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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

IKEAの壁掛け

2016年04月24日 | 身の回りのもの

小雨、23度、95%

 この壁掛けのことは以前にも一度書いたことがります。もう既に我が家にやって来て35年以上が経ちます。IKEAは最近では量産、生産地も東南アジアが主流と明るい北欧のイメージは変わりませんが、品質が落ちたように思います。35年以上前、東京の東急デパートは年に2度、IKEAの特別販売をしました。まだ、スウェーデンで物が作られていた頃のIKEAです。当時の日本は、成長期が安定期に入った時代ですが、白木の家具の清々しさは日本人の目にも新鮮に写ったはずです。今のようにお安いのが売りのIKEAではありませんでした。家具は生憎必要なかったのですが、明るいカラーのファブリックの小物は随分求めました。その一つがこの壁掛けです。

 かなりの人ごみの会場にぶら下がっていたこの壁掛け、この一点しかなかったと記憶しています。持ち帰るやすぐに息子のベットの横の壁にかけました。以来息子のベットとこの壁掛けはいつもワンセットです。スウェーデンの田舎屋でしょうか、L字型の2階建ての家と庭。煙突が2つ、1階の窓から男の子が顔を出しています。庭にいるモグラと話をしているようです。アヒルが池にいます。向こうの窓には熊かな?

 息子のベットとワンセットのこの壁掛けは、今でも息子が使っていたベットの枕元の上にかかっています。このベットもうかれこれ15年私のベットです。私の毎日休む枕元の上のこの壁掛け、実は毎日目にしているはずなのによく見たことがなかったように思います。昨日は雨模様、ベットの上でゴロゴロ。足下に枕を置いて向かい合った壁掛けです。初めて見るかのようにマジマジと眺めました。砂場があることも記憶になかったほどです。モグラもハリネズミくらいに思っていました。真ん中の木は何かのベリーの木です。左の小屋からは蔦が這っています。そして、右上には桜の花が。この桜はサクランボの桜でしょう。スウェーデンの遅い春の景色です。

 息子が家を出てもう20年以上経ちます。つまり、この壁掛けの下で休んでいるのはとっくに私の方が長くなった訳です。寝て起きて、ベットを作って、なのにこの壁掛けをゆっくりと見ないままでした。よく見なかったけどこの壁掛けは寝ている間中、私のことを見ていてくれたのです。知らず内にこの暖かな絵の壁掛けは、私を和ませてくれていたのだと思います。布の上下に入っている白木は今ではもう茶色に変色してしまっています。身近にあるものをじっくりと見ること、そんな時間が必要になってきたと感じます。このIKEAの壁掛け、これからも私のベットの上に掛けるつもりです。

コメント
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