女がのぞいています。長い染め,織りの行程を一人で向き合うのですから、織り上がれば子供みたいな物です。

 今回頂戴したのは,まさにその紫。「昼夜織り」といって裏表が反転するように織り上げる物だと手紙が添えられています。 その通り,こちらは裏です。裏もまたいい感じに仕上がっています。彼女はこれを暖簾に仕立てたそうです。暖簾に仕上がったさまを想像すると,涼しげでありながら,温もりを感じます。

 以前頂戴したセンターも今回の紫の物もこの香港の家で使うつもりはありません。日本の家のどの花瓶に合わせようかと思いめぐらします。

 織物を見ていると,時間を紡ぐとはよくいったものだと感じます。この紫のセンターは彼女の時間を紡いだものです。そう思うと、この軽やかな生地が急に重みを帯びて来ました。

コメント
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