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『スイング・ステート』

2021年09月30日 | 映画(さ行)
『スイング・ステート』(原題:Irresistible)
監督:ジョン・スチュワート
出演:スティーヴ・カレル,クリス・クーパー,マッケンジー・デイヴィス,
   トファー・グレイス,ナターシャ・リオン,ローズ・バーン他
 
TOHOシネマズ梅田へ移動して本作を鑑賞。
 
監督はアメリカの人気パロディニュースショーの司会で知られるジョン・スチュワート。
映画監督としては長編2作目になるそうです。
原題の“Irresistible”は「圧倒的な」とか「抵抗できない、抑えきれない」の意味ですが、
邦題の“Swing State”は「激戦州」の意。確かに、このほうがわかりやすい。
 
民主党選挙参謀ゲイリーは、大統領選挙に向けた作戦を思案中。
激戦州のウィスコンシン州では農村部の住民の票を獲得することが大事。
しかし民主党には彼らの心を動かすような言葉を発信できる人物がいない。
 
そこへ若手スタッフのエヴァンが持ってきた映像にゲイリーの目が釘付けになる。
それは、ウィスコンシン州の田舎町ディアラーケン在住の退役軍人ジャックが、
外国人労働者のために声を上げる姿が映し出されたものだった。
 
ディアラーケンの町長選にジャックを出馬させて勝利を収めれば、
ここを足がかりに民主党の票を伸ばせるはずだと考えたゲイリーは、
すぐさまディアラーケンへと飛び、ジャックに出馬を打診する。
 
翌朝、ジャックが提示した条件はただひとつ。
ゲイリー自身がこの町に残って指揮を執ること。
小さな町のことだからほかのスタッフに任せるつもりだったゲイリーは、
ジャックの提示を飲み、選挙事務所を立ち上げるのだが……。
 
自分は選挙のエキスパートだもの。
こんな田舎町の町長選ぐらいチョロい、と思っていたら、
あちこちのメディアで取り上げられたものだから、全米の注目を浴びるように。
すると、共和党の選挙参謀で憎きライバルまでもが乗り込んできます。
ゲイリー役のスティーヴ・カレル、ライバルのフェイス役のローズ・バーン
このふたりの応酬は見苦しくて(笑)ちょっとした見物です。
 
まぁまぁ面白かったのですが、後味がよろしくない。
エンドロールでどこやらの学者が「実際にやろうと思えばできなくもない」とおっしゃっている。
できるんですね、こんなことが。
向こうから見ればしてやったり。こりゃ凹むわな。
 
……きっと上映は長くはないと思うので、ネタバレしちゃいますが、
全部、町ぐるみの嘘。欺していましたという話。
口八丁の選挙参謀も、自分が賢いと思っていたらこんな目に遭います。
 
そうだ、本作でいちばん驚いたのは、選挙スタッフの中にナターシャ・リオンがいたこと。
彼女は『Fカップの憂うつ』(1998)のヒロインだったのですけれど、こんな地味になっちゃって。
でもインパクトはある役だったのが嬉しかったのです。

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