夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ローン・サバイバー』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の21本目@梅田)

2014年04月04日 | 映画(ら行)
『ローン・サバイバー』(原題:Lone Survivor)
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ,テイラー・キッチュ,エミール・ハーシュ,ベン・フォスター,
   エリック・バナ,アリ・スリマン,アレクサンダー・ルドウィグ,ジェリー・フェレーラ他

ダンナが「今年最後かもしれない出張」から帰国、映画三昧だった10日間は終了。
その間にフリーパスポートで20本観たので心残りはありませんが、
帰国直後に3月の3連休、それなりに予定は入っているけれど、
ダンナがサッカー&卒業生送別会の日ならば、私は勝手に映画を観に行けそう。

連休初日の晩は、地下鉄御堂筋線中津駅近くのお店へ飲みに。
渋谷で映画を観たときに一緒にお食事したシニアソムリエが帰阪してオープン、
自然派ワインのみを飲ませてくれるお店です。
世の中にまだビオワインがこんなに周知されていなかった頃、
門戸厄神のお店でビオワインの楽しさを教えてくれたのがこの人でした。

かねてから「ちゃんぽんしたから悪酔いした」と言うのは
酔っぱらいの戯言だと思っています。
ちゃんぽんしたから悪酔いするのではなく、
ちゃんぽんすると、単に何をどれだけ飲んだかわからなくなり、
結果、飲む量が増えて酔っぱらいの度が過ぎるだけ。

そうは思っているのですが、ビオワインについては翌日あきらかに楽。
酸化防止剤等がゼロではなくとも、極力控えた自然派ワインは、
そういった添加物をじゃかじゃか使ったワインより優しいのかも。
この晩、かなりの量を飲み、帰宅も日付がとうに変わってからだったのに、翌朝ツラくない。
これなら朝から映画を観に行けそう。ただ、ものすごい寝不足。
最近レッドブルの効き目が薄れているので、ここはモンスターエナジーをグイッと飲んで。

“ネイビーシールズ”史上最悪の結果に終わった“レッドウィング作戦”。
この作戦から唯一生還したマーカス・ラトレルの体験記『アフガン、たった一人の生還』に基づく。

2005年6月、米海軍特殊部隊“ネイビーシールズ”は、
アフガニスタン山岳地帯に潜伏するタリバン幹部アフマド・シャーを狙撃することに。
本部に待機する指揮官エリック(エリック・バナ)の指示により、
マイケル(テイラー・キッチュ)をリーダーに、マーカス(マーク・ウォールバーグ)、
ダニー(エミール・ハーシュ)、アクス(ベン・フォスター)の4名が、
現地付近に降下して偵察活動を開始する。

やがてタリバンの秘密基地を発見、シャーの存在も確認する。
あとは本部と連絡を取って狙撃を決行するのみだったが、
山中では無線の状態が悪く、なかなか連絡が取れない。
そうこうしているうちに、山羊飼いの男たちがやってきて、
隠れていたマーカスの足につまずいてしまう。

山羊飼いたちを拘束したものの、中には少年もいる。
彼らを解放すれば、即座にタリバンに通報され、自分たちは包囲されるだろう。
だからと言って非戦闘員を、しかも子どもを殺すことが許されるのか。
そんなことは断じてあってはならないと主張するマーカス、
いや、自分たちの身を守るためには殺すしかないと反論するアクス。
激論の末、マイケルは彼らを解放すると決断するのだが……。

案の定、解放後まもなくしてマーカスらはタリバンに見つけられ、
数百人から狙われることになります。
応戦したところで勝負は目に見えていて、逃げるしかありません。
その凄まじい様子に、『オーガストウォーズ』の台詞が頭をよぎります。
「あなたたち、お給料はいったいいくらなの」と。

さて、ここからネタバレです。

なぜマーカスはたったひとり生き残ることができたのか。
その理由を最初に明かすこともできたでしょうが、本作では最後の最後に明かされます。
それゆえ、私たちも最後までなりゆきがわからず、絞られるような緊迫感。

アフガニスタンに暮らすパシュトゥーン人の掟“パシュトゥーンワーリ”を初めて知りました。
2000年にわたって守りつづけてこられた彼らの掟。
「誰かが助けを求めて逃げ込んできた場合、それがいかなる者であろうとも、
救いの手を差し伸べ、客人として守り抜かなければならない」。
たとえ、みずからの命を犠牲にすることになるとしても。

テロリストを匿う者はテロリストの仲間だとしてタリバン政権を攻撃したブッシュ大統領
そのタリバン政権の多数を占めるパシュトゥーン人の掟によって救われたマーカス。
アフガニスタン山中でタリバンと戦うパシュトゥーン人たちを思い、やるせなさでいっぱいです。

彼らに平和を。

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