『森の学校』
監督:西垣吉春
出演:篠田三郎,神崎愛,雪代敬子,久保山知洋,登坂紘光,三浦春馬,小谷力,
小峰玲奈,日向明子,織本順吉, みやなおこ,島木譲二,レツゴー長作他
ドリパスというのがありまして、
劇場で観たいな~という作品をネットでリクエストし、
一定数が集まるとそれが叶えられます。
三浦春馬が亡くなったことが関係するのかどうか、
彼が12歳だったときの出演作にリクエストが集まり、上映に至りました。
DVD化されているならそれでもいいやと思ったのですが、ない。
ならば逃さず観に行くべし。
なんばで4本ハシゴの3本目、TOHOシネマズなんば別館にて。
原作は京大霊長類研究所の元所長・河合隼雄の兄である、
河合雅雄の児童文学『少年動物誌』。
1935年頃(昭和10年代初頭)の丹波篠山が舞台となっていて、
2002(平成14)年の作品とは思えないほど、良い意味で古い。
河合家は両親と6人の男児の8人家族。
父親は歯科医の秀雄(篠田三郎)、それを手伝う母親の静子(神崎愛)。
三男の雅雄(三浦春馬)は腕白なガキ大将ながら病気がち。
学校をひと月休まねばならないこともザラで、
元気な兄弟を見るにつけ劣等感にさいなまれている。
ある日、東京から少女が引っ越してくる。
彼女は美代子(小峰玲奈)、祖父の万蔵(織本順吉)がこの村の住人。
万蔵の娘の夫が戦死し、しばらく美代子を預けに来たのだ。
都会育ちの美代子はなかなか打ち解けずに孤立。
そんな彼女も雅雄と自然の中で遊ぶうちに心を開いて……。
どうしても三浦春馬に目が行ってしまいます。
大人になってからの彼は特に私のタイプというわけではなかったのですが、
少年のときの彼、実に男前。将来が楽しみになる顔立ち。
村の子どもたちの派閥は大きくふたつに分かれていて、
雅雄たちと相対するのは、憲兵隊長の息子を大将とする一団。
1対1の殴り合いになったとき、素手で挑む雅雄。
木刀で顔に切りつける憲兵隊長の息子、サイテー(笑)。
喧嘩に勝った雅雄のことを「何をしてくれるんや」と責める近所の大人たち。
雅雄の婆ちゃんが「年寄りに免じて許してくれ」と言ったとき、
父ちゃんの秀雄が言うことがよかった。
「雅雄の話も聞かず、どちらが悪いのかもわからないままで
勝手に謝るのはよしてくれ」。父親の鑑やな。
子ども同士のこと、大人と子どものこと、ご近所づきあい、
そして自然、生きものとの触れ合い方。
いろんなことを学べた気がします。
再び、春馬くんのご冥福を祈りたい。