夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『インフェルノ』

2016年11月08日 | 映画(あ行)
『インフェルノ』(原題:Inferno)
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス,フェリシティ・ジョーンズ,イルファン・カーン,
   オマール・シー,ベン・フォスター,シセ・バベット・クヌッセン他

前述の『PK』の余韻に浸りながら、TOHOシネマズ梅田別館アネックスへ移動。

宗教象徴学者ロバート・ラングドンの活躍を描く、
ダン・ブラウンのベストセラーシリーズ第3弾。
前2作の『ダ・ヴィンチ・コード』(2006)、『天使と悪魔』(2009)と同じく、
監督はロン・ハワード
けっこう本は読んでいるはずなのに、前2作は原作未読。
いまさら本作の原作だけ読むのもなんだかなぁと思い、これも未読で突入。

いつのまにか意識を失ったロバート・ラングドンが目覚めたのは、
イタリア・フィレンツェにある病室の一室。
担当の女医シエナ・ブルックスによれば、ラングドンは2日間眠っていたとのこと。
その間の記憶がほとんどなく、自分がなぜ怪我をしているのかもわからない。

やがて受付から連絡があり、地元警察が事情聴取に来たと言う。
ところが警官のはずの女性がいきなり発砲。
シエナはラングドンに肩を貸して病院から脱出、なんとか彼女のアパートへ。

ラングドンの服のポケットにはペンライト状の小型プロジェクターが入っていた。
映し出されたのは、ダンテの新曲『地獄篇』を模したボッティチェリの「地獄の見取り図」。
ボッティチェリのオリジナル図にはないはずの文字が記されているのをラングドンが発見。
それについて追究するうち、ダンテのデスマスクの持ち主ゾブリストに辿り着く。

ゾブリストは大富豪の生化学者で、すでに投身自殺していた。
彼の主張は、人口爆発を防ぐためには一旦人類を滅亡させるしかないというもの。
数日間で人類を滅亡させるほどの威力を持つウィルスを生成し、
自殺間際にどこかに隠したらしい。その隠し場所の唯一の手がかりがデスマスク。

ラングドンとシエナはデスマスクを収蔵するミュージアムを訪れるが、
デスマスクは盗難に遭っていた。
しかも防犯ビデオを見てみると、そこにはラングドン自身が盗む姿が映っていて……。

以下、ネタバレを含みます。

警官もどきは警備会社の社員で、ゾブリストはそこの顧客。
顧客を守るためならば殺しも辞さない警備会社です。
まずラングドンとシエナを追うのがこの警備会社。
そして、ウィルスの拡散を止めるためにふたりを追うのが世界保健機関(WHO)。
WHOの中には、ウィルスをこっそり横流しして儲けようと企む者もいるし、
盗みを働いたことになってしまったせいで、地元警察もラングドンを追います。
アクションものとしてはそこそこスリルがあって面白い。

しかし謎解きの面ではどうだか。
ラングドンの知識は前2作同様発揮されるものの、なんだかイマイチ。
娯楽性に富んでいることは認めます。
だけど、これってつまりは単なるテロリストの話でしょ。
ゾブリストの協力者は誰だったのかが明かされても全然ビックリしない。
あっ、やっぱりそうだったのてな感じで。
いい味を出していた警備会社の社長役イルファン・カーンがあんな殺され方なんて(泣)。

本作で私がいちばんグッと来たのは、老いらくの恋の話。
「大切にしないと、恋は散る」。

しかしトム・ハンクスは相変わらずやりますね。
『ハドソン川の奇跡』の次がこれだなんて。
本作のポスターを見た人が「今度は普通の年の人してる」と言っていたのに笑いました。

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