夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『古都』

2016年12月13日 | 映画(か行)
『古都』
監督:Yuki Saito
出演:松雪泰子,橋本愛,成海璃子,蒼れいな,蒼あんな,
   葉山奨之,栗塚旭,迫田孝也,伊原剛志,奥田瑛二他

先週の木曜日の晩は従姉から声をかけてもらい、島之内教会へ落語を聴きに。
ちょうどダンナが遅くなる予定の日だったので、これ以上にないタイミング。
翌日の金曜日、急にまたまたダンナに飲み会の予定が入り、
もう一度落語を聴きに行くことも考えましたが、
連日仕事帰りに東心斎橋まで行くのもちょっとしんどい。
おとなしく(?)職場からもっとも近い劇場で1本だけ観て帰ることに。

109シネマズ大阪エキスポシティで18:05から上映だった本作。
オンライン予約はせずに、劇場に着いてからチケット購入。
チケット購入画面を見ると、18:00の時点でほかに客はいない模様。
もしかして久々の“おひとりさま”かしらん。
シネコンでの“おひとりさま”はほぼ1年ぶり、そのときもこの劇場でした。
私ひとりのためにフィルムが回っているなんて、贅沢すぎる(笑)。

原作は川端康成の不朽の名作といわれています。
過去にも映画化されており、1963年には中村登監督、岩下志麻主演で。
1980年には市川崑監督、山口百恵主演で。
どれも観ていないので、本作との比較はできません。

京都・室町に先祖代々つづく呉服店を継いで20年になる佐田千重子(松雪泰子)。
夫・竜助(伊原剛志)も由緒ある呉服店の息子でありながら、
千重子の父・太吉郎(奥田瑛二)の仕事に惹かれて婿養子に入ってくれた。
就活中の一人娘・舞(橋本愛)にいずれ継がせるつもりだが、
近隣の店が次々と廃業してゆくなか、どのようにこの店を存続させるべきか。

千重子には生き別れた双子の妹・中田苗子(松雪泰子の一人二役)がいる。
北山杉の里で林業を営む苗子の一人娘・結衣(成海璃子)は、絵画を学ぶためにパリへ留学中。
誰よりも絵が上手く、里の皆の期待を一身に背負ってパリへ飛んだはずが、
しょせん井の中の蛙だったのか、自らの才能に疑問を抱きはじめている。

生き別れになった双子の姉妹が、それぞれに年頃の娘を持つ母となる。
娘のためにと思う母の気持ちが、娘にとっては時として鬱陶しい。
母娘の関係に悩み、これまで娘には伏せてきた姉妹のことを話す母。

学生時代に京都へかよった身なので、その街並みを見ているだけでも楽しいです。
ただまぁ、心に染みいるかと言われるとインパクトが弱く、
景色や着物などを見て楽しむ作品になってしまっているかなぁ。

Yuki Saito監督はハリウッドで映画制作を学んだとのこと。
名前をローマ字表記にしていることからもわかるとおり、
ターゲットは日本人よりも外国人なのかもしれません。
書道や日本舞踊のシーンも満載なので、日本の文化を知ってもらうにはいいと思います。

それよりも何よりも、“おひとりさま”を堪能できたのがいちばん。
ド真ん中の席に靴を脱いでエラそうに座っていただけではありません。
エンドロールが回っている間は「ひとりカラオケ」状態に(笑)。
どういうことかというと、エンディング曲は新山詩織が歌う中島みゆきの“糸”のカバー。
この曲、ちょっと前までほとんど知らなかったのですが、
先月3度出席した結婚披露宴のうち、2度使われていた曲。
歌詞もメロディーもすごく覚えやすくて、この日のエンディングでは思いっきり歌っちゃいました。
だってほかに人おらんし。あ~、楽しかった!

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