『8月の家族たち』(原題:August: Osage County)
監督:ジョン・ウェルズ
出演:メリル・ストリープ,ジュリア・ロバーツ,ユアン・マクレガー,クリス・クーパー,
アビゲイル・ブレスリン,ジュリエット・ルイス,ジュリアンヌ・ニコルソン他
この日も甲子園へデーゲームを観にいく予定。その前に1本。
TOHOシネマズの呪縛(?)から逃れ、どこの劇場で観るのもアリだとなると、
何を観ればいいのか迷ってしまうものですねぇ。
迷いながら、金券ショップが開店するのを待って前売り券をゲット、大阪ステーションシティシネマへ。
メンバー料金1,600円、前売り券1,500円であまりお得感はないけれど。
デビュー作の『カンパニー・メン』(2010)が高い評価を受けたジョン・ウェルズ監督。
そのデビュー作はオトコくさい豪華キャストでしたが、
今回はオンナが凄い豪華キャストながら、間にいる男どもがまたシブイ。
原題は“August: Osage County”で、
舞台となっている米国オクラホマ州の北部に位置する「オーセージ郡の8月」です。
オーセージ郡はネイティブアメリカンの居留地の中にあるそうな。
オクラホマ州出身の劇作家トレイシー・レッツによる同名戯曲が原作。
8月のある暑い日、父親ベバリー(サム・シェパード)が失踪したとの知らせ。
動揺する母親バイオレット(メリル・ストリープ)の様子を見に、
娘たちとバイオレットの妹夫婦(クリス・クーパー&マーゴ・マーティンデイル)が集まる。
娘のうち、唯一オーセージ郡に残る次女アイビー(ジュリアンヌ・ニコルソン)がいち早く駆けつけるが、
バイオレットが頼りにしているのは長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)だけのよう。
そのバーバラは、夫ビル(ユアン・マクレガー)と娘ジーン(アビゲイル・ブレスリン)とともにやってくる。
数日後、ベバリーの遺体が自殺とおぼしき形で発見され、葬儀が執りおこなわれる。
三女カレン(ジュリエット・ルイス)はド派手な車に大音量の音楽でけたたましく登場。
車の持ち主は彼女の婚約者だという怪しげな中年男スティーブ(ダーモット・マローニー)。
葬儀の後、皆そろって実家で食事をすることに。
寝坊して葬儀に欠席した妹夫婦の息子リトル・チャールズ(ベネディクト・カンバーバッチ)も顔を見せる。
癌を患って闘病中ながら、あいかわらずの毒舌ぶりを発揮するバイオレット。
いちいち嫌みな母親の物言いに、ついにバーバラがキレる。
悲しみに暮れるも穏やかなはずの晩餐の席に気まずい空気が流れはじめ……。
戯曲が原作と聞いて納得、飛び交う台詞の妙を楽しむ作品です。
楽しむと言っても、登場人物は人生うまく行っていない人ばかり。
爽快なわけもなく、ただただ演技の上手さに感心します。
ちょうど読んだばかりの伊坂幸太郎の『SOSの猿』では、
子どものことは何でもわかっていると断言する親は実はわかっていないことばかり、
なんてシーンがあったのですが、
本作のバイオレットは、身内の状況を非常によくわかっています。
あの夫婦は上手く行っていないとか、あの子と誰それがデキているとか。
それをいま言うか?てなときに言い放つものですから、家族は大変。
そんななか、クリス・クーパー演じる妹夫婦の夫がとてもいい。
罵倒されてばかりの息子リトル・チャールズに向かって、
「おまえにがっかりさせられたことなんて一度もない」というシーン、
そして彼が何もかも知っていたとわかるシーンでは器の大きさを感じます。
リトル・チャールズ役のこんな駄目駄目カンバーバッチも面白い。
『SOSの猿』には、「子どものことがわからない、でもわかりたい」、
そんなスタンスでいいのではという一文がありました。
バイオレットの場合は、「わかりたくない、でもわかってしまう」。
そんな彼女の気持ちを考えると、なんとも言えず。
脱ぐことなくスターダムにのぼりつめた数少ない女優、
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの演技を観るだけでも価値のある1本。
ブラピと噂されていたころの彼女は何処へ、
ジュリエット・ルイスのおでこの皺が映るたび、
自分の年齢もまざまざと見せつけられるようでツラかったけれども、
甲子園へ行けば5点差をひっくり返しての逆転勝利。
デコの皺も忘れたのでした。
監督:ジョン・ウェルズ
出演:メリル・ストリープ,ジュリア・ロバーツ,ユアン・マクレガー,クリス・クーパー,
アビゲイル・ブレスリン,ジュリエット・ルイス,ジュリアンヌ・ニコルソン他
この日も甲子園へデーゲームを観にいく予定。その前に1本。
TOHOシネマズの呪縛(?)から逃れ、どこの劇場で観るのもアリだとなると、
何を観ればいいのか迷ってしまうものですねぇ。
迷いながら、金券ショップが開店するのを待って前売り券をゲット、大阪ステーションシティシネマへ。
メンバー料金1,600円、前売り券1,500円であまりお得感はないけれど。
デビュー作の『カンパニー・メン』(2010)が高い評価を受けたジョン・ウェルズ監督。
そのデビュー作はオトコくさい豪華キャストでしたが、
今回はオンナが凄い豪華キャストながら、間にいる男どもがまたシブイ。
原題は“August: Osage County”で、
舞台となっている米国オクラホマ州の北部に位置する「オーセージ郡の8月」です。
オーセージ郡はネイティブアメリカンの居留地の中にあるそうな。
オクラホマ州出身の劇作家トレイシー・レッツによる同名戯曲が原作。
8月のある暑い日、父親ベバリー(サム・シェパード)が失踪したとの知らせ。
動揺する母親バイオレット(メリル・ストリープ)の様子を見に、
娘たちとバイオレットの妹夫婦(クリス・クーパー&マーゴ・マーティンデイル)が集まる。
娘のうち、唯一オーセージ郡に残る次女アイビー(ジュリアンヌ・ニコルソン)がいち早く駆けつけるが、
バイオレットが頼りにしているのは長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)だけのよう。
そのバーバラは、夫ビル(ユアン・マクレガー)と娘ジーン(アビゲイル・ブレスリン)とともにやってくる。
数日後、ベバリーの遺体が自殺とおぼしき形で発見され、葬儀が執りおこなわれる。
三女カレン(ジュリエット・ルイス)はド派手な車に大音量の音楽でけたたましく登場。
車の持ち主は彼女の婚約者だという怪しげな中年男スティーブ(ダーモット・マローニー)。
葬儀の後、皆そろって実家で食事をすることに。
寝坊して葬儀に欠席した妹夫婦の息子リトル・チャールズ(ベネディクト・カンバーバッチ)も顔を見せる。
癌を患って闘病中ながら、あいかわらずの毒舌ぶりを発揮するバイオレット。
いちいち嫌みな母親の物言いに、ついにバーバラがキレる。
悲しみに暮れるも穏やかなはずの晩餐の席に気まずい空気が流れはじめ……。
戯曲が原作と聞いて納得、飛び交う台詞の妙を楽しむ作品です。
楽しむと言っても、登場人物は人生うまく行っていない人ばかり。
爽快なわけもなく、ただただ演技の上手さに感心します。
ちょうど読んだばかりの伊坂幸太郎の『SOSの猿』では、
子どものことは何でもわかっていると断言する親は実はわかっていないことばかり、
なんてシーンがあったのですが、
本作のバイオレットは、身内の状況を非常によくわかっています。
あの夫婦は上手く行っていないとか、あの子と誰それがデキているとか。
それをいま言うか?てなときに言い放つものですから、家族は大変。
そんななか、クリス・クーパー演じる妹夫婦の夫がとてもいい。
罵倒されてばかりの息子リトル・チャールズに向かって、
「おまえにがっかりさせられたことなんて一度もない」というシーン、
そして彼が何もかも知っていたとわかるシーンでは器の大きさを感じます。
リトル・チャールズ役のこんな駄目駄目カンバーバッチも面白い。
『SOSの猿』には、「子どものことがわからない、でもわかりたい」、
そんなスタンスでいいのではという一文がありました。
バイオレットの場合は、「わかりたくない、でもわかってしまう」。
そんな彼女の気持ちを考えると、なんとも言えず。
脱ぐことなくスターダムにのぼりつめた数少ない女優、
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの演技を観るだけでも価値のある1本。
ブラピと噂されていたころの彼女は何処へ、
ジュリエット・ルイスのおでこの皺が映るたび、
自分の年齢もまざまざと見せつけられるようでツラかったけれども、
甲子園へ行けば5点差をひっくり返しての逆転勝利。
デコの皺も忘れたのでした。