夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ミスター・ガラス』

2019年02月10日 | 映画(ま行)
『ミスター・ガラス』(原題:Glass)
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカヴォイ,ブルース・ウィリス,アニャ・テイラー=ジョイ,サラ・ポールソン,
   スペンサー・トリート・クラーク,シャーレイン・ウッダード,サミュエル・L・ジャクソン他

いくらダンナが出張中で終業後に遊び呆けられるといっても、
さすがに毎日お酒を飲む or 映画を2本というのはツライ。
ええ加減まっすぐ帰ろうと思いつつも、この日はレディースデー。
映画を観ないのはもったいないなぁとTOHOシネマズ伊丹へ。

前週から安い日に観ようと目論んでいた本作。
なんだかんだ言ってもM・ナイト・シャマラン監督の作品は外せません。

『アンブレイカブル』(2000)と『スプリット』(2017)の続編とのこと。
後者は一昨年の話だからまだいいとして、
20年近く前の映画のことなんて、一度観たきりで覚えているわけがない。
『スプリット』のエンディングでブルース・ウィリスが登場したときも、
いったいなんのこっちゃ全然わかりませんでしたからね。

復習もせずに観に行ったから、いろいろとわからない。
しかし、わからないなりにも面白い。
自作にちょっとした役で出演するお遊びでも有名なシャマラン監督、
本作では買い物客として最初のほうに出演していました。

デヴィッド(ブルース・ウィリス)はセキュリティ機材の販売店を経営。
息子ジョセフの協力を得て、ひそかに犯罪者を取り締まる活動を続けている。
自身の特殊能力を駆使して人びとを守る姿から、
いつしかデヴィッドは「監視者」と呼ばれて崇められるように。

ジョセフから、ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)という多重人格者
複数の女子高生をどこかに監禁していると聞いたデヴィッドは、
さっそく付近を捜索し、ケヴィンの潜伏している倉庫を発見。
女子高生をなんとか逃がすことに成功したものの、
ケヴィンの人格のひとつであるビーストと対決している途中に警察に取り囲まれ、
両者は身柄を拘束されて精神病院へと搬送されてしまう。

同じ病院に入院させられていたのが、イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)。
彼はかつて列車事故を仕組み、その事故の唯一の生存者がデヴィッドだった。
大量殺人を犯したイライジャをデヴィッドは激しく憎み、いわば仇敵。

こんな3人の前に現れた女性精神科医エリーは、
この世に特殊能力を持つスーパーヒーローなど存在しないと断定。
3人を単なる妄想癖のある精神病患者として治療すると言う。
エリーの話を聞くうち、デヴィッドとケヴィンは自身の特殊能力を疑いはじめるのだが……。

ツッコミどころは満載です。
正義の味方ではあるけれど怪力のデヴィッドと、
ビーストの人格が現れた場合には人間を食いちぎってしまうケヴィンと、
力はなくとも優れた知性を持つイライジャと。
そんな3人を入院させる施設がこんなセキュリティでええんかいなと失笑。

それでも私は楽しかった。
最初は、応援したくなるのはデヴィッドのみ。
サラ・ポールソン演じるエリーがとにかく傲慢で嫌なオバハン。
こいつもやられてしまえと思ってしまうほど(笑)。

イライジャの意図がわかるラストではちょっぴり泣きそうになりました。
好きで自らに備わったわけではない特殊能力。
それを真っ向から否定され、ただの馬鹿な思い込みで病気だと言われる。
スーパーヒーローとは言わずとも、こんな目に遭った人はいるはず。
人と違うのは駄目なことだと思わされて育ったら。
その才能をいい方向に伸ばせる人と出会えればいいのにと思わずにはいられません。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする