『さとにきたらええやん』
監督:重江良樹
数カ月前に観逃した本作がアンコール上映されるとのこと。
今回は絶対に観逃すまいと、十三の第七藝術劇場へ。
どこの土地でもそうであるように、一口に大阪といってもいろいろあります。
別にお高くとまっているわけではありませんが、
北摂に住んでいる、しかも阪急沿線やでというのは、
ちょっとエラそうに聞こえるかもしれないし、実際自慢かも(笑)。
そんな北摂在住者は西成と聞けば「へ~、そうなん」。
上から目線になっている感は否めません。
トヨエツが大阪出身と聞けば、親近感が湧くとともに、で、どこ?
え?西成?う~ん、ちょっとなぁ。そんな感じ。
大阪人であってもカルチャーショックを受けずにはいられない、
大阪市西成区釜ヶ崎。日雇い労働者が集まる街。
ここで38年にわたって活動を続ける“こどもの里”、通称“里(さと)”。
釜ヶ崎の子どもたちに健全で自由な遊び場を提供したいとの思いから
1977(昭和52)年に釜ヶ崎の中心にある萩之茶屋に設立された施設。
本作は里の子どもたちや職員たちに密着したドキュメンタリー。
誰でも利用できます。利用料は要りません。土日祝も開いてます。
生活相談、教育相談、なんでも聞きます受け付けます。
子どものみならず、お父さんお母さんの休息の場であり学習の場。
多くの子どものなか、本作で特にその姿を追いかけられているのは、
5歳のマサキくん、中学生のジョウくん、高校生のマユミちゃん。
発達障害を持つマサキくんに手を上げてしまうからと、母親が預けに。
母親自身が、育った環境による苦しみを抱えており、
里の職員たちが彼女の支えとなっています。
見た目は健常児のジョウくんは、知的障害があると言われたことを理解していて、
そのことに強いコンプレックスを抱いています。
学校の交友関係に悩んでいらだち、弟妹に暴力を振るってしまうことも。
小学生のときからずっと里の住人であるマユミちゃん。
ギャンブルなどに依存する母親とは一緒に暮らせません。
里にいるおかげで料理や洗濯等、家事ひと通り、ばっちりこなせます。
高校卒業後は老人ホームへの就職が決まったばかり。
マユミちゃんの母親を見ていると、どうよこの親と思います。
里がマユミちゃんのために作った通帳なのに、母親はそれを無心する。
そんな母親が娘に望むのは、「人の心の痛みがわかる子になってほしい」。
どの口が言うと私などは思ってしまうのですが、
マユミちゃんはたまに帰ったときにお母さんが料理を作ってくれるのが嬉しいと言う。
あんなに料理上手のマユミちゃんなのに、「そら作ってもらうほうが美味しいやろ」。
“デメキン”の愛称で皆から慕われる、施設長の荘保共子さんをはじめ、
スタッフの皆さんには頭の下がる思いです。
この思いは、『みんなの学校』(2014)を観たときと一緒。
最初のシーンでは補助輪を取った自転車でヨレヨレ、
ほとんど脚を地に着けて漕いでいる状態だったマサキくん。
最後の快走シーンにニッコリしてしまう良作でした。
ココロとフトコロ、寒いときこそ胸を張れ。
監督:重江良樹
数カ月前に観逃した本作がアンコール上映されるとのこと。
今回は絶対に観逃すまいと、十三の第七藝術劇場へ。
どこの土地でもそうであるように、一口に大阪といってもいろいろあります。
別にお高くとまっているわけではありませんが、
北摂に住んでいる、しかも阪急沿線やでというのは、
ちょっとエラそうに聞こえるかもしれないし、実際自慢かも(笑)。
そんな北摂在住者は西成と聞けば「へ~、そうなん」。
上から目線になっている感は否めません。
トヨエツが大阪出身と聞けば、親近感が湧くとともに、で、どこ?
え?西成?う~ん、ちょっとなぁ。そんな感じ。
大阪人であってもカルチャーショックを受けずにはいられない、
大阪市西成区釜ヶ崎。日雇い労働者が集まる街。
ここで38年にわたって活動を続ける“こどもの里”、通称“里(さと)”。
釜ヶ崎の子どもたちに健全で自由な遊び場を提供したいとの思いから
1977(昭和52)年に釜ヶ崎の中心にある萩之茶屋に設立された施設。
本作は里の子どもたちや職員たちに密着したドキュメンタリー。
誰でも利用できます。利用料は要りません。土日祝も開いてます。
生活相談、教育相談、なんでも聞きます受け付けます。
子どものみならず、お父さんお母さんの休息の場であり学習の場。
多くの子どものなか、本作で特にその姿を追いかけられているのは、
5歳のマサキくん、中学生のジョウくん、高校生のマユミちゃん。
発達障害を持つマサキくんに手を上げてしまうからと、母親が預けに。
母親自身が、育った環境による苦しみを抱えており、
里の職員たちが彼女の支えとなっています。
見た目は健常児のジョウくんは、知的障害があると言われたことを理解していて、
そのことに強いコンプレックスを抱いています。
学校の交友関係に悩んでいらだち、弟妹に暴力を振るってしまうことも。
小学生のときからずっと里の住人であるマユミちゃん。
ギャンブルなどに依存する母親とは一緒に暮らせません。
里にいるおかげで料理や洗濯等、家事ひと通り、ばっちりこなせます。
高校卒業後は老人ホームへの就職が決まったばかり。
マユミちゃんの母親を見ていると、どうよこの親と思います。
里がマユミちゃんのために作った通帳なのに、母親はそれを無心する。
そんな母親が娘に望むのは、「人の心の痛みがわかる子になってほしい」。
どの口が言うと私などは思ってしまうのですが、
マユミちゃんはたまに帰ったときにお母さんが料理を作ってくれるのが嬉しいと言う。
あんなに料理上手のマユミちゃんなのに、「そら作ってもらうほうが美味しいやろ」。
“デメキン”の愛称で皆から慕われる、施設長の荘保共子さんをはじめ、
スタッフの皆さんには頭の下がる思いです。
この思いは、『みんなの学校』(2014)を観たときと一緒。
最初のシーンでは補助輪を取った自転車でヨレヨレ、
ほとんど脚を地に着けて漕いでいる状態だったマサキくん。
最後の快走シーンにニッコリしてしまう良作でした。
ココロとフトコロ、寒いときこそ胸を張れ。