チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

香港はバス停で手を挙げてバスに乗ります。

2014年06月20日 | 香港

大雨、29度、79%   雷注意報

  私が小学校の頃ですから、昭和30年代後半もしくは40年代前半のことでした。四国の山道を母と歩いていました、白い砂埃が舞うような道です。車の音が微かに聞こえると、前を歩く母が手を挙げました。すると後ろから来たバスは私たちの横で留りました。福岡の市内で育った私は、バス停にいれば、バスが来て留るものだと思っていました。母が手を挙げて留めたバスがどんなバスだったか、なぜそんな山道を歩いていたかも忘れているのに、前を歩く母が手を挙げた姿だけは未だに記憶にあります。

 香港に来た当初、一番戸惑ったのが乗り物です。香港島にいますので、二階建てのトラム(路面電車)、バス、地下鉄、タクシー、フェリー何でもありました。黙って切符を買ってのればいい地下鉄なんかはさして難しくありませんが、とりわけ困難なのがバスでした。

 まず、種類が豊富です。二階建てバス、普通のバス、当時は14人乗りだったミニバスが緑の屋根と赤い屋根の二種類あります。まだ、言葉がわからない頃ですから、人の真似をするしかありません。バス停でバスを待っていました。乗りたい二階建てバスがやって来ました。バスはバス停に留りもせずに、行ってしまいました。さあ、これを何回繰り返したでしょうか?そのうちに、手を挙げるとバスが留ることを見て覚えました。バス停にいても手を上げてバスを留めるのが香港式です。これは、どのバスでも同じ事、ただ赤い屋根のミニバスだけは、イエローライン以外の場所なら、どこで手を挙げても留ってくれます。

 もう20数年香港に住んでいますので、意識もせずにバスに手を挙げています。昨日、久しぶりにバスに乗りました。バスに乗って、ボーッと外を眺めていると、次のバス停で、若い女性が手を挙げてバスを留めるのを見ました。みんながしてる普通の行為なのに、どうしたことか目に留りました。なぜでしょね。白い手がすっと上に上がって、バスに合図を送るのです。

 この私、日本に帰ってもバス停でバスが来ると手を挙げてしまいます。周りの方は少しきょとんとしていますが、日本ですから、皆さん素知らぬ振り。目ざといタクシーが留ることもあります。

 香港に観光でみえたら、決まって乗るバスは観光用の大型バスです。あの大型バスから、町を見るとたくさんのバスが走っているのが見えるはずです。勇気を出して、手を挙げて普通のバスに乗ってみませんか?バスの中もバスの外も、観光バスでは見られないものが一杯詰まっているはずです。ほんのちょっと、勇気を出して手を挙げるだけ。

 

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clipperのアールグレー

2014年06月19日 | お茶

雨、27度、88%  雷注意報

 朝、一走りして家に向かうとき、ある角を曲がると必ず香って来る香りがあります。アールグレーのベルガモットの香りです。まだ、明け切らない空の下、静かに香って来る紅茶の香りは、紅茶を入れている人を思わせます。どんな人が毎朝、どんなポットで紅茶を入れてるのかな?このアールグレーの香りはトワイニングの物だと思います。アールグレーの香りも会社によって随分違います。一番慣れ親しんだトワイニングのアールグレーの香りです。

 実は最近、フェアトレイドに興味を持ちました。コーヒーやカカオを生産するその作り手に、その労力に見合った報酬を与えようという動き、フェアトレイドです。 右下のマークが、フェアトレイドの認可マークです。さて、このフェアトレイドを掲げている商品が、ほんとに生産最先端に立つ熱帯諸国の人たちに寄与しているのかどうか、納得いかないものがあります。イギリスの紅茶で一番最初にフェアトレイドを謳ったのは、culipperでした。一度culipperの紅茶を飲んでみなくてはと思うのですが、香港で売られているのはティーバックばかり。紅茶は、ルーズリーフが一番と思い込んでいる私です。ところが、ある日clipperのルーズリーフを見つけました。しかもアールグレーです。同じ棚にあるトワイニングの缶入りのアールグレーよりグラム当たりはやや高めでした。

 早速、家に帰りこのアールグレーを入れてみました。とにかく驚きでした。その香り、味のバランスともにすっと頭の先から抜けるような紅茶です。clipperはフェアトレイドでも有名ですが、オーガニックの紅茶をイギリスに入れたのもこの会社が初まりだそうです。 左下のマークがオーガニックの認定マークです。南インドで生産されるこのアールグレーの葉は、トワイニングのアールグレーの大葉と違い、セイロンティーに近い細かな葉です。茶葉も香り付けのベルガモット(レモンほどの柑橘類)ももちろんオーガニックです。お茶の色は透き通った赤。私好みの紅茶です。いつもなら、美味しい紅茶に出会うと、すぐにブログに書くのですが、今回は、フェアトレイドの事を書きたいばかりに、ここふた月近くもこの紅茶の事には触れずに置きました。先日、アールグレーを飲むという友人に、clipper の紅茶を薦めました。その彼女から美味しいと返事がが来たのは昨日の事です。

 美味しいと言っていただくと、嬉しくなって、フェアトレイドの事より美味しいアールグレーとしてまずは紹介します。

 私が今興味を持っているフェアトレイドは、紅茶、ココア、コーヒーに関してです。要するに自分が実際に毎日使う物ばかりです。このフェアトレイドに付いては、まだ少し時間をかけて調べてみたいと思っています。

 フェアトレイドを考えながら、このculipperのアールグレー、ふた箱目に入りました。アールグレー好きの方、このすっと抜けるようなculipperを是非お試しください。

 

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elnaのミシン

2014年06月18日 | 身の回りのもの

雨、27度、94%    雷注意報

 久々にミシンを出して来て繕い物をしていました。初めは調子良く針が進みます。ところが、ものの5分もしないうちに、糸は切れるは、布はつるは、さんざんです。縫い物が苦手な私は、滅多にミシンを使いません。年に5、6回でしょうか、でも、縫いたいものがあるとすぐに出して来て、縫ってしまいます。油を差してやっても、すぐには言うことを聞いてくれません。このミシンもうすでに30歳を越えています。お疲れ気味なのだろうと、2時ほど休ませて、私は本でも読んでます。さあ、そろそろご機嫌が直ったかな?

 elnaのミシンは、息子が幼稚園に入る前に買いました。リュックサックや靴入れ、コップ入れ、母親として出来るだけ手作りのものを持たせたかったからです。そういう私はからっきし針仕事が出来ません。それでも、本を見ながらどうにかこうにか作りました。

 ミシンを買おうと決めて、まず見に行ったのが東急ハンズ。たまたま、ミシン売り場の前面でデモンストレーションしていたのが、このelnaのミシンでした。蛇の目やシンガーのミシンと比べたらお値段はやや高めですが、なんといってもコンパクトです。 横が28センチ、縦が23センチ、奥行きは8センチほど。私が手に持って、片手は息子の手を引いて電車に乗って持ち帰ったほど、軽いミシンです。子供向けのミシンではありません。 ボタンホールだって模様縫いだってお手の物です。直線縫いしか出来ない私には、もったいないくらいの代物です。スイス製のこのミシン、当時の我が家には大きな出費でした。でも、お鍋を買った時のようには主人に叱られませんでした。

 私がelnaのミシンを選んだのは、軽さや機能の良さだけではありませんでした。とにかく、デザインがきれいです。縫い目の表示のグリーンとオレンジとブルー。 MoMA美術館にも展示されているミシンだそうです。  現在はelnaは、ジャノメミシンに吸収合併されています。これを求めた頃は、日本の代理店は、住友商事でした。説明書の裏に一回だけのミシンの講習会の切符が付いていました。早速申し込み、主人に息子を預けて、住友商事の本社ビルを訪ねました。なんと講習を受けるのは私ひとり。年配の女性が懇切丁寧に使い方を指導して下さいました。そのおかげでこんな私でもこのミシンを使えました。

 海を越えてここ香港まで連れて来た電化製品は、アイロンやブレンダー、炊飯器に電気泡立て器、このミシン。変圧器を通して使ううちに、ひとつ壊れ、ひとつ壊れ、今変圧器にかけるのはブレンダーとこのelnaのミシンだけになりました。

 買う時にも、講習の時にも、故障が少ないと言われましたが、確かに一度も修理に出していません。きっと、ずっとずっと私と一緒にいてくれるミシンです。

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小切手

2014年06月17日 | 香港

曇、29度、81%

 外国映画の一コマ、ハンドバックから取り出した小切手長にサラサラと金額を書き、サインをし小切手を切るそんなシーンを見る度に、小切手というものに憧れたものでした。小切手がお金を払う手段とは知っていても、自分で使った事も見たこともありません。日本では、商売上の取引の時に使われるのだろうと思っていました。

 香港に住みはじめて数年後、銀行の利率が日本より遥かによかった頃の事です。預金をするなら香港の方がいいと銀行に定期口座を開きました。私は定期口座だけでよかったのですが、窓口のおねえさんも後ろに座っているおじさんまでが出て来て、日本でいう総合口座を開くように薦めます。よく聞くと、若干ですが普通の定期口座より利率が良かったように記憶しています。手続きを終えて帰ろうとする私に、どっさりと書類が渡されました。20年ほど前の事ですから、書かれたものが第一の頃です。その中に小切手帳が入っていました。とりあえずの小切手長なので、私の名前は印字されていません。ものの、1週間ほどで、 名前が印字された小切手帳が郵送されてきました。

 小切手ねえ、どこで使うものか、持ってても使わないままかもしれないなどと思います。ところが、ここ香港では、日常一般に支払いに小切手が使われます。電気代、水道代、ガス代、学校の月謝。例えば、会社のガス代を払う時は、会社の事業主が切った小切手を持って、従業員が支払いに行くというパターンです。映画のように小切手帳を出して来て、サインをしてものを買って行くのを見たのは、一度だけです。白人の女性が、ベネチアングラスを買う時にその光景を見ました。身に付いている、身に染まっている動作でした。

 私も、今では月に一、二度は、小切手を切ります。カードの支払いや高額の支払いの時です。さて、いつも思うのですが、私はこの小切手、あまり便利だとは思っていません。日本と同じく、当座預金から引き落とされます。私は、普通口座にお金を入れてありますから、小切手を切れば、即座に、当座預金にお金を振り込みます。振り込むというより移動してもらいます。これを忘れていると、たとえ1ドルでも、当座預金にお金が足りなければ、ペナルティーとしてかなりの金額を払うはめとなります。はい、私も一度このペナルティーを払いました。普通預金にこれだけの金額あるのにと、抗議したものの後の祭り、高いお金を払っての勉強でした。

 物を買うには、クレジットカードやマネーカードが普及しています。ATMも町のあちこちに、地下鉄にも完備されています。ところが、支払いという形の時は、未だに小切手が方法のひとつとして使われている香港です。

 カードがあり小切手があり、いつも私の財布の中は、ほとんど現金が入っていません。

 

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主人に叱られた買い物

2014年06月16日 | 日々のこと

雨、27度、94%、雷注意報

 結婚して37年、一度だけ買って来たもののことで、きつく主人に叱られたことがあります。もう30年以上の前のことです。先日、二人で台所にいる時その事を思い出し、笑ったものです。確かに、叱られても当然の買い物だったと、今の私は思います。

 その買い物はお鍋でした。30年以上も前は、今のようにデパートのお鍋売り場に行っても、3重層、5重層のステンレスの鍋など売っていませんでした。ビタクラフト、アムウェイで扱っているようなお鍋です。息子の幼稚園のお友達の家で、ホームパーティーという形をとって、その鍋は売られていました。当時はタッパウェアーなどもホームパーティーて売られていたものです。実際にその鍋を使った調理の後、どうですか買いませんか?と薦められました。別の友人が使うビタクラフトの鍋を見知っていて、その使い勝手の良さは知っていたつもりです。ただ単品販売をしていませんでした、セット販売でした。見出しの写真はほんの一部、これ以外にステーキが4枚一度に焼けるパン、その小型、ターキーが丸々入る深鍋と鍋物料理を食卓でも出来る電気パン。それら全部を合わせて、正確な金額は忘れましたが、20万以上しました。

 この鍋は、アメリカのウェストベンド社のものです。ウェストベンド社は、アムウェイの鍋もビタクラフトの鍋も作っています。しかも六重層です。無水でも使えます。主人が私を叱ったのは、この鍋を買ってはいけないというのではありませんでした。ホームパーティーなどという販売形態、つまり、人を集めて場所を提供する人には、売り上げの何パーセントであったり、品物でその見返りをする、商品の値段には当然その分も跳ね返って来るという、その事に私がまんまと乗せられた事を叱りました。しかも、こんな大きな買い物をするほど、我が家の経済は豊かではありませんでした。

 お店では買えない鍋です。どうしても、欲しいと頼んだ挙げ句に、自分でお金を工面して払うから、とまで頼みました。当時、まだ、私は仕事をしていませんでした。たまたま、知人から大学入試前の女の子の数学をみてくれないかと、話がありました。これ幸いにその話を受けました。何回かは忘れましたが、分割払いにしてもらい、やっと手に入れた鍋です。

 常に使う見出し写真の鍋以外の大きなものは、実家の改築が終わると日本に送り返す第一便としてベットの下に荷造りされています。電気パンは、息子の家で活躍中。30年以上私の料理を支えてくれました。写真奥の大きなパンはスチーマーがセットされています。このスチーマーのおかげで、私の料理には蒸し物が沢山あります。右手前のパンは、数年間我が家のご飯炊き用鍋でした。ダッチドームといって、無水で肉を焼く事も出来ます。ダッチドーム仕様で、私は薫製も作ります。アメリカの家庭向きの鍋ですが、充分普通の日本家庭でも使えます。

 今では笑い話ですが、主人にとってみれば、社会の仕組みもよく解っていない奥さんだったのです。叱られたのは当然と思いながら、この鍋を買ってよかったともつくづく思っています。この鍋でもめましたから、以後、10数年は鍋をひとつも買いませんでした。でも、鍋好きな私、重い重い鉄鍋をひとつ買い、ふたつ買い、はい、今では流しの下のハッチの中は鍋だらけです。

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紫陽花 きんとん

2014年06月15日 | 菓子

雨、28度、78%、シグナル1

 梅雨時に庭にポッテリと咲く紫陽花、あの青や赤の色が付いているところが萼だと知った時は驚きでした。豊かな緑の葉に群れて咲く紫陽花の花、西洋花のように思っているこの花がガク紫陽花を原種とする日本古来のものだと知ったのは最近のことです。それにしても、紫陽花も種類が増えました。改良を重ねた紫陽花は、色も様々、萼の形も様々です。

 香港には、紫陽花の木は見られません。それでも花市には通年、見事なまでの園芸紫陽花が売られています。あまりに大き過ぎるその紫陽花を、私は心のどこかで敬遠しているようです。秋になると入って来る秋色紫陽花、枯れたようなその色はシックそのもの。冬にヨーロッパッを訪れた一昨年、ヨーロッパでは紫陽花は秋から冬の花だと知りました。雪を被った紫陽花は、梅雨時に日本で見る紫陽花とは同じ花には思えません。コートを着て手袋ををしたまま、紫陽花の雪を払ってやりました。日本人の私は、やや小ぶりな手まり型の紫陽花を日本の梅雨に思い合わせます。

 紫陽花のきんとんを作りました。白あんと山芋を蒸して漉したものできんとんを作りました。中は小豆のあんです。山芋を使ったきんとんは、白あんだけのきんとんよりしっとりとした口当たりです。きんとん篩を持たないので、ザルの目の大きいもので代用しています。きんとん篩で作ったきんとんの角のたった様子が好きです。目の粗いザルでは出せない切れのよさを持っています。

 昔住んでいた家の門の脇には、白い紫陽花が咲きました。庭の飛び石を伝って手紙を取りに行くと、決まって小さなアオガエルがいました。雨を深くすった土の匂いが思い出されます。その家を去る年の紫陽花は、薄く青づきました。ちょうど私が作ったきんとんのように、うっすらした青色でした。

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暑い日の朝ご飯 パンケーキ!プディン!

2014年06月14日 | 日々のこと

曇、27度、60%

 朝起きるとお腹が空いています。前の晩食べ過ぎたなと思う日も、遅くに晩ご飯を食べた日も、気の重いことがある日も、朝はお腹が空いて起きてきます。困ったお腹です。

 同じようにお腹が空いているのですが、涼しい時と暑い時では、食べたいものが違います。少し厚めに切ったパンとオムレツなんて、暑くなると、食べる気がしません。ひとっ走りして帰って来たらすぐ朝ご飯ですから、手間のかかるものもごめんです。

 前の晩から作って置いたプディン、冷蔵庫でよく冷えています。 牛乳と卵とお砂糖を合わせて蒸しただけのプディンです。カレメルソースも入れません。失敗したパンがあれば、パンプディング。ご飯が中途半端に残っていれば、ライスプディング。時には残り物の生クリームを入れてリッチなプディングを作ります。プディんなんて、お子様の食べ物、病人食ですから、元気な私は大きなプディングを一気に食べてしまいす。そこで、最近は小さな入れ物で作ります。これだって、ひとつでは済みません。困ったお腹です。

 うっすらと甘みを付けたパンケーキも登場します。 ベーキングパウダーだけ入れずに、卵とミルクと粉だけを合わせて冷蔵庫に入れて休みます。焼く前にベーキングパウダーを少し入れます。ベーキングパウダーは水分と合わせたら、すぐに火を通さないと効き目が無くなると、以前何かで読んだからです。もちろん焼きたてが一番ですが、たくさん焼いて置いて、次の日に食べることもあります。クリームをのっけても、美味しいバターで食べても、たっぷりのジャムをコロンと乗せても、もちろんこのままでも美味しいパンケーキです。

 前の日のお昼ご飯が終わった頃から、次の日の朝ご飯は何にしようかなと考えます。それほど朝はお腹が空きます。困ったお腹です。

 パンケーキの一番上のスモールサイズ、お待ちかねのモモさんに。

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壊される建物 香港 中和里

2014年06月13日 | 香港

晴れ、25度、69%

 香港島北の上環からセントラルをはさんでワンチャイにいたる一帯は、昔から人が住んでいる土地です。今はビクトリア湾の埋め立てが進んで平地が広くなりましたが、古い写真に見られる、海辺から這い上がるように太平山に向かい家が建ち並んでいる様子は、印象的です。同じ東洋でも日本と違い、建築物は石造です。地震が少ないこともあって、2階建て3階建ての建物です。老朽化した古い建物が壊され、地域全体の再開発が進んでいるのも、こうした古くからの街です。

 しばらく足を運んでいないと、急に開けたような空き地になっています。「中和里」はセントラルから上、ハリウッドロードとケンロードの中間に位置します。「里」が付く道筋は袋小路や小路を表します。再開発準備のために、すでに人の住まなくなった建物からはカビ臭い匂いが流れてきます。

  道に面した建物の入り口です。こんな薄暗い階段を上ります。 所々人がまだ住んでいます。洗濯物が風に揺れる様子は、どこの町でもどんな場所でも人の生活を感じさてくれるものです。 印刷屋さんの看板が上がっています。セントラルから上向きのこの一帯は、ほんの15年ほど前までは、印刷屋がずらりとありました。オフィスから出る注文を受けるためです。今では、家庭でも印刷できる時代になりました。夏の強い日差しの中、輪転機の廻る音が懐かしく思い出されます。

  おばあさんたちが腰掛けているのは、この町の古くからのコミュニティーセンターの前です。中はクーラーもないので外に椅子を持ち出しています。お盆の頃になると、ここには大きな社が建ち、町の家内安全をみんなで祈ります。

  人がまだ住んでいる家のバルコニー、こんな鉄のバルコニーもほとんど姿を消しました。左右両脇には、植木鉢用の支柱まで付いています。この家が新しかった頃は、とてもしゃれたバルコニーだったことでしょうね。

 空き家になった家からも、未だに人の営みが伝わってきます。見出し写真の窓は3階部分。カーブのある窓が香港に来た当初は憧れでした。この窓から今日のように清々しい朝、誰かがこのバニアンツリーの緑を眺めたことでしょう。遠い昔の映画の一コマのような気がします。

 

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気持ちの始末

2014年06月12日 | 日々のこと

曇、26度、82%

 数日前のことです。40代の若い友人が、FBにこんなことを書いていました。気の許せる人と久しぶりに会って話しているうちに、急に涙が出て来たそうです。この友人、母であり主婦であり仕事もしています。若いからといっても、心も体も気付かぬうちに疲れていたのかもしれません。

 もう20年近くも前になるでしょうか、40になる少し前、とても辛い時期がありました。高校から一人日本に帰した息子のこと、主人の仕事、母と主人の不仲、胸に抱えることが多い時期でした。私の家庭教師の仕事も、教えている子供の数が一番多かった頃です。仕事を終えて先に休んでいる私に、帰宅した主人は毎晩のように、息子の素行が悪いのは、私の育て方のせいでそれは私の母のせいでもあると詰ります。心も渇いていたせいか涙も出ませんでした。ある朝起きると、どこか体がいつもとは違います。右の耳が聞こえなくなっていました。左耳が使えるので、病院にも行きませんでしたが、おそらく自律神経が失調したのだと思います。そんなある日、いつものように子供に数学を教えていたとき、急に、胸の中に込み上げて来る物がありました。「悪いけど、ちょっとだけ泣かせて。」と向かいに座る教え子に言いました。目も霞むほどの大粒の涙が後から後から流れます。声も立てずにどれくらい泣いたでしょうか、首のあたりにあった力みがなくなり心まで軽くなっていました。

 大なり小なり、心に抱えるものがあり、自分のものでありながら時にはどうしようもないほど手に負えないのが自分の気持ちです。その気持ちをなだめながら、生きて行くより仕方ありません。

 実はここ数日、やはり胸に大きなものを抱え込んでいます。50半ばを越しても、是といった妙薬はありません。いつもより窓ガラスを丁寧に拭いて、青空を見上げる。茶渋の残った土瓶の底を丁寧に洗う。こんな小さな気持ちの始末をひとつひとつ重ねています。歳を重ねると、気持ちの始末の付け方も変わってきました。どうか、穏やかに時間が流れてくれますように。

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オレンジマーマレードを作る

2014年06月11日 | 日々のこと

小雨、27度、84%

  ジャムやマーマレードはパンに付けるものと相場は決まっていますが、私はそのまま食べてしまいます。しかも、よく考えると夏場です。はっきりしない四季、とりわけ夏が長く、冬だって冬らしい冬ではない香港ですが、夏になると、急に食べ物、飲み物の嗜好変わります。紅茶だって、シナモンやグローブの香りにするものは飲みたくありません。透き通るようなベルガモットの香りに急遽、転換。つまり、アールグレーの紅茶を飲み始めると、ジャムやマーマーレードを一緒に食べ始めるようです。

 ジャムは日本でも輸入物が手頃な値段で売られています、日本のジャムは、品がいいというのか、そもそもそのまま食べた方がおいしい日本の果物を加工しているのですから、私には少し物足りません。ジャムはしっかりと甘め、柔らかすぎず硬すぎず、たくさん入っている方が好みです。そんなわけで、ボンヌママのアプリコットジャムが定番です。ところが、急に苦みの利いたマーマレードが食べたくなります。マーマレードばかりは、イギリスのものが美味しいと一人決めています。どこのものも、やや硬めでしっかりと苦い、ストレートの紅茶にぴったりです。

 こんな私の永年のマーマレードへの思いを覆したのが、ブラッドオレンジのマーマレードでした。シドニーに住む友人が重いのにも関わらず、持って来てくれました。このマーマレード、どう表現していいのか苦みはありません。それなのにどこかに苦みを思い起こさせる匂いを秘めています。大きな瓶は、あっという間に空っぽに。その後、カナダのブラッドオレンジのマーマレードも食べてみましたが、これはジャムに近い味でした。香港でも、ブラッドオレンジを売っていますが、それはそれは高いので、未だフレッシュなブラッドオレンジは食べたことがありません。オレンジなら年中安く手に入ります。それならばと、オレンジマーマレードを作ってみることに。

 はなから、困っとことに直面します。ワックスのかかっていないオレンジなんて売られていません。皮が命のマーマレードです。仕方ないので、ワックス付きを買って来て、たわしでゴシゴシ洗って、ぬるま湯に半日以上浸け置き、また洗って作りはじめました。イチゴジャムのように砂糖と一緒に煮ればいいやと、安易に考えています。大きな鉄鍋でコトコト。なかなか煮詰まりません。そこで、火を止めてお鍋のまま蓋をして寝てしまいました。朝起きたら、煮詰まるどころか、硬めにどろんとしたマーマレードが出来ています。鉄鍋は熱を持ちます。火を止めても、きっと、お鍋の中はくつくつと煮えていたのかもしれません。硬めのマーマレードの出来上がりです。

 苦みは充分、熱い紅茶と一緒にひと月は持つかな?

 

 

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