蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

見知らぬ人と、よく知っている人

2010-08-01 | 
昨日、法事に参加してきた。
先月亡くなった親戚Mオバアサンの57日忌の法要だ。

暑い中、真夏用の喪服が絶対に必要だと痛感した。
湿気や汗、風を全く通さない、熱のこもるオールシーズン対応の喪服。
服の裏布地の化学繊維が、汗でべとっと、くっついて、
肌との接着面から、さらに新しい汗が、次から次へとダラダラ流れた。
法要が行われた近くの、大規模ベッドタウンの賑わい複合商業施設で、
見知らぬオバサンに、穴があくほど、じろじろ見られたが、
この暑いのに、あんなに暑苦しい格好をしていたから?
(オバサン、ちょっこし、失礼ですよ)

ご自宅でのお寺さん(僧侶)による読誦の後、
会食は、新しく出店した老舗大手の料亭で、とても美味しくいただいた。

参加されている方々のお顔、この度のことで初めて見る方が多かった。
あとの方は、一度だけ、結婚式でお会いしたことがある。
もちろん、お話をしたこともないし、この度も、一言も話さず。
姻戚関係の、そのまた姻戚関係だから、私には、近いと言えば近いが、
血縁的に直接には、全く関係ない。
そのうちの半分ぐらいの人と、また、どなたかのお葬式の時に、次にお会いするぐらいだろう。


親族って、おもしろい。
日頃は、全然会わないけれど、こういう機会に顔を合わせる。
嫌で憂鬱だったが、同窓会みたいなもので、そんなに毛嫌いするほど悪くはないかも。
私も年を取ったということか。

90歳を超えるオバアサンだが、克明に生きてこられた足跡は刻まれている。
社会的に業績を残したわけでも、仕事をされていたわけでもない、
単なる専業主婦ではあるが、その一生は、素晴らしい。
人間には、無駄なんて、全くないのだと感慨に耽る。

生きておられる時は、ご家族の皆様(特に、お嫁さん)は、
鬱陶しいだろうなあ…と遠くから静観していたが、
いえいえ、なかなか立派なものだ。

Mオバアサンの実家関係の方々にお目にかかると、
突然、あのオバアサンがこの世に生まれたわけではないのが、よくわかる。
大勢の人々の生、苦労、努力が集結して、オバアサンは生まれ、子や孫やひ孫が生まれ、育った。

Mオバアサンに、しごかれたお嫁さん、そのお嫁さんの元でテキパキ働く若いお嫁さん。

日頃は少々の諍いがあっても、とても優れたご家族だ。
世の中に知れ渡る、輝かしい史実というものではないが、
暮らしに埋もれて、世間には見えないが、改めて、頭が下がるような思いがした。
穏やかな顔の御親戚たちや、4歳のひ孫の、あの屈託のない愛くるしい顔を見ていると、
このご一家は、堅実で謙虚な中にも、強い芯があると思った。
昨日や今日、即席で培われたものではない、長い歴史や血縁の流れを感じた。

Mオバアサン、改めて、ご冥福をお祈りします。


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