マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

「アスベストス」他

2022-02-08 | book

検索していて、気になった本をまとめて予約していましたが、

先日全部図書館で借りてきました。

重い本を何冊も借りてしまいました。

そのうちの1冊は「ノモレ」

南米の先住民の一人に密着取材したルポルタージュです。

昔、その男ロメウの先祖らは、奴隷として、黒人や白人の下層貧民らと一緒にこき使われていた所から逃亡し、

アマゾン川の上流へ、より深いジャングルへと逃げている時、ある場所で二手に分かれ、そこで「いつかきっと再会を」と約束して生き延びたそうです。

現在は川の傍で、先住民としての生活の場所をある程度確保し、学校や病院などへも行くようになり、半自給生活を送っていますが、

「息子たちよ仲間を探してくれ・・・」と祖父らから頼まれた言葉を決して忘れることはありませんでした。

「ノモレ」とは「仲間」という意味です。

ある日、川の上流で裸族のうわさを聞き、

そしてついに・・・

『ノモレ』

国分拓 著  2018年 新潮社

 

2冊目は「アスベストス」

著者自身、ずっと電気工事士として現場で仕事をしていたために、アスベストの被害者です。

穏やかな筆致で、文字数も少ないのでどんどん読めてしまいますが、

いつものように読み飛ばしてはならない気がしてしまいます。

アスベストの害が明らかになってからも、きちんとした禁止措置を行わず、責任を問わず、

長く放置して、アスベストの処理方法について法律も行政も後手後手で、

ただ、患者が苦しんで亡くなるのを待っているとしか思えない国のやり方は、

水俣病などのへの対応と全く同じです。そしてまた福島の被災者に対しても全く同じ。

 

この本は、4つの短編からなっています。

そのうちの一つは、古いマンションをリフォームしようとして、天井板に「アスラックス」の文字を見つけ、気になって調べる夫婦の話。

最後の短編は、抽選で5階建てのマンションの5階が当たり「エレベーターはないけどええ風が入る・・・」と喜んだ家族は、

30数年後、近くの「クボタ」工場から排出されるアスベストの粉塵のために、家族で一番元気だった次男が、

夢の実現を前にして、無念の言葉を残し、中皮腫で苦しんで亡くなるのです。

 

現在もたぶんあちこちにアスベストが使われたままになっていると思われます。

アスベストを吸い込んでもすぐに症状が現れないために「静かな時限爆弾」と言われますが、

そのために、多くの人がすぐそばにアスベストがあっても、別に何とも思わない状況が今も続いています。

自然の中に無尽蔵にあって、とても便利な物質、と思えるものが、実は、生物(人間に)恐ろしい作用をもたらします。

考えてみれば、放射能もそうだし、水銀や鉛や銅や、石油も、使い方を誤れば、生物の命を奪います。

人はいつかもっと賢くなるのでしょうか?

『アスベストス』

佐伯一麦 著    2021年12月  文芸春秋社

図書館では、なるべく滞在時間を短くしたいので、

今は大抵、予約して、本が揃ったら借りに行くようにしています。

次回は、もう少し気楽な本を予約することにしようかなと思いますが、

この本「アスベストス」は、多くの人に読んでもらいたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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お客さんはのっそりと!

2022-02-04 | 自然

庭のコンポストまで行こうとしたら、なんと、狸!

全身、もこもこ、尾もフサフサ!

狸も驚いたみたいで、こっちをうかがっています。

動かないで!と念じてカメラを取りに戻る・・・

ちゃんと待っててくれました。

のっそり歩いていましたが、その様子は犬とそっくり。

カメラを構えて少しづつ近づいて行くと、

どうしようかと、ちょっと固まっていましたが、

少し焦った様子で、近くの藪の中に潜り込んで逃げていきました。

凡そ俊敏とは言えない不器用そうな動き、

古来、囃子唄や、マンガや、絵や、おはなしや、

タヌキの置物(信楽焼き)まで登場して、親しまれてきた理由の一つかも、と思いました。

☆タヌキとアナグマは、日本には古来から居るそうです。

   ムジナといわれたのは、この2種のようです。

○タヌキはイヌ科(ちなみに、キツネもイヌ科)

○アナグマはイタチ科(ちなみに、ラッコもイタチ科)

○アライグマはアライグマ科

○ハクビシンはジャコウネコ科

裏山には、タヌキの他、アナグマ、アライグマもいますが、ハクビシンの話は聞いていません。

ノウサギやキツネも棲んでいます。

裏山は、名前もなく、孤立したこんもりした森ですが、いろいろな生き物が暮らしているようです。

時々ひょっこり現れて『ぼくたちだって、ここで生きているんだよ』と知らせに来るみたいです。

 

 

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明治時代の人口分布

2022-02-02 | Weblog

本を読んでいたら、明治時代の中頃の都道府県別人口は、

新潟県が一位だった、と書いてあったので、驚いて検索してみました。

明治時代には県は合併したりまた分かれたりした所もあり、ランキングは上下しますが、

明治21年(現在の都道府県とほぼ同じ分割になった1888年)の統計によれば、確かに一位で、

当時、新潟県は日本で最も人口が多い所だったことがわかりました。

日本海に面した各都市が北前船の物流によって栄えていたことは知っていましたが、

新潟県にそんなにたくさんの人が住んでいたことを、今まで読んだり聞いたりしたことがありませんでした。

新潟県は、青森県や山形県程雪が多くないにしても、雪国には違いありません。

鉄道が普及し、車社会になって、雪が邪魔者扱いされるようになるまで、

雪は、人々の暮らしや、産業の障害にはなっていなかった、という風にも考えられます。

現在(2021年)の県別人口のランキングを一位から見てみると、

東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県、北海道・・・そして15位が新潟県になっています。

また、上記の明治21年の統計では、最下位は北海道、となっています。

人口の数字の変遷だけを見ていても、いろいろなことが見えてくるなーと思います。

現在の東京圏の人口の集中は、危うい気がします。

 

図書館に入ったところに、いつも児童書が展示してあります。

この日は「雪」がテーマになっていました。

目についた何冊かを借りてきました。

今私はほとんど雪の降らない所に住んでいますが、

もう一度、子どもの頃のように、積もった雪の上にあおむけに寝転んで、

雪が舞いおりてくるのを眺めたいな、と思います。

 

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