蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

前だけを見て疾走

2010-08-11 | 仕事
若い時は、おおいに勘違いすべし。
そうやって、自分の器を広げて、大きくしていくべし。

そう言っていたのは、勘違いの体現者、最たる人物。
とある、成り上がりの社長さん。
私が2年近く、仕事で担当していたお方。

彼は、前だけを見て疾走した。
大いなる野心を抱き、突っ走った。
根性は人一倍、努力も惜しまない。
ただ、手段がちょっと・・・と首をかしげたくなることも・・・。

新入社員をとてつもなく大量に採用した。
「1000人採って、3人、いいヤツがいたら、それでいい」
と彼は言い、落ちこぼれの不良崩れのような人をすくいあげた。

学歴は中卒、高校中退がほとんど。
なんらかの事情で、勉学が続行できない、学校に在籍することが困難になった生徒たちだ。
メンバーの顔触れは、ちょっと、すごい。
一癖も、二癖もありそうな面々ばかり。
事件に巻き込まれる可能性のある族も、ちらほら。

その彼らが、敗者復活をかけて戦う。
目標は、社長だ。
成功すれば、あんなに高級な車に乗れる、高い服が着れる、
高いお酒が飲める、いいところに住める、いいオンナがついてくる。
社長自らが、サクセス ストーリーの お手本、見本として、若い社員にハッパをかける。

頑張った者には、ご褒美。
それも、ハッキリ、わかりやすい。
ラスベガスに、豪華ギャンブル・ツアーご招待。
田舎から両親を呼んで、表彰式に招待し、目の前の晴々しい壇上で成果を称賛する。

夢を具体的にイメージしにくい、落ちこぼれの青年(少年)たちは、
目の前にぶら下げられたニンジンを見て、興奮する。
やる気、むんむん。

要は、モチベーション、やる気、動機。
それと、チャンス、きっかけ、受け皿、活躍場所。

それらを同時に提供し、目標を持たせて頑張らせる社長。
今、目を輝かせる若い社員に、若き日の社長を見出す。
自信喪失→失望→絶望→やる気消沈→自暴自棄
そこからの転換。ギアチェンジ。


しかしながら、キレイごとだけでは、すまないのがこの世の中。
ハッピーエンドで終われる人は、いったい何人いるのか?


草食系男子が増殖する昨今、
ニンジンの傾向や、ご褒美の質は、時代とともに変わる。
ハングリー精神を喚起するにも、ハングリー精神自体がなくなってきている。
さてさて、これからは、若者の目に映る魅力あるものとは、何か。


社長の時代は、終わった。
ほんのつい最近の出来事だったのに、時代の移り変わりは速い。


ま、そういうこともあるのが、人生。
いろんなお方がおられます。


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