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『世界一と言われた映画館』

2019年04月14日 | 映画(さ行)
『世界一と言われた映画館』
監督:佐藤広一
ナレーション:大杉漣
 
7年前に『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』を読みました。
このブログの大半は映画のことを書いていますが、
あまりに面白い本を読んだときはそれも書きたくなります。
今は読書管理ツールを使用しているので、本の単独ネタをUPすることもなくなりましたけれど、
7年前はそんなツールもなかったか、いや、あったけど知らなかったか、
とにかくわりとはりきって書いたおぼえがあります。レビューはこちら
 
その本の映画化というわけではありません。
でも「世界一の映画館」は同じ映画館を指しています。
これは観に行かなくてはならんでしょう。
こんな作品を上映してくれるのは、やっぱり十三・第七藝術劇場。
 
山形県酒田市にあった映画館“グリーン・ハウス”。
昭和51(1976)年の酒田大火の火元となった映画館でもあります。
詳細は上記レビューUPしたページをご覧くださいませ。
 
本を読んだときにある程度の状況は思い浮かべることができたとはいえ、
実際の映像で火事の模様を見て衝撃を受けました。
たった1軒の映画館から火が出て、22.5ヘクタールも焼き尽くすなんて。
約1,800の家や建物が焼失し、負傷者多数、死者も1名。
 
当時の様子について、喫茶店“ケルン”の名物バーテンダーが語ります。
風の強い日だったそうで、ケルンの前の大木が倒れそうになるほどだったとか。
その日でなければ、こんなに被害は広がらなかったでしょうに。
 
まだ新人だった消防士の話に、『オンリー・ザ・ブレイブ』(2017)を思い出します。
火に勝負を挑んでいる彼らは、火に負けるはずがないとも思っている。
なのに退却しなければならないと悟った瞬間の悔しさ。
 
本ではどちらかといえば映画館の話よりもフランス料理店の話のほうが面白く、
レストランのことはあまり描かれていないのは残念か。
映画なんですから、レストランよりも映画館の話が主で当然ですね(笑)。
 
酒田市のことを少し知ることができたような気分になっています。
ナレーションは大杉漣。彼の声も聴けて嬉しくなりました。

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