晴れ、20度、96%
いちごのお羊羹をいただいたのは3月のことでした。虎屋の小型羊羹です。初めて見るパッケージの可愛さに大事にとって置きました。 つい10年ほど前までは大きな竹皮で包まれてお羊羹ひと竿ペロリと食べれるほどだったのに、今ではこの3口程の小型のお羊羹で十分になりました。なんだかそんな自分を不甲斐なく思います。
最近、お羊羹も進歩しています。ドライイチゴがゴロリと入ったお羊羹も出現、考えてみれば寒天で餡を固めるのですからゼリー感覚で作れます。大事に大事にとって置いた虎屋の「いちご羊羹」を昨日のおやつに封を開けました。
「いちごのつぶつぶが入っているのかな?」などと想像しながら銀色のパッケージを取りました。中から出て来たのはなんとまあボルドー色のお羊羹です。光に透かして見たりします。「綺麗だわ。」とこの小さなお羊羹に感激。実にいい色です。
そっと竹のフォークを入れて切りました。つるんと滑らかな肌です。いちごの香りはありません。口に入れて噛み始めると小豆の香りと餡の砂糖の甘さと交わったいちごの味が広がります。いちごのツブツブもありません。深い色合いと香りでいちごを感じます。いえ、いちごとお砂糖が合わさった「イチゴジャム」の香りです。
小さな「いちご羊羹」は期間限定商品です。小さなお羊羹ですが完成度の高さを感じます。小豆の漉し餡にいちごの濃縮液を混ぜ色と香りを作り出す、さすが老舗のお菓子屋さんの成せる技です。少し肌寒い梅雨の晴れ間のおやつでした。気温が上がるといよいよ水羊羹の季節です。来年も「いちご羊羹」出て来るかなあ。