2021年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3162ページ
ナイス数:896ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
■あなたの隣にいる孤独 (文春文庫)
映画で出会う無戸籍の子どもといえば、ほぼ100%、ネグレクトに遭っている。本作の主人公はそうじゃなくてよかったとはいえ、私にはこの理由を受け入れることはできません。最後になるほどそういうことだったのかというドンデン返しを期待したけれどもそれもなく。血のつながりだけがすべてじゃないとは思います。でもこんなことしていいものか。魅力的な登場人物が多いだけに、なおさらのこと納得がいきません。私は『ぼくと、ぼくらの夏』辺りの樋口さんが好き。マンネリであろうと、がっつりワイズクラックな話し方の主人公のときがよかった。
読了日:01月02日 著者:樋口 有介
https://bookmeter.com/books/16896941
■能面検事 (光文社文庫)
検察は被疑者に罪を与える機関ではないということ、私もわかっていませんでした。能面検事こと不破さんの徹底して変わらぬ態度には恐れ入る。それはまさしく「清濁併せ呑む」はずなのに、そんな爽快感はないところも好き。ただ納得いくまで仕事をしているだけなんですよねぇ。関西出身ではない七里センセ、何もそこまで登場人物にコテコテの大阪弁を喋らさんでもええのにと思わんこともないけれど、まぁ正しい大阪弁なのが小憎たらしい。惣領さん、ちょっとウザい(笑)。彼女が不破さんを崇めてボディガードを務めるところが見たいと思うのは駄目?
読了日:01月04日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/17157724
■園児の血 (実業之日本社文庫)
生臭いイヤミスを予想したのが間違いでした。いったい何を読まされたのか。ひとつめの話には浣腸だけで最後までひっぱられる。あれですよ、指を肛門に突き立てるやつ。あまりにカンチョーしまくるから、読んでいるだけでお尻の穴から血が出そう。卑猥な空気が見え隠れして、ちょっと不愉快。表題作であるふたつめの話は『ボス・ベイビー』的。「画竜点睛を欠く」などとのたまう四歳児。チビたちのヤクザみたいな会話にたまにふく。しかしどちらの話の男子も大差なし。そんなことでしか女子の気を引けないキミたち、大人になってもモテへんて(笑)。
読了日:01月07日 著者:前田 司郎
https://bookmeter.com/books/16918340
■赤い砂 (文春文庫)
文庫書き下ろしって、つまりは単行本ではそんなに売れないだろうからいきなり文庫化するんでしょ。その割に面白いやんと思いつつ読了し、あとがきを読んでたまげました。17年も前に書かれたもので、当時はどこへ持ち込んでもフラれ、このコロナ禍、昔ウイルスの話を書いたことがあるとつい話したら食いつかれて直ちに出版に至ったのだと。コロナも悪いことばかりじゃないと不謹慎にも思う。解説を他の誰かに頼む暇もなかったのか、おかげで著者自身の興味深いあとがきを読めたわけで。ほぼ素人でこの書きっぷり、恐るべし。後はコロナ収束を祈る。
読了日:01月10日 著者:伊岡 瞬
https://bookmeter.com/books/16682993
■死んだレモン (創元推理文庫)
崖の途中で宙吊りって、『その女アレックス』の宙吊りの檻とどっちが恐ろしいやろかと震える。町の中心から外れた最果ての地で、明らかに怪しい三人兄弟の隣家に住むことになった主人公は車椅子、バツ1、元アル中。ひたすら暗いサスペンス劇になりそうなところ、彼の周囲に集まるのがユーモアに溢れた善人ばかりで救われます。謎解きではなくて三人兄弟が罪を犯した理由を追求する物語だと思ったら、あらら、やっぱりそれだけじゃなかったのか。自費出版の翻訳とは驚き。ついでに、双子の出生率はベナンが世界でトップクラスという豆知識も(笑)。
読了日:01月13日 著者:フィン・ベル
https://bookmeter.com/books/16029272
■夢探偵フロイト: -マッド・モラン連続死事件- (キャラブン!小学館文庫)
これまでに読んだシリーズに比べると、ヒロインは軽くてテキトーでアホっぽいし(失礼)、あんまり好きになれないかもしれないと冒頭では思いました。夢研究所の助手の座に単位目当てで納まった彼女が次第にこの仕事に没頭して行くにつれ、読んでいる私も引き込まれるように。他のシリーズより軽い分、笑える台詞も多い。だけど起きている事件は重いのが内藤さんらしい。私も何かに追われている夢を結構見ますが、間一髪のところで透明人間に変身する技を持っています。もしかすると明晰夢の達人になれるのではと思うのですが甘いでしょうか(笑)。
読了日:01月17日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/12633517
■夢探偵フロイト: -てるてる坊主殺人事件- (小学館文庫キャラブン!)
同じ作家の本は続けて読まないというマイルールを破って2作目。1作目の序盤はあかねのことがどうにも好きになれそうになかったのに、2作目で彼女に上から目線の社長令嬢にムカッ。こんな女は悪夢にずっとうなされていろ!と思ってしまいました。もうあかねに失敬な態度を取る奴は許せません。ヲタ森を除く(笑)。1作目よりも2作目の悪夢のほうが想像しやすいせいか、昨夜は神社の階段を見上げる夢を見ました。怖っ。同じ悪夢を見るのはやはり原因があるんだなぁ。私も自分が逃げる夢の原因を知りたい。間一髪で透明人間になれる理由も(笑)。
読了日:01月20日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/13183627
■まく子 (福音館文庫)
西加奈子に対する私の印象は「わかりやすい今村夏子」。そして西加奈子を読むとなぜかいつも、漫画家マルジャン・サトラピの映画『ペルセポリス』を思い出します。たぶんふたりともイラン生まれだというだけなのでしょうけれど(笑)。「まく子」は「何でも撒く子」でしたか。放火事件後の意外な人の登場にウルリ。そうそう、大人だって、パニックになって笑ってしまうことがあるんだよ。みんなきっと少しずつポーカーフェイスを覚えてゆくけれど、感情をそのまま顔に出したっていいときもある。「うっかり素直になれる」、そんな相手に出会いたい。
読了日:01月22日 著者:西 加奈子
https://bookmeter.com/books/13443700
■夢探偵フロイト: 邪神が売る殺意 (小学館文庫キャラブン!)
同じ作家の本は続けて読まないというマイルールを破って読んだ1作目と2作目。その後1冊だけ挟んで3作目。今年は内藤さんばっかりになったらどうしよう。3作目はこれまででいちばん嫌な感じ。前作までは「純粋な」悪夢だったけれど、悪意によって作られる悪夢はただ恐ろしいだけじゃない。しかもその悪意がとても理不尽なところから生じているから。ちょっと笑ったのは、顔写真だけ見て「人物そのものが幼稚、地に足がついていない印象」とあかねに思われる奴。いったいどんな顔やねん(笑)。あまりヒロインを危険な目に遭わせないでください。
読了日:01月27日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/14741219
■夢探偵フロイト アイスクリーム溺死事件 (小学館文庫キャラブン!)
またしてもマイルール「同じ作家は続けて読まない」を破って4作目。飲酒しながら読むせいなのか、前半の脳波がどうたらいう話、全然わからん。わからないと眠くなってしまいそうなところ、奇跡的に大丈夫。自分を殺しかけた相手のことまで心配して、なんだかんだで仲良くなるあかね、ええ子すぎ。1作目では嫌いだったのに(笑)。幼少期に植え付けられた罪悪感が大人になっても悪夢を見させる。私は代理ミュンハウゼン症候群を映画『ルイの9番目の人生』(2015)で知りました。これでシリーズ既刊読破。今から安心してマイルールを守れます。
読了日:01月29日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/16972852
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3162ページ
ナイス数:896ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
■あなたの隣にいる孤独 (文春文庫)
映画で出会う無戸籍の子どもといえば、ほぼ100%、ネグレクトに遭っている。本作の主人公はそうじゃなくてよかったとはいえ、私にはこの理由を受け入れることはできません。最後になるほどそういうことだったのかというドンデン返しを期待したけれどもそれもなく。血のつながりだけがすべてじゃないとは思います。でもこんなことしていいものか。魅力的な登場人物が多いだけに、なおさらのこと納得がいきません。私は『ぼくと、ぼくらの夏』辺りの樋口さんが好き。マンネリであろうと、がっつりワイズクラックな話し方の主人公のときがよかった。
読了日:01月02日 著者:樋口 有介
https://bookmeter.com/books/16896941
■能面検事 (光文社文庫)
検察は被疑者に罪を与える機関ではないということ、私もわかっていませんでした。能面検事こと不破さんの徹底して変わらぬ態度には恐れ入る。それはまさしく「清濁併せ呑む」はずなのに、そんな爽快感はないところも好き。ただ納得いくまで仕事をしているだけなんですよねぇ。関西出身ではない七里センセ、何もそこまで登場人物にコテコテの大阪弁を喋らさんでもええのにと思わんこともないけれど、まぁ正しい大阪弁なのが小憎たらしい。惣領さん、ちょっとウザい(笑)。彼女が不破さんを崇めてボディガードを務めるところが見たいと思うのは駄目?
読了日:01月04日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/17157724
■園児の血 (実業之日本社文庫)
生臭いイヤミスを予想したのが間違いでした。いったい何を読まされたのか。ひとつめの話には浣腸だけで最後までひっぱられる。あれですよ、指を肛門に突き立てるやつ。あまりにカンチョーしまくるから、読んでいるだけでお尻の穴から血が出そう。卑猥な空気が見え隠れして、ちょっと不愉快。表題作であるふたつめの話は『ボス・ベイビー』的。「画竜点睛を欠く」などとのたまう四歳児。チビたちのヤクザみたいな会話にたまにふく。しかしどちらの話の男子も大差なし。そんなことでしか女子の気を引けないキミたち、大人になってもモテへんて(笑)。
読了日:01月07日 著者:前田 司郎
https://bookmeter.com/books/16918340
■赤い砂 (文春文庫)
文庫書き下ろしって、つまりは単行本ではそんなに売れないだろうからいきなり文庫化するんでしょ。その割に面白いやんと思いつつ読了し、あとがきを読んでたまげました。17年も前に書かれたもので、当時はどこへ持ち込んでもフラれ、このコロナ禍、昔ウイルスの話を書いたことがあるとつい話したら食いつかれて直ちに出版に至ったのだと。コロナも悪いことばかりじゃないと不謹慎にも思う。解説を他の誰かに頼む暇もなかったのか、おかげで著者自身の興味深いあとがきを読めたわけで。ほぼ素人でこの書きっぷり、恐るべし。後はコロナ収束を祈る。
読了日:01月10日 著者:伊岡 瞬
https://bookmeter.com/books/16682993
■死んだレモン (創元推理文庫)
崖の途中で宙吊りって、『その女アレックス』の宙吊りの檻とどっちが恐ろしいやろかと震える。町の中心から外れた最果ての地で、明らかに怪しい三人兄弟の隣家に住むことになった主人公は車椅子、バツ1、元アル中。ひたすら暗いサスペンス劇になりそうなところ、彼の周囲に集まるのがユーモアに溢れた善人ばかりで救われます。謎解きではなくて三人兄弟が罪を犯した理由を追求する物語だと思ったら、あらら、やっぱりそれだけじゃなかったのか。自費出版の翻訳とは驚き。ついでに、双子の出生率はベナンが世界でトップクラスという豆知識も(笑)。
読了日:01月13日 著者:フィン・ベル
https://bookmeter.com/books/16029272
■夢探偵フロイト: -マッド・モラン連続死事件- (キャラブン!小学館文庫)
これまでに読んだシリーズに比べると、ヒロインは軽くてテキトーでアホっぽいし(失礼)、あんまり好きになれないかもしれないと冒頭では思いました。夢研究所の助手の座に単位目当てで納まった彼女が次第にこの仕事に没頭して行くにつれ、読んでいる私も引き込まれるように。他のシリーズより軽い分、笑える台詞も多い。だけど起きている事件は重いのが内藤さんらしい。私も何かに追われている夢を結構見ますが、間一髪のところで透明人間に変身する技を持っています。もしかすると明晰夢の達人になれるのではと思うのですが甘いでしょうか(笑)。
読了日:01月17日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/12633517
■夢探偵フロイト: -てるてる坊主殺人事件- (小学館文庫キャラブン!)
同じ作家の本は続けて読まないというマイルールを破って2作目。1作目の序盤はあかねのことがどうにも好きになれそうになかったのに、2作目で彼女に上から目線の社長令嬢にムカッ。こんな女は悪夢にずっとうなされていろ!と思ってしまいました。もうあかねに失敬な態度を取る奴は許せません。ヲタ森を除く(笑)。1作目よりも2作目の悪夢のほうが想像しやすいせいか、昨夜は神社の階段を見上げる夢を見ました。怖っ。同じ悪夢を見るのはやはり原因があるんだなぁ。私も自分が逃げる夢の原因を知りたい。間一髪で透明人間になれる理由も(笑)。
読了日:01月20日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/13183627
■まく子 (福音館文庫)
西加奈子に対する私の印象は「わかりやすい今村夏子」。そして西加奈子を読むとなぜかいつも、漫画家マルジャン・サトラピの映画『ペルセポリス』を思い出します。たぶんふたりともイラン生まれだというだけなのでしょうけれど(笑)。「まく子」は「何でも撒く子」でしたか。放火事件後の意外な人の登場にウルリ。そうそう、大人だって、パニックになって笑ってしまうことがあるんだよ。みんなきっと少しずつポーカーフェイスを覚えてゆくけれど、感情をそのまま顔に出したっていいときもある。「うっかり素直になれる」、そんな相手に出会いたい。
読了日:01月22日 著者:西 加奈子
https://bookmeter.com/books/13443700
■夢探偵フロイト: 邪神が売る殺意 (小学館文庫キャラブン!)
同じ作家の本は続けて読まないというマイルールを破って読んだ1作目と2作目。その後1冊だけ挟んで3作目。今年は内藤さんばっかりになったらどうしよう。3作目はこれまででいちばん嫌な感じ。前作までは「純粋な」悪夢だったけれど、悪意によって作られる悪夢はただ恐ろしいだけじゃない。しかもその悪意がとても理不尽なところから生じているから。ちょっと笑ったのは、顔写真だけ見て「人物そのものが幼稚、地に足がついていない印象」とあかねに思われる奴。いったいどんな顔やねん(笑)。あまりヒロインを危険な目に遭わせないでください。
読了日:01月27日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/14741219
■夢探偵フロイト アイスクリーム溺死事件 (小学館文庫キャラブン!)
またしてもマイルール「同じ作家は続けて読まない」を破って4作目。飲酒しながら読むせいなのか、前半の脳波がどうたらいう話、全然わからん。わからないと眠くなってしまいそうなところ、奇跡的に大丈夫。自分を殺しかけた相手のことまで心配して、なんだかんだで仲良くなるあかね、ええ子すぎ。1作目では嫌いだったのに(笑)。幼少期に植え付けられた罪悪感が大人になっても悪夢を見させる。私は代理ミュンハウゼン症候群を映画『ルイの9番目の人生』(2015)で知りました。これでシリーズ既刊読破。今から安心してマイルールを守れます。
読了日:01月29日 著者:内藤 了
https://bookmeter.com/books/16972852