晴れ,11度、53%
もう7、8年前のクリスマスに主人にセーターをプレゼントしました。主人がいつもスーツを求めるお店で買いました。主人のスーツのサイズを言うと,お姉さんがこのサイズでいいですね,と出して来てくれたものです。ところが実際主人が着てみると,着丈も身頃もやたらに大きい、1,2回は黙って着てくれていたのですが,ある時、「こんな大きいのは着られない。」と言ってベットに投げつけました。ちょっと悲しく思います。そのセーター,カシミアとアルパカが混ざっているのですが,ゲージが荒いのでただでさえ大きく見えます。ツウィードではないのですが黒が基調で茶と白が混ざった糸で編まれています。よくよく見れば,このセーターの色って,私の色だわ。そう思い、解いて自分用に編み直そうと主人のタンスから出して,長押に仕舞ってありました。
先日,息子の家に泊めてもらいました。行く前からパジャマを貸してね、と頼んでありました。荷物は少ないほうがいい。お嫁さんが用意してくれたのは,グレーのジャージのズボンにグレーのセーターでした。香港から帰って来ていますから,寒いだろうという配慮です。セーター着た時は気付きませんでしたが,孫娘と遊んでいるとゴワッと感じます。ゴワッとしてるんですが,柔らかく体に馴染みます。セーターの目がぎっしり詰まってフェルと化したカシミアのセーターでした。ハハーン,間違って洗っちゃったのね。聞くと、洗った上に乾燥機をかけたので縮んだそうです。息子のセーターがお嫁さんのパジャマに変身。その晩,頗る暖かく休むことが出来ました。
香港に帰る飛行機の中で既に私の頭の中は,主人の例の大きなセーターを縮めることばかり考えています。でも,我が家には乾燥機なんてないしなあ。長押から取り出したセーター、丸ふた晩冷たい水に漬けました。一向に小さくなりません。アルパカだって羊だって雨に当たる度に毛が縮むはずがないから当たり前です。調べてみると、フェルト化するには,自然環境ではあり得ないことをしてやればいいそうです。アルカリ性の洗剤で洗う。60度近い温水でもみ洗いする。乾燥機にかける。フェルトの人形を作る時のように,針でチクチクする。我が家の洗濯機、60度設定のサークルがあります。洗剤は中性でしたので使いません。一度60度で回してみました。出して来たセーター,間違いなく縮んでいます。それでも小さな私にはまだ大きい。私より18センチ背が高い主人が長いと言ったセーターです。そこでもう一度,60度で回します。
やりました。着丈、袖丈、首回り,ぴったり私サイズです。ただ,身頃幅だけはまだ余裕がありますが,これ以上縮めるのは危険です。編み直しをしなくても,セーターがひとつ増えました。
早速、主人にお披露目。「どう?」「??見たことあるセーターだね。」「着たことはない?」「????」 経緯を話すと,主人びっくり仰天。それほど私にぴったりです。着ないと言ったので,とっくにこのセーターを私が捨てたとばかり思っていたようです。そんなこと絶対にしません。もったいない。
洗った後、洗濯機のまわりに こんなものが落ちていました。モモさんが何か悪戯したのかな?よくよく見ると毛玉です。ゲージの荒いセーターをフェルト化するとこんなおまけが一杯出て来ます。