雨、25度、93%、雷注意報
5年ほど振りにレーズンから自家製の酵母を起こしました。 市販の酵母種はどうも相性がよくありません。自家製の酵母は起こすのに時間がかかりますが、気温が上がって来た香港です、部屋に出し放しにして育てました。レーズンだけでなくお酒の原料になるものなら何でも酵母を起こせます。一度作ると、粉と水を足して行けば使い続けることも出来ます。イーストで作るパンも好きですが、深みのある香りや味を求めるなら酵母の方が面白みがあります。
ソフトな食パンなどはイーストでいいのですが、ハードなパンの粉の旨味を引き出して欲しくて酵母を育ててみました。このハード系のパンも最近では高加水、水を普通より大目に加えてゆっくり発酵させるタイプの物が人気です。クラムには大きな気泡が出来て、まるでお餅のようにモッチリとした食感です。どうもあのモッチリ感は、唾液の分泌量の少ない日本人向けのような気もします。
私は普通のフランスパンのクラムで充分です。気泡も普通、 ただ、クラストの部分が薄い方が好みです。ライ麦粉もグラハム粉も少なめが好み。そこで、手塩にかけた酵母でパンを焼いてみました。確かに酵母が粉の旨味を充分に引き出してくれています。ところが困ったことに、同じ分量で焼いているのに2日続けて同じパンが焼き上がりません。焼き色が薄かったり、ボリュームが出なかったり、非常に不満足です。最初は酵母に優しくハッパをかけました。「がんばってね。」ハッパぐらいでは言うことを聞きません。「ちゃんと働くのよ。」と怒鳴ります。
もう10日毎日同じパンを焼いています。同じパンが同じように2日続けて焼けたら別のパンを焼こうと思うのですが、何分にも私が作った酵母です。その日その日の気分のムラがはっきりと出てしまいます。
イーストのようにコンスタントに同じパンが焼けるわけではありません。しかも時間は、長時間発酵を試みるため一日近くもかかります。電気オーブンの我が家では、温度設定でも行き詰まりがあります。
今日もまた、酵母のご機嫌を伺いながらベタベタのパン種を捏ねることにしましょう。同じパンが2日と呟きながら。