夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ジェントルメン』

2021年06月06日 | 映画(さ行)
『ジェントルメン』(原題:The Gentlemen)
監督:ガイ・リッチー
出演:マシュー・マコノヒー,チャーリー・ハナム,ヘンリー・ゴールディング,ミシェル・ドッカリー,
   ジェレミー・ストロング,エディ・マーサン,コリン・ファレル,ヒュー・グラント他
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『アオラレ』の次に。
早く観たくてたまらなかった作品。
このまま劇場の営業が再開しなければ観逃してしまうのかと思っていたので、
こうしてちゃんと劇場で観られて本当に嬉しい。
 
ガイ・リッチー監督、かなり好きです。
もう「マドンナの元旦那」と言われることもないでしょうか。
 
アメリカ人のミッキーは、ロンドンで大麻ビジネスを展開して大成功。
莫大な資産を築いた裏社会の有名人。
そんなミッキーが利権を売却して引退するという噂が広まり、
裏社会の住人たちが我こそがその利権を手に入れようと画策していた。
 
そのすべてを潰すネタを持っていると言って
ミッキーの右腕レイのもとを訪れたのは、ゲスの私立探偵フレッチャー。
ネタを新聞社に15万ポンドで買い取らせる算段を整えたうえで、
レイには2000万ポンドで買い取ってくれるなら新聞社には売らないと言う。
なぜ15万ポンドのネタが2000万ポンドに跳ね上がるのかとレイが尋ねると、
フレッチャーは自分の調査に基づく推測を蕩々と語りはじめ……。
 
利権を我がものにしようとたくらむのは、
ロシアンマフィアはそれとは別口で絡みます。
 
曲者どもを演じる顔ぶれが面白い。
ミッキー役にはマシュー・マコノヒー
『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)でエイズ患者を演じるために
壮絶なダイエットをした彼は、その後もなかなか体重が戻らないのか、
ずっと体調を心配したくなる顔と体つきでした。
本作ではようやく元の彼に戻った気がして安心しました。
 
ミッキーの側近レイ役のチャーリー・ハナムがとてもいい。
ボスにどこまでも忠実、賢くて頼れる人。
自分のほうが賢いと思っているフレッチャー役にヒュー・グラント、喋る喋る。
よくこれだけの台詞を覚えましたよね。
 
そのほかもみんな自分がいちばん賢い、出し抜けると思っている。
善人役も悪人役もできる俳優が揃っています。
そうそう、新聞社の編集長を演じるエディ・マーサンもそうですね。
こいつら、みんな悪い。
 
いちばん気に入ったのは、ボクシングジムを経営するコーチ役のコリン・ファレル
本作の中では異色の存在で、彼だけはミッキーを騙そうなんて気はありません。
不良をジムで引き取って親代わりに面倒を見ているのに、
とにかく目立ちたい不良どもは、ミッキーの大麻栽培施設で盗みと暴行を働く。
それを知ったコーチはすぐにレイに謝りに行き、
大麻を全部返したうえで、お詫びに何か手伝うと申し出ます。
これが実に可笑しくて、彼の登場シーンはよく笑わせてもらいました。
 
化かし合いが小気味よい。楽しかった。
 
最初にミッキーがビールと共に注文するゆで卵のピクルスが気になりました。
“pickled egg”というのですね。ハードボイルドには卵が定番。食べたい。

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