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『映画大好きポンポさん』

2021年06月30日 | 映画(あ行)
『映画大好きポンポさん』
監督:平尾隆之
声の出演:清水尋也,小原好美,大谷凜香,加隈亜衣,大塚明夫,木島隆一他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
もとはWeb漫画なのだそうです。
あまり好みの絵ではなくて、観に行くつもりもなかったのですけれど、
某レビューサイトの評価がやたらと高く、しかも映画好きにはたまらん内容とある。
ホンマかいなと思いながら観てみることにしました。
清水尋也が声優を務めているというのも少し興味がありますし。
 
まず設定にはまったく乗れない(笑)。
この少女が敏腕映画プロデューサーのポンポさんってか。
しかも登場の仕方が自ら「ポンポさんが来たよ!」って。
う~ん、非常にツライかもと思いながらスタート。
 
映画の都ニャリウッド。
青年ジーン・フィニは敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのアシスタント。
内気な性格のせいで幼い頃からずっとひとりぼっち。
映画を観ることだけが楽しみで、観た映画はすべて記憶しているほどの映画通
本当は映画監督になりたいが、そんなことは誰にも言えない。
 
そんなジーンの思いと資質を見抜いていたポンポさんは、
ある日、新作映画のスポットCMの制作をジーンに任せる。
15秒という枠の中、奮闘しながらジーンが制作したCMは、
ポンポさんと売れっ子監督の期待を上回る出来映え。
 
すると、ポンポさんは自身が書いた脚本をジーンに託すことに決定。
これで女優デビューを果たすことになったのは、少女ナタリー・ウッドワード。
彼女はこれまであらゆるオーディションに落ちまくっていたのに、
ポンポさんはナタリーを当て書きしたと言う。
 
また、世界一の俳優と崇められているマーティン・ブラドックは、
ここ10年、鳴りを潜めていたが、本作で俳優に復帰。
話題をさらうに違いない作品で初メガホンを取ることになったジーンは……。
 
いろいろ乗り切れない部分はあったものの、
確かに大人も楽しめるアニメ作品です。
 
ポンポさんの映画づくりにおけるルールも面白い。
上映時間は90分まで。それを超える長さの映画は作らない。
『ニュー・シネマ・パラダイス』のことも「長いから嫌い」とバッサリ。
B級映画ばかり撮るのは、別にB級が好きなわけではなく、
いかにも泣かせられそうな映画で感動させるよりも、
B級映画で感動させるほうが楽しいでしょうと。
そうですよね、B級で泣くと、なんでこんなので泣いているんだと笑ってしまう。
掘り出し物を見つけたなぁと時には思ったりもします。
 
身を削るほどの思いであれこれカットしてゆく。
監督やその周辺の人たちの思いも伝わってきて、
映画が完成するまでの過程を楽しむことができました。
 
ジーンとかつて同級生だったアランが勤務する銀行の話も楽しいですよ。
ジーンとは違って、社交的でイケメンで何でもそつなくこなしてきたアランが
大手銀行に就職して挫折。上司からはケチョンケチョンに言われる。
退職を申し出ようとしたまさにその日、
ジーンが監督する映画が資金繰りに困っているというニュースを目にする。
退職を翻意したアランがどうするか、渾身のプレゼンをご覧ください。
 
映画は楽しい。

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