木々の新芽が広がり始めました。
イチジクの葉は、初めからイチジクの葉の形。
柿の葉も、茶の葉も、栗の木の葉も、柔らかな若葉が日毎に大きくなっています。
イチジクのように特徴は無くて、一見「そっくり!」と思っても、
よく見れば、葉脈や縁の様子や、感触や、香りなどが少しずつ違っていることがわかってきます。
そしてまた、1本の木に茂っている葉を何枚かちぎって比べて見れば、全部違う、
虫食いがあったり、ちょっと縮れていたり、色の斑があったり、大きかったり小さかったり・・・
もちろん虫たちも、同じ種類の虫でも、よーく見れば全部違うのだと思います。
見た目だけでなく、大胆なのも居れば、几帳面なのも、弱虫も、繊細なやつ、優しい奴もいて、
同じ遺伝子でも、双子の個性が違うように、1匹ずつ違うのだと思います。
はみ出し者や落ちこぼれ・・・
その個性こそが進化の原動力なのかも・・・
均一化されると、そこで、止まってしまう・・・
と、これは、今読んでいる本から学び、思ったことです。
ノミやハチやゴキブリやバッタを研究する中で、著者自身が考え続けている事をそのまま書いています。
「進化」とは、「個と社会」?「生きる」とは?
「あとがき」で著者は、現代の「哲学なき科学」を強く憂いています。
知識の羅列、強引な解説を分からせようとする学校の在り方を批判し、
博物学の基本に戻るべきだと書いています。
とても面白い本です!
『ミミズは切られて痛がるか』(生き物の気持ちになった生物学)
奥井一満(1933年-2004年)
作者はもう亡くなっています。残念です。
光文社文庫1997(13年前に書いた本が文庫化されたもの)