『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』(原題:Gogo)
監督:パスカル・プリッソン
外国人観光客が増えてから、駐車料金が急騰した梅田スカイビル周辺。
しかしコロナで人通りがめっきり減ったせいかおかげか、
今は駐車料金が最高値時期の半値ぐらいになっています。
1日中駐めても1,000円前後というのはありがたいこと。
そんなわけで車で梅田へ。最大料金900円の駐車場に空きあり。
シネ・リーブル梅田にて3本ハシゴ。
監督は『世界の果ての通学路』(2012)のパスカル・プリッソン。
今度はアフリカに暮らす94歳の現役小学生に密着。
ケニアの小さな村に暮らすプリシラ・ステナイさん。
みんなから“ゴゴ(=おばあちゃん)”と呼ばれ、愛され慕われている。
軍人の夫は早くに亡くなったが、3人の子どもがそれぞれ結婚し、
22人の孫と52人ものひ孫がいます。
彼女が生まれた村の人々は、女は学校になんて行かなくてよいと思っている。
少女だった頃、父親から牛の世話を手伝うように言われ、
それが当たり前だと彼女自身も思っていた。
でも、90歳を過ぎてから、就学していない女性たちを見て、
本当にこのままでよいのか、教育を受けるべきではと思うようになり、
自分がまずはお手本を示すつもりで小学校入学を希望します。
前代未聞のことだから、どの小学校もすんなりとは受け入れてくれない。
やっと彼女の思いに応えてくれた学校に、ひ孫のひとりと通い始めます。
村から離れて数カ月は寄宿舎暮らし。
ほかの小学生と同じ制服を着るゴゴのなんと愛らしいこと。
読み書きだけ学ぶのかと思ったら、数学も英語も習うし、
1週間の校外学習にも出かけて、野生のライオンとも遭遇。
90年以上生きてきて、村を出るのが初めてだという彼女の表情がまぶしい。
校外学習に出かける途中に立ち寄った村では、
少女の就学状況がゴゴの村と必ずしも同じではないと知ります。
彼女の村では妊娠すれば学校を辞めるのが当たり前。
でもほかの村では妊娠しても学校には通い続ける。
絶対に学校を辞めるべきではないと、ゴゴは自分の村の妊婦に説きます。
勉強することが如何に楽しくて大切かを皆に語ってきた彼女なのに、
ある日突然学校にはもう行かないと言い出します。
小学校の卒業試験に落ちたことにスネてかと思いきや、そうではなかった。
白内障を患った目では答案用紙も見えず、断念したのでした。
その事情を知った校長は都会の病院を手配。晴れて彼女の目はまた見えるように。
もっと多くの少女が安心して教育を受けられるよう、
ゴゴは少女たちのための寄宿舎の造成にも携わりました。
何事も、始めるのに遅すぎることはない。
おばあちゃんの思いが世界中に届きますように。