チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

20歳を過ぎたアマリリス

2020年05月21日 | 庭仕事

曇、15度、88%

 秋に植えたチューリップが咲き始めると庭の仕事が急に増えます。冬の間ほとんど手を付けなかった庭の隅々までが気になり始めます。「今年は野菜は何植えようかな?」「まだ芽が出ていないけど、この辺りはオダマキがあったはず。」などと地面を見て回ります。庭造りを始めて3年目、少しずつ庭の構想が出来上がっている過程です。チューリップは2種類植えたので時期を違えて開花しました。先に咲いたチューリップが花を落とす頃、その株の間から植えっ放しのグラジオラスの芽が出始めました。なんともみっともない状態です。数日考えて、球根の大移動をすることにしました。手始めに水仙とアマリリス、時期的に水仙は早過ぎますし、アマリリスはもう芽が出ているので遅いことは承知です。

 17年ほど香港で育てたアマリリスの球根をこっそり引越しの荷物に入れて持ち帰りました。香港では鉢で育てて17年で小球根が一つ付いた状態の年寄り球根でした。庭のひと隅に地植えして3年、一度も掘り上げませんでした。普通に春になると花を付けていました。ただ芽出しの数が多くなって、小球根が増えているのはわかります。4月半ば過ぎ新芽が大きく伸びた状態で掘り返したアマリリスです。 掘りながらその大きさに驚きました。大きな玉ねぎの倍以上もあるアマリリスの球根です。しかも大きな球根が全部で7つにまで育っていました。地植えの素晴らしさをまざまざと思い知ります。一番手前が20歳を超えした親球根です。

 植え替えた土にもすぐ馴染み、全部で7つの花芽がついていました。アマリリスは一つの花芽から2つ〜5つの花をつけます。親球根は2つの花芽をつけています。5月に入って蕾が膨らみ始めました。覗くと花芽に4つの花が咲きそうです。花が開いた翌日激しい雨が降りました。朝庭に出ると花の重さと雨の重さでアマリリスの茎が地面にまで傾いています。急ぎ支柱を当てました。

 真っ赤の大輪のアマリリスが庭の一角を飾っています。まだ蕾のものもあります。香港では友人にもらったりでいくつかアマリリスを育てました。こんなに大輪で大きなアマリリスは初めてです。水だってやったことがありません。もちろん肥料も与えたことがありません。地植えの大きな恵みを受けたアマリリスです。しばらくはこのひと隅で数年過ごしてもらいます。

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薔薇ジャム

2020年05月20日 | おやつ

晴、16度、76%

 朝方まで降っていた雨が上がった昨日、庭に降りて真っ先にバラのもとに向かいました。雨で弱った薔薇を切り取るためではありません。満開一歩手前の赤いバラだけを集めるためです。2本あるポールズスカーレットクライマーはこの春たくさんの蕾をつけて、咲きました。一つの枝先に3つの蕾をつける房なりです。雨滴が残る赤いバラの房の根元にハサミを入れて切り落とします。 花びらだけを外して集めました。

 

 バラの花びらに砂糖を足して煮て赤い「薔薇ジャム」を作ります。ポールズスカーレットは香りの少ない薔薇です。でもジャムのために赤色でこのバラを選びました。バラの花びらはまるで薄い富士絹のような手触りです。生のまま食べても味もなく甘みもありません。糖分を含む果物とは違います。砂糖を多めに入れました。じんわりと出てくる水分をゆっくり飛ばしながらの作業です。色止めにはレモン汁を使いました。昨年の庭で採れたレモンの汁を冷凍して置いたものです。レモン汁を加えるとジャムの色がパッと明るい赤に変わります。煮上がった艶々の「薔薇ジャム」です。

 大咲の直径10センチ以上のバラたちは一番咲きの花を全て落としました。二番咲きになるとやや小振りになります。その蕾も膨らみ始めています。ポールズスカーレットは雨で痛んだ花を切り落としても「薔薇ジャム」用に花を切ってもまだまだ咲き続けそうです。

 ジャムを瓶に詰めました。きっちり蓋をして保存です。瓶一杯の「薔薇ジャム」は主人のためのジャムです。庭に咲く薔薇たちを見ることもその香りを嗅ぐこともできないこの春でした。いつになるか家に戻ってきたその時にこの「薔薇ジャム」をと思っています。

 香港のマンダリンホテルの「薔薇ジャム」を「有名よ。」と言って頂戴したことがありました。我が家の「薔薇ジャム」より透き通った感じの「薔薇ジャム」でした。バラの種類の違いでしょうか。瓶に入り切らなかった「薔薇ジャム」は  今朝の私のパンと一緒にいただくつもりです。庭からの贈り物の「薔薇ジャム」です。

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セダムの花

2020年05月19日 | 

曇、18度、76%

 「セダム」、弁慶草とも言われる小さな草があります。ちょっと肉厚ですがサボテンではありません、種類も豊富で色、形、様々あります。その「セダム」をリースに仕立てたのは昨年です。夏も半ばになるまで玄関先を飾りました。リースから外して鉢植え、地植えにしました。丈夫です。水やりを忘れていても元気に地面を這って増えていきました。

 植木鉢の「セダム」の花です。 分かり辛いけど真ん中に黄色い花が咲いています。いく種類か植え込んでいますが時期をずらせてポツポツと花を付けています。この植木鉢は玄関前の表札を出しているパーティションの丸窓に置いています。「セダム」はこぼれてもそこで根付きます。この丸窓の下には、  落ちた「セダム」元気に育っています。

 一昨年に求めた「セダム」は水をやり過ぎて溶けて消えました。水やりもしなくいい、冬の間も緑のまま、なんとも好都合な「セダム」です。地植えの「セダム」がぐんぐんと地面を覆ってくれるようにと願っています。地植えにすると見出し写真のように背丈も出てきます。

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セージの花

2020年05月18日 | クロスステッチ

大雨、20度、96%

 ハーブのセージは強い植物だそうです。ハーブは元来雑草、セージは暑さ寒さにも強く虫も付かないと聞きました。葉を潰すとあの匂いです。虫も寄り付かないはずです。繁殖力も旺盛らしく我が家のハーブの一角には植えずに鉢植えにしています。頻繁に料理に使うわけではありませんが、ローストチキンの詰め物をする時など内臓の臭みを消すにはなくてはならないセージです。

 3年前に鉢植えにして、そのままほっておいたセージに蕾がついたのは2週間ほど前でした。昨年はこの蕾開かないまま落ちてしまいました。どんな色だろうと花が開くのを待つことにしました。その時、「そうだ、セージの花を刺そう。」と思い付きました。確かゲルダベングトソンの図案を持っているはずです。

 帰国後初めて針を持ってどんと椅子に座ります。久し振りに見る麻布の目は思った以上に見え辛く、針を持つ指は庭仕事でこわばっています。この2つを乗り切るまでに数日かかりました。途中、読みたい本も出てきて中断。その間にセージの花が開きました。ブルーがかかった紫です。 セージは種類も多く、花色も違います。

ハーブの花はどれも控えめなものばかり大きさもさほど大きくはありません。花開いたセージに「もうすぐ刺し終えるからね。」と話します。

 昨日、花の色を入れて刺し上げました。細長く、スモーキーな葉っぱの色がよく出ています。額入れは予定しているあと3つを刺し上げてするつもりです。福岡にもいい額縁屋さんがあると教えていただきました。

 香港時代は刺繍をする度に大きなモモさんが膝の上で寝ていました。懐かしい重みと匂いです。ココさんも刺繍の間中、私の足元にいます。 家にいてもじっと座ることの少ない私が長時間座り続けているのを喜んでいるようです。

 次のための布張りも花糸選びも終わりました。今日から新しい花を刺し始めます。

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中華の香辛料

2020年05月17日 | 料理

晴、19度、96%

 先日、思い立って「台湾風のメンマ」を作りました。記憶にある味を再現してみます。オイル漬けの「台湾風のメンマ」は日本のメンマより優しい味付けです。そして独特な中華の香りがします。そこで「八角」「花椒」などの香辛料を足してみました。「八角」の瓶を開けるとすっと鼻を抜ける香りです。久々に嗅ぐ匂いに胸も頭もすっきりとしました。作ったオイル煮のメンマの出来はまずまずでした。

 その日以来、毎日この「八角」を料理に使うようになりました。香りが気持ちを整えてくれる気がします。「八角」は煮込み料理に使うことが多いのですが、炒め物にもひと欠片、お魚のスープにもひと欠片、という具合です。香辛料の効能をよく言われますが、私は自分の身体がその時欲しいているものを使うようにしています。

 中華料理の香辛料と言われて、まづ思い付くのが「しょうが」です。香辛料ではないのかもしれませんが、毎朝の香港の市場での買い物で圧倒的に地元香港人と私が買う「しょうが」の量が違いました。「しょうが」を差し出すのが恥ずかしいくらいに地元の人は「しょうが」を買います。赤い「唐辛子」をよく使うのは湖南料理や四川料理です。よく言われる「五香粉」 は作り元によって配合も取合せる香辛料の違いもあります。台湾料理によく香る香辛料です。

 インド料理の香辛料、西洋料理の香辛料はよく知られていますが、中華の香辛料もそれらと被っているものも多くあります。独特なのが「八角」や「陳皮」だと思います。「陳皮」はみかんの皮を干したものです。家でも作る事が出来ます。「陳皮」は古ければ古いほどいいとされています。ある時、「陳皮」の値段を聞いてびっくりした事がありました。みかんの皮なのにお肉より高いものでした。それほと珍重されています。この「陳皮」がひとかけら入ったお汁粉を食べた時の驚きは今も忘れません。昔は中華の食後におまけでデザートが出されました。冬になってよく出されたのが暖かいお汁粉でした。一口、口に含むと爽やかな味です。「??」砂糖の質が日本と違うので、サラリとしています。その上、爽やかな香りです。ある時「陳皮」が入っていると知りました。食事の最後のデザートに「陳皮」入りのお汁粉はホッとする思い出です。

 写真左が古い「陳皮」、右が「八角」です。この2つを並べて見ていてある食べ物を思い出しました。食べ物というか匂いを思い出したのです。香港のスターフェリー乗り場の九龍サイドの一階の入り口に「茶葉卵」を売る店がずっとあります。中国茶に味付けをして香り付けに「八角」「陳皮」が入った煮汁で似たゆで卵です。「薬湯」にも似た香りですが、食べるとほんわかとしたいい味の卵です。匂いと共に思い出す味の数々、しばらく「八角」の香りで体を整えてみたいと思います。

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私の花の先生はクロスステッチです。

2020年05月16日 | クロスステッチ

大雨、20度、94%

 麻の布に艶のない「花糸」と呼ばれる木綿の刺繍糸のクロスステッチを始めて40年以上になりました。このクロスステッチはデンマークが起こりです。40年のうち一番多く刺して来たのは花の図案、しかも1995年に亡くなった「ゲルダベングトソン」という人の図案ばかりです。

 昨日、庭の「ジキタリス」のことを書きました。このクロスステッチをする古くからの友人から「ゲルダさんの図案にもジキタリスがあるね。」とメッセージが来ました。ジキタリスの額は家の壁にかかっています。 

 40年前の日本、まだ生のハーブなど売っている店はありませんでした。この刺繍の図案で初めて知るハーブの花や姿もたくさんありました。 「タイム」です。ひと針ひと針刺しながら、「タイム」ってこんな可愛い花を咲かせるのだと胸を躍らせました。香港時代も「タイム」の苗を幾度かプランターに植えましたが、あの高温多湿で花を咲かせるまでにはなりませんでした。私の庭造りの一番の目的はハーブの一角を作ることでした。今ではビワの木の下にたくさんのハーブが真冬でも緑をたたえています。もうしばらくすると蔓延った「タイム」も花を付けます。

 帰国して3年、やっとこの1週間ほど針を持つようになりました。細かい麻の目を取っていくこの刺繍は若い時のように手が進みません。ゲルダさんの花の図案の多くに見られる特徴があります。植物によっては「根」や「球根」まで描かれていることです。他の国の花の刺繍の図案には見られないことです。 「球根」が描かれていた「ホロールート」。 「根」が描かれている「ポピー」。 「瑠璃草」。

今のようにネットで調べればすぐに写真が出てくる時代ではありませんでした。花を刺しながら花を覚えていきました。そしてその花やハーブを自分の手で育てたいといつも思っていました。

 この「根」や「球根」をなぜゲルダさんが図案に入れたのか、いつも不思議に思っていました。庭仕事をする人なら、「球根」や「根」も含めて植物と付き合います。そして、土の下の「球根」や「根」もまた美しいことを知っています。このクロスステッチはデンマークの国の輸出の大きな部分を占めていることを知りました。そしてデンマークの輸出品の中で大きな稼ぎを得ているのは「ロイヤルコペンハーゲン」の食器だそうです。

  このコーヒーカップに描かれた花は素朴な小さな花です。裏を返すと  ご覧のようにこの花の「根」が書かれています。「フローラダニカ」と呼ばれるこのシリーズは全て「根」が描かれています。

 ゲルダさんはきっとこの「フローラダニカ」のシリーズを模して「根」や「球根」を描きこむ図案を考えたのではないでしょうか。

 このコーヒーカップで紅茶をいただきながらそんな思いに至りました。あと数日で今回の刺繍を挿し終えることが出来そうです。もちろん花の刺繍です。

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ジキタリス

2020年05月15日 | 庭仕事

曇、19度、82%

 5月も終わりになるとバラのピークを過ぎます。急に彩りのなくなった庭はさみしくも感じます。バラの株元にはバラが終わった後に咲き始めてくれそうな草花を植えています。「カンパニュラ」や「ジキタリス」、1年中小さな花を咲かせる「源平小菊」などです。「ジキタリス」を植えたのは2年前、始めの年はさほど大きくならず花を付けたのにナメクジに食べられました。昨年は立派な葉がたくさん出てきたので花を期待していたのに、花はつきませんでした。今年も大きな葉が広がるように出てきました。花芽もぐんぐん伸びて来て高さが70センチほどになりました。そして、あっという間に花を咲かせました。「ジキタリス」の上にはバラたちが満開です。

 バラが終わった後に楽しむつもりの「ジキタリス」が、バラを避けながら花咲かせています。直径が10センチを超える大輪のバラは首を垂れます。バラとジキタリスの競演です。

 毒性がある「ジキタリス」です。大きく育った「ジキタリス」は存在感があります。もう一本白の「ジキタリス」が奥に植わっていますが、バラの花影に隠れて見ることができません。こちらも今年は大きく成長しました。

 「ジキタリス」の花一つ一つは覗き込むとまるで幻想的な世界です。 今日午後から雨が降り出します。この雨でバラたちは盛りを過ぎます。花期の長い「ジキタリス」がやっと脚光を浴びるのもこの雨の後です。

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お庭でお弁当 竹かご弁当

2020年05月14日 | 昨日のお昼ご飯

晴、15度、88%

 今週末、福岡は3日間続けて雨になると予報が出ています。しかも雨量もかなりのようです。先日の雨でも庭のバラたちは開いた花に雨水を含み重たく、枝はしなるし花びらも傷みました。蕾が多かった赤いバラも残す蕾はわずかです。雨の後、花を切り落とすことを考えています。今年のバラのピークを見ながら庭でお弁当を広げることにしました。

 日差しが強くなっています。オリーブの木陰にクロスを広げました。 ちょうどバラたちが真ん前に見えます。 同じ景色ですが緑の濃さがだんだんと夏のそれに近付いています。朝、慌てて用意したお弁当の中身は大したものではありません。 竹かごの弁当箱を出して来ました。庭のハランの葉を敷いて、蓋にはイチジクの葉を被せました。

  豆ご飯のおにぎりと鮭を焼いて何はなくても卵焼き。

 芝生の下草も緑を増して座り心地も良くなりました。足を伸ばして、緑の匂いを胸いっぱいにご飯です。ココさんには蓋のイチジクの葉に取り分けて一緒にいただきます。 青豆だけはきれいに残します。「そうだった!ピースは食べないんだよね。」おしまいは友人からいただいた八女の新茶です。 新茶らしいまろやかなお茶を楽しみます。

 3種類ほどのミツバチが庭を飛んでいます。ふと見上げると、オリーブの枝にも花芽がついています。 葉の下に付くオリーブの小さな花芽は覗き込まないと見えません。小1時間も座っていました。陽は高くなり暑くなりました。

 福岡の緊急事態宣言は緩和されそうです。外出自粛の間、お家での時間の楽しみ方も覚えました。気を緩めることなく、自宅にいるつもりです。「ココさん、またお庭でお弁当しようね。」

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井伏鱒二 「荻窪風土記」

2020年05月13日 | 

晴、17度、62%

 毎朝、6本のメタセコイヤの樹の下を通ります。12月に入って細かい葉を落としたメタセコイヤの木に新芽が見られるようになりました。その様子を見ているうちに主人が昨年半年を過ごした街を思い出しました。その街には武蔵野に見られる大きな大きなメタセコイヤの木がいく本もありました。主人のマンションの玄関を出ると3本のメタセコイヤが並んで見えていました。昨年の5月、その木たちは緑に包まれ始めているところでした。

 メタセコイヤを思い浮かべていると急に昔読んだ「荻窪風土記」のことを思い出しました。メタセコイヤのことが書いてあったのか内容も記憶にないほど昔に読んだ本です。井伏鱒二の本は幾冊か手元にあります。本棚を探しますが「荻窪風土記」はありません。海を渡る幾度かの引越しで始末したと思われます。調べると昭和57年刊行、初版で求めた本ですがもう40年近く前の本です。そこでアマゾンの古本で単行本を注文しました。

 ちょうど刺繍を始めたばかり、刺繍を始めると椅子に釘付けになりますが、本も気にかかる、そこで、丸2日、刺繍を止めて椅子を庭に出し本を読み始ることにしました。最初2行で目が留まりました。荻窪の地主の名前が出ています。この方は主人がこの30年ほどお世話になっている方です。私がこの本を始めに読んだ時にはまだ存じ上げなかった方です。現在の地主の方とまだお元気だったお母様と香港の返還記念のその日を香港の雑踏の中で迎えた懐かしい記憶が蘇ります。

 本は昭和2年から始まります。井伏鱒二が荻窪に家を建てるところからです。物語ではなく昭和2年から書かれた昭和50年後半までの荻窪の土地の話に文壇の人たちの動向が書かれています。きっと初めこの本を手にした40年前はこの文壇の人たちのことを私は読みたかったのではないでしょうか。今は荻窪の街の移り変わりに興味が移っています。

 主人は荻窪の駅からバスで5つの停留所のところに住みました。昨年は私もよく通いました。荻窪駅から青梅街道をいくバスです。この家に行く度、朝のジョギングは荻窪駅に向かいました。行きは青梅街道を走り帰りは裏道を走ります。無案内な街が走るたびに身近になりました。地名も一つ一つ覚えます。面白いお店も発見します。

 本を読みながらその街の様子が浮かびます。昭和の初めにはまだ乗降客も少なかった荻窪駅の周りの店々、ただ変わらないのは青梅街道の道です。読み終えて、東京のあの街を肌に感じます。主人の家のベランダからは遠く新宿の高層ビルが見えていました。

 メタセコイヤの木の新緑が40年前の本に連れて行ってくれました。今頃武蔵野のメタセコイヤも小さな葉をたくさんつけていると思います。

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台湾風メンマとイカスミパスタ

2020年05月12日 | 昨日のお昼ご飯

晴、16度、84%

 台湾のタケノコの保存食に「香脆筍」というものがあります。メンマですが日本のメンマと違います。味付けはさっぱりと唐辛子がやや効いていて保存食ですのでオイル漬けになっています。私は好きなので食べ始めると止まりません。

 鷹の爪、花山椒、八角で香り付けをして作ってみました。 実際の作り方は知らないのですが、自分の舌に覚えた味です。保存しないですぐに食べ切るつもりで、オイル漬けにはしないでオイル煮にしました。軽く香辛料と炒めたタケノコにひたひたのオイルを注ぎコトコトと煮ました。オイルを煮含める感じです。味見をするとオイルに包まれたタケノコに「香脆筍」の旨味を感じます。 保存食にするならここにオイルを注ぎます。

 お蕎麦を和えて食べようと思っていましたが買い置きがなく、出て来たのはイカスミパスタです。 茹で上げにこの「香脆筍」風を和えるだけの簡単な一品。中華の香りとイタリアパスタのコンビネーションです。いつも思うのですが乾燥のイカスミパスタはイカの海の香りがしません。イカスミはソースで使うのが一番美味しいと思います。 オイルの回ったタケノコのおかげでイカスミパスタにコクが出ています。八角の香りが長く居た香港の街につながります。

 「香脆筍」おそらく中華専門の材料屋さんで売っているはずです。ご飯のおかず、お酒の当てにも合います。お試しください。

 

 

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