夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『僕たちのラストステージ』

2019年04月30日 | 映画(は行)
『僕たちのラストステージ』(原題:Stan & Ollie)
監督:ジョン・S・ベアード
出演:スティーヴ・クーガン,ジョン・C・ライリー,ニナ・アリアンダ,
   シャーリー・ヘンダーソン,ダニー・ヒューストン,ルーファス・ジョーンズ他
 
なんばパークスシネマで3本ハシゴの3本目。
この日のハシゴは、『えいがのおそ松くん』『シャザム!』→本作。
3本とも全然ちがう楽しさで、それぞれホロリ。
これがいちばん普通によかったかな。
 
チャップリンと同じ時代に活躍したお笑いコンビ“ローレル&ハーディ”。
私は初めて聞く名前で、本作を観なければきっと一生知らないままでした。
 
サイレントからトーキーの時代、1930年代前後から1940年にかけて、
アメリカで人気者だったコメディアンコンビ“ローレル&ハーディ”、
スタン・ローレルとオリバー・ハーディ。
主演映画も大ヒットしたわりには金がない。
プロデューサーのハルにギャラについて交渉しようと独立をにおわすが失敗。
 
15年以上が経過した1953年。
ふたりはまだ現役で舞台に立っていたが、世間ではとっくに過去の人。
落ち目であることを認めたくなく、イギリス巡業へと旅立つが、
用意されたホテルは二流もいいところ。
しかも小さなホールにもかかわらず客席はガラガラ。
 
それでもめげずに舞台に立ち続けるうち、ついに客席は満席に。
プロデューサーのデルフォントがやっとふたりの力を認め、ロンドン公演を決定。
それを機に、アメリカに残してきたお互いの妻、イーダとルシールを呼び寄せる。
万事うまく行きはじめたように思えたのだが……。

人気の絶頂から転げ落ちて、それでもあきらめずに舞台に立つ。
新人芸人並にハードな地方巡業をおこなっていたそうです。
日本の芸人でも一旦当たって人気者となってたちまち落ち目に、
そして今は地方巡業という人も多いようですが、
たとえ一発屋でもプライドと闘わねばならないでしょう。
“ローレル&ハーディ”は長年人気者でしたから、より大変だったかと。
 
こんなの売れなくて当たり前やんと言いたくなることがほとんど。
映画の中に出てくるコントで笑ったのは初めてです。
大笑いではないけれど、クスッと。可笑しくて愛おしいコントです。
 
こんなオッサンふたりがベッドの上で並んで手をつないでいるシーンなんて、
想像するとキショイのに、泣いてしまった。
 
米團治を襲名するはずだった桂吉朝さんが
癌の末期状態で最期に上がった高座のことなども思い出すからさらに涙。
 
ふたりが出演する無声映画、観てみようと思います。
そうそう、このデブメイクは秀逸。

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