『43年後のアイ・ラヴ・ユー』(原題:Remember Me)
監督:マルティン・ロセテ
出演:ブルース・ダーン,カロリーヌ・シロル,シエンナ・ギロリー,ベロニカ・フォルケ,
セレーナ・ケネディ,ベン・テンプル,ブライアン・コックス他
次年度に繰り越せない有休を消化するモードに入りました。
なんばで4本ハシゴの1本目は、なんばパークスシネマにて本作を。
本当に高確率で当たるんですよ、これ。
父親も別にイケメンじゃないし、娘も絶世の美女ではない。
でもこうして父娘そろっていつまでも年相応の役をできる人。
整形とかをして広角が上がりすぎると、年相応の役はできない気がします(笑)。
2年前に妻に先立たれたクロードだが、それなりに老後を楽しんでいる。
料理の腕前はプロ級だし、その他の家事も厭わない。
隣人シェーンとは気の知れた仲だから寂しくもない。
そんなクロードを唯一イラつかせるのは、ひとり娘セルマの夫デヴィッド。
昔からデヴィッドのことを頭のなか空っぽな奴だと思っていたが、
政治家のデヴィッドはこのたび公金で売春をし、巷で叩かれまくっている。
そのせいでセルマと孫娘タニアまでマスコミに追いかけられる始末。
ほとぼりが冷めるまでセルマとタニアが実家に身を寄せられるよう、
掃除を始めたところ、昔なつかしの写真が出てくる。
演劇評論家のクロードが若かりし頃に恋焦がれた相手リリィ。
シェーンに無理やり協力を頼み込み、自らもアルツハイマーのふりをして入所。
リリィに自分のことを思い出してもらおうと策を練る。
ところが、ドタバタに嫌気がさしたタニアが家出して、
祖父クロードの家に泊めてもらおうとやってくる。
留守宅の様子からクロードが老人ホームに入所したと知るタニア。
たまらずセルマに連絡したものだから、えらい騒ぎになって……。
年相応の役ができる人と最初に書きましたが、本作は70歳の設定なんですねぇ。
いやいや、それは無理でしょう。どう見ても80歳。(^^;
まぁ、おじいちゃんの役には違いないのだから、歳はどうでもいいとして。
リリィはかつての人気舞台女優。
夫のある身だったから、クロードとの恋は不倫。
各地を公演で回るときのみの逢瀬。
でもふたりとも本気の恋でした。
クロードの企みを知ったタニアは、それが祖父の初恋で、
祖母と出会う前の恋だったとわかると応援します。
祖父の血筋か、演劇を愛するタニアが凄く良い子。
途中からはクロードのことよりもむしろタニアのことを応援したくなる。
リリィには今も夫がいるから、
43年後に恋が実るというハッピーエンドにはなりません。
でも、こんなふうに好きだった相手と逢えたなら、
人生に後悔はないかもしれない。