『マイ・ブックショップ』(原題:The Bookshop)
監督:イザベル・コイシェ
出演:エミリー・モーティマー,ビル・ナイ,パトリシア・クラークソン,ハンター・トレメイン,
ジェームズ・ランス,フランシス・バーバー,レッグ・ウィルソン他
ナレーション:ジュリー・クリスティ
十三で1本、梅田で3本、計4本ハシゴしたこの日。
本命はシネ・リーブル梅田で4本目に観た本作でした。
原作はブッカー賞受賞作家ペネロピ・フィッツジェラルドの『ブックショップ』。
監督は『死ぬまでにしたい10のこと』(2003)、『あなたになら言える秘密のこと』(2005)、
『しあわせへのまわり道』(2014)のイザベル・コイシェ。
1959年、イギリスの海岸沿いにある小さな町。
戦争で夫を亡くしたフローレンスは、この町に書店を開くことを決意する。
夫との夢が、1軒も書店のないこの町に書店を開くことだったから。
7年のあいだ空き家だったオールドハウスを買い取り、
着々と書店オープンの準備を進めていたところ、思わぬ横やりが入る。
保守的な町では新しいものを嫌う人も多く、地元の有力者ガマート夫人がその筆頭。
ガマート夫人は、自分もオールドハウスを買うつもりであったと言い、
すでに住居としても使用しているフローレンスに引越しを強要する。
フローレンスが断ると、以来、ガマート夫人の執拗な嫌がらせが。
それでもなんとかオープンにこぎつけたフローレンス。
応援してくれる人はごくわずかな中、
町外れの屋敷に40年ひきこもっている老紳士ブランディッシュから
フローレンスお薦めの本を見繕って届けてほしいという連絡が。
こうしてフローレンスとブランディッシュのささやかな交流が始まるのだが……。
湿気の多い建物なんて、およそ書店には向かないと思うのですが、
そこはスルーするとして。(^^;。
フローレンスにエミリー・モーティマー。
『メリー・ポピンズ リターンズ』のジェーン伯母さんですね。
ブランディッシュにビル・ナイ。めちゃくちゃイイ。
意地悪で不愉快なこと極まりないガマート夫人にパトリシア・クラークソン。
ネタバレになりますけれども。
ブランディッシュの説得にガマート夫人が心を入れ替えてハッピーエンド、
なんてことには残念ながらなりません。
見かけだけの慈善家に結局は負けてしまうという、悲しいエンディング。
でも、書店を手伝っていたおしゃまな少女クリスティーンが
ちょっとした(ものすごい)仕返しをしてくれて胸のすく思い。
独裁者は自分の支配下にあると信じる人々が本を読むことを嫌う。
書店のある国は栄えるという言葉を思い出します。
人が考えるということを抑えつける国は発展しない。
ずっと心に残りそうな物語です。
本好きの人には絶対オススメ。